2012/04/24 (Tue)
Ubuntu向けに作成・公開していたパッケージの12.04への対応を完了
- ppa:kakurasan/stable (安定扱いのパッケージ)
- ppa:kakurasan/unstable (不安定扱いのパッケージ)
の2つのPPAリポジトリで公開しているUbuntu向けパッケージについて、Ubuntu 12.04向けのアップロードを完了した。
本記事はUbuntu 12.04の正式版のリリース前に11.10上で書かれているため、未確認の問題が残っている可能性があるが、問題が確認されればなるべく早く修正する予定。
(2012/4/25)Ubuntu 12.04の正式版は早ければ日本時間における4/26の夜には利用可能になる可能性があるが、手元の環境を更新するのは早くても4/27となるため、何らかの修正作業を行うとした場合はこれよりも後になる。
(2012/4/26)21:30過ぎの時点でISOイメージファイルのダウンロードができることを確認したが、MD5やSHA-1のダイジェストがダウンロードページにあるファイルと一致しない状態なので、しばらく様子を見ることにする。破損チェックには成功するので、ダウンロードページのダイジェストかISOイメージファイルのどちらかが古い可能性がある。
(2012/4/27)https://bugs.launchpad.net/ubuntu-website-content/+bug/988994 のコメントにあるように、別のミラーサイトを指定してダウンロードすることでダイジェストは一致した。
廃止(今後更新予定なし)パッケージについて
ディストリのパッケージの関係で一部は不要となっており、PPAリポジトリ上での更新は行わないこととする。
jstest-gtk
Ubuntu 11.10から標準で同名のパッケージが利用可能となっているため、廃止とする。
Pingus
Ubuntu 11.10向けに作成したバージョン0.7.5のパッケージは、その後バージョン0.7.6のパッケージが標準で利用可能となっているため、廃止とする。
C/Migemo
Ubuntu 12.04から標準で
- cmigemo-common (エンコーディング別の辞書と辞書更新用ツール)
- libmigemo1 (ライブラリ)
- libmigemo-dev (開発ファイル)
- cmigemo (cmigemoコマンド)
- vim-migemo (Vim用プラグイン)
のパッケージが利用可能となっているため、廃止とする。
Open JTalk関係のパッケージについて
Ubuntu 12.04から以下のパッケージが標準で利用可能となっている。hts_engine APIは共有オブジェクト(*.so.*)形式で提供される。
- open-jtalk (Open JTalkの本体・UTF-8向け)
- open-jtalk-mecab-naist-jdic (Open JTalkの辞書・配置場所は/var/lib/mecab/dic/open-jtalk/naist-jdic/以下・エンコーディングはUTF-8)
- libhtsengine-dev (hts_engine APIの開発パッケージ)
- libhtsengine1 (hts_engine APIライブラリの共有オブジェクト)
- htsengine (hts_engineコマンド)
- hts-voice-nitech-jp-atr503-m001 (男声データ・配置場所は/usr/share/hts-voice/nitech-jp-atr503-m001/以下)
しかし、パッケージ「hts-voice-nitech-jp-atr503-m001」以外についてはバージョンが最新ではないため、パッケージの名前や構成などはディストリのパッケージに基づいたものにして最新のバージョンをアップロードした。一部のパッケージの名前は以前アップロードしたときのものとは異なる。また、パッケージ「open-jtalk-mecab-naist-jdic」については辞書の配置場所が以前アップロードしたときのものとは異なる。
「Mei」の声データ(hts-voice-mei)についてはディストリのパッケージがないため、標準で利用可能になるまでは公開を継続する。
(2012/4/25)上記のDebian/Ubuntuのパッケージのメンテナの方からコメントを頂いた。
- 最新のバージョンになっていないのはDebianからパッケージが取り込まれる期限の関係による(2012/4/25時点ではDebianのパッケージは最新のバージョンがtestingまで来ている)
- 声データのhts-voice-nitech-jp-atr503-m001やMeiはそれ自体は自由なライセンスだが作成/編集について自由でないソフトウェアに依存し(Debianにおける分類が「contrib」)、Meiについては「十分なメンテナンスができないであろう」としてパッケージ化しない意向
このため、当PPAリポジトリではMeiの声データの公開を当面(誰かがディストリ標準のパッケージを提供しない限りは)継続するとともに、今回の12.04のように最新でないバージョンがあった場合には将来のUbuntuにおいても最新のバージョンを公開していく方向となる。
rxvt-unicodeについて
本ウェブログ上では特に告知していなかったが、rxvt-unicodeの--with-codesets=jp,jp_extオプション付きバージョンを公開していた。これに加えて256色対応も以前はしていたが、256色有効版の「rxvt-unicode-256color」というパッケージが出てきたので、軽量版の「rxvt-unicode-lite」パッケージ(256色非対応)に基づいて256色対応(だけ)を有効にした「rxvt-unicode-lite-256color」というパッケージを追加する形にした。「-256color」が末尾に付かないものは標準のパッケージと同様に256色非対応となっている。
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2012/01/05 (Thu)
日本語の文字列をオーディオデータに変換するOpen JTalkの概要とインストール(2012年1月上旬時点)
