アサカディフィート引退

明日のレースが全然分からないので、昔話でもダラダラ書こうと思う。


何日か前に、アサカディフィートの引退が決まった。アンドロメダS、中山金杯、小倉大賞典の黄金ローテで全く見せ場がなく、同い年のリキアイタイカンも丁度こないだ中央を去った頃だったから、何となくそろそろかな、という気がしていた。あともう一年くらい頑張って欲しかった気もするけど、ハンデ50キロとかで出るようになったら毎回取捨に悩むから、この辺で引退がちょうど良かったのかもしれん。
一昨年のアンドロメダSで◎アサカディフィート○サクラメガワンダーの馬連・馬単で勝負して泣いたのも思い出深いけど、もっと昔、もっと熱くこの馬から勝負したレースが忘れられない。あれは確か、5年前の中京記念だった。


デビュー当時のアサカディフィートは立派な逃げ馬で、5歳でオープン入りを果たした後も先行策で実績を積み重ねていた。しかし前年の秋頃からスタートの悪さが徐々に顔を出し初めて、脚質が後ろに寄り始めていた頃でもあった。年が明けて04年の中山金杯を3馬身半差で圧勝し、小倉大賞典も先行して4着入線。勢いそのままに挑んだのが中京記念だった。
当時の中京の戦績は( 2 0 0 2 )。着外の2回は金鯱賞の2年連続5着。この頃のアサカディフィートは間違いなく中京巧者だった。相手関係も、前走東京新聞杯2着のクラフトワークが1番人気になるようなメンバー構成。ここが勝負だ、と思った。

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中京記念
 ◎アサカディフィート
 ○ナリタセンチュリー
 ▲メイショウキオウ
開幕週の中京の二千メートルでこのメンバー。57キロでも、アサカディフィートが不動の本命。
対抗にはナリタセンチュリーを推す。鞍上が不安だが、道中のポジショニングさえうまくいけば好走できるはず。だがそれにしても56キロは少し見込まれた。なぜクラフトワークより重いのか。この馬はむしろ中京千八の方が向くかなという気もするが、まあ血統的にどっちでもいけるだろう。
逆にカンファーベストは中京千八は得意でも中京二千はこなせないタイプと見た。無視でいい。むしろ軽ハンデのゼンノショウグン、メイショウキオウが穴として取捨に悩むところ。
人気サイドで怖いのはクラフトワークとタガノマイバッハ。特にクラフトワークの方は実力的には本命視してもいいくらいなのだが、前二走が斤量に恵まれすぎた分、今回は人気しすぎで買う妙味がない。2走ボケを祈って消してみる。また前年覇者タガノは前に行ける強みがあるが、去年大阪杯でマグナーテンを倒した時ほどのデキにはない気がする。

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まだこのブログを始めてもいない頃に、某所に書いた予想文を引っ張り出してきた。
自分が書いた文章ながらイマイチよく分からない部分もあるけど、当時は「点数絞って大穴狙って、目標回収率300%」を始めた最初の年だった。年明けから大穴を狙い続けて、3月になってもまだ一本も的中していなかった。今なら3ヶ月くらい的中がなくても何とも思わないけどw、当時はそんなのは未体験だったのでさすがに焦りも感じていた。
結果的には、開幕週の中京馬場でアサカディフィートは出遅れて後方から外を回して負けた。レースは前残りになって▲メイショウキオウ○ナリタセンチュリーで決着。馬単2000倍という強烈な縦目を食らって、淀のスタンドで崩れ落ちたのを覚えている。


このレースの後、自分のやり方が正しいのか、もっと点数を広げるべきなのか、悩みに悩んだ。
中山牝馬Sで三連複を2点で的中させて、自分は間違ってないと確信できたのはこの6日後のことだった。あの中京記念は、初志貫徹の重要さを学ぶための試練でもあった。あれからもうすぐ5年が経つ。馬券の買い方は今もほとんど変わっていない。


あの中京記念でアサカディフィートが出遅れずに先行していたらどうなっていたかは分からない。万が一1着に来ていたら160万くらい払い戻していたはずだけど、今にして思えば当時の自分には分不相応な額だ。中山牝馬Sくらいが丁度良かったんだと思う。
それ以降もアサカディフィートの馬券は買ったけど、俺が買うたびに出遅れを続けて、仕舞いには純粋な追い込み馬になっていた。結局引退までにアサカディフィート絡みで当てたのは一昨年のアンドロメダSのガンバレ馬券100円ずつだけだったけど、出馬表でこの馬の名前を見るたびに、「お、また出てるな」と安心していた。それももうお終いになった。


以前サラブレで'90年代の競馬を特集した時だったと思うけど、ミスタートウジンについて触れている文章を見た覚えがある。88年デビュー、00年引退。オグリキャップからグラスワンダーまで、'90年代の競馬と共に走り続けたのがミスタートウジンだった。
01年にデビューして09年まで走り続けたアサカディフィートも、'00年代の10年間を代表する馬の1頭として語られる機会があるかもしれない。次の'10年代もまたこういう馬が出て来ることを期待しながら見送りたい。