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【Contents @本読みのスキャット!】 

2010-03-16

ご都合主義のオンパレード 「楽園」

楽園 上 (文春文庫)楽園 下 (文春文庫) ★★☆☆☆

未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。


「宮部みゆき」だからと思って読んだら怪我しちゃうね、本書は。彼女の作品の中では駄作の部類に入るんじゃないだろうか。そう思うくらい個人的にはつまらなかった。


何がつまらなく感じたかと言えば、とにかくご都合主義のオンパレードだという点。大体において主人公の勘が頼りに物語は展開していき、その勘もドンズバの的中率という神がかりの鋭さ。すご過ぎるとしか言いようがなった。


全編を通して事件の調査がメインになっていることもあって、人との会話ばかりで物語が進行していくという点も読んでて正直辛かったなぁ。ちょっと事件の情報が入ると、その場所へ赴いて話を聞くというパターンがとにかく繰り返される。ミステリー作品だからとは言え、もっと工夫して欲しかった…。


真相にたどり着くまでに、ほとんどつまづくことなく行き着いてしまったところも腑に落ちなかったんだよね。かなり効率よく立ち回ってたし。やっぱり大きなトラブルみたいなものを乗り越えさせないと面白くならないでしょう、普通に考えて。


それから、事件を調査する主人公の動機というのも、単なる好奇心とか野次馬根性でというのも納得いかなかったなぁ。ミステリーの探偵役の動機としては一番駄目なパターンなんじゃないだろうか? まだ息子を亡くした母親を探偵役にさせた方が動機としてはすっきりしたと思うけど。


でも、相変わらず丁寧に細かく物事を描写している点は良かったと思う。読みやすかったしね。その辺はベテランならではというところなのかもな。


関連記事:制裁を加えたい願望、歪んだ正義感、孤独ゆえの措置 「クロスファイア」

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