概要
Open JTalk(http://open-jtalk.sourceforge.net/)は日本語向けのtext-to-speechという類のソフトウェアで、文字列をオーディオデータ(WAVE形式)に変換することができる。コマンド名はopen_jtalk。文字列には漢字も使えるが、誤読することもある。
OSに依存しない作り(C言語の標準Cライブラリのみを使用)となっており、GNU/Linuxでも動作する。また、プログラム部分のライセンスが修正BSD/三条項(3-clause)となっており、自由なソフトウェアであることも大きい。
パッケージの構成
hts_engine API関係
Open JTalkをビルドするにはhts_engine API(http://hts-engine.sourceforge.net/)というライブラリを別途用意(ビルド含む)しておく必要がある。このライブラリは静的リンクライブラリのみを提供し、ビルド後はOpen JTalkに組み込まれる(ビルドしたOpen JTalkは単体で動作する)。
Open JTalkのビルド時には--with-hts-engine-header-path(hts_engine APIのヘッダを配置したディレクトリ)や--with-hts-engine-library-path(hts_engine APIのライブラリを配置したディレクトリ)といったオプションをconfigureスクリプトに渡す必要がある。
声データ
Open JTalkは声の種類を声データによって変えることができ、Open JTalk本体のサイトからは男声の「NIT ATR503 M001」,Open JTalkを用いたMMDAgent(http://www.mmdagent.jp/)というソフトウェアの「Sample Script」というパッケージからは女声の「Mei」がそれぞれ入手できる。これらのライセンスはクリエイティブ・コモンズのAttribution (CC-BY) 3.0となっている(営利目的での使用も可)。
一覧
| パッケージ | 説明 | ライセンス |
|---|---|---|
| hts_engine API | Open JTalkのビルドに必要なライブラリで静的リンクされる(Open JTalkのビルド時に組み込まれる)・ライブラリとは別にhts_engineというコマンドも含まれる | 修正BSD/三条項 |
| 声データ(NIT ATR503 M001やMei) | 声のデータ | CC Attribution (CC-BY) 3.0 |
| Open JTalk | 本体(辞書が付属) | 修正BSD/三条項 |
(追記)Debian/Ubuntu公式のパッケージについて
(2012/1/16)Ubuntu 12.04(Debianではwheezy)からは以下のDebian/Ubuntu公式のパッケージが追加されており、標準で利用可能となることが分かった(Meiの声データのみ存在しない)。hts_engine APIは共有オブジェクト(libHTSEngine.so.1.0.0/libHTSEngine.so.1)として提供される。
- open-jtalk (Open JTalkの本体・UTF-8向け)
- open-jtalk-mecab-naist-jdic (Open JTalkの辞書・配置場所は/var/lib/mecab/dic/open-jtalk/naist-jdic/以下・エンコーディングはUTF-8)
- libhtsengine-dev (hts_engine APIの開発パッケージ)
- libhtsengine1 (hts_engine APIのライブラリ)
- htsengine (hts_engineコマンド)
- hts-voice-nitech-jp-atr503-m001 (男声データ・配置場所は/usr/share/hts-voice/nitech-jp-atr503-m001/以下)
下の自作パッケージはOpen JTalkの辞書のディレクトリが異なる。
Ubuntu向けの自作パッケージ(11.10向け)
今回、Ubuntu 11.10向けのパッケージを以下のパッケージ名で作成し、「milkjfフォントとut(内海氏)版AnthyのUbuntu向けパッケージを作成(2010/11/20現在)」で書いているPPAリポジトリに公開した。
(2012/1/16)Ubuntu 12.04からは標準でパッケージが利用可能となることが分かったため、この自作パッケージは声データのMei(hts-voice-mei)を除いて廃止する予定。
| PPAリポジトリにおけるパッケージ名 | 内容 |
|---|---|
| hts-engine | hts_engineコマンド(Open JTalkからは使われない) |
| libhts-engine-dev | hts_engine APIのヘッダファイルと静的リンクライブラリ(Open JTalkのビルド時に必要) |
| hts-voice-nitech-jp-atr503-m001 | (男)声データ「NIT ATR503 M001」 |
| hts-voice-mei | (女)声データ「Mei」 |
| openjtalk | 本体(UTF-8向け) |
| openjtalk-dic | 本体の辞書部分(アーキテクチャ非依存ファイル群のため本体から分離・UTF-8向け) |
Open JTalk本体には
- mecab
- mecab-naist-jdic
といったパッケージが含まれている関係でディストリのパッケージを用いるようにできないかと調べてみたが、どちらも手が加えられている関係でディストリのパッケージを代わりに使用するようにはできなかった。本体の辞書の配置場所だけは「[インストール先]/dic」という(GNU/Linuxではあまり用いられない)配置を「/usr/share/openjtalk/dic/」以下になるように修正した。
声データの配置については/usr/share/hts-voice/に声ごとのディレクトリが入るようにした。
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