前日のエントリid:kaikaji:20060708の続きです。
また、グローバリゼーションの深化はまたそれぞれの国内における所得配分の状況にも影響を与えた。しかし、その方向性はその国がおかれた状況によってやはり非対称なものであった。グローバリゼーションにより、各国の相対的要素価格(地代と賃金の比率)には強い均等化の傾向が見られたが、この動きは土地が相対的に豊富な国(ラテンアメリカ・インドパンジャブ地方など)では地代の相対的上昇をもたらし、労働が相対的に豊かな地域(ヨーロッパ・アジアなど)では、賃金の相対的上昇をもたらしたからである。このため、前者ではグローバリゼーションと共に国内の富の配分が拡大したのに対し、後者ではむしろ縮小したのである。
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