カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

青少年インターネット規制法

1 我々は何をなすべきか

先日、某オフ会で「言論規制」「表現規制」に関心のある学生さんと会い、学生に何ができるか、何をなすべきか、という話をした。
1;現状どうなっているのか情報をとにかく集め、整理する。
2;法案が出ているのなら実際に読み、問題点を整理する。
3;学生なら自分の専門分野でそれを研究できないか考え、研究できたら研究する。図書館へ行き、規制論の反証となる情報を集めてくる。できたら反証情報をwebにアップする。
以上が基本。
よく「団体を作らないとダメだ」みたいな妄言を言う人がいるけど、「団体」ってのは票か金を集めることができなければあまり意味がないので、「団体」幻想は捨てるべきだ。だいたい5人程度のサークルで上記研究活動をしたらかなり政治的に意味がある。5人以上の集団は集団自体を維持することに目的がズレてしまいがちで、効率的ではない。
我々は「正規軍」的な活動においては敵に比べ不利である(「団体を作らないと」という妄言は「正規軍」的活動を前提にしている)。敵は規制推進活動をすることで収入を得(宮本潤子アグネス・チャンはロビー活動するという「仕事」で財団法人日本ユニセフ協会なりから給与をえているのだからうらやましいご身分だ)、規制が実現することで利益を得る(竹花豊は警察官僚の天下り先を作るために表現規制論を吹聴し画策している)のだが、我々は規制反対活動をすることで少しも収入は増えないばかりか仕事の時間を削ったりして収入はむしろ減るので、「正規軍」対「正規軍」のイメージで戦略を立てるのは利口ではない。我々に適しているのはゲリラ的な活動であり、ゲリラ的な戦略・戦術である。たとえば「議員へ手紙を送る」ことも「ゲリラ的活動」の一つであり、実際に効果を上げている。

2 青少年インターネット規制

情報統制法群がラッシュで現在どれだけ情報統制関連法案が進行中なのか正直言って私もよく把握できていないんだが、だからもう少し見取り図が描けてから投稿しようと思っていたんだが、法案としてのタイムリミットが近づいているものがあるので、まずは「青少年インターネット規制法」について以下情報を整理してみる。
1;「青少年インターネット規制法」は、自民党高市早苗が言い出した。(「ホットラインセンター」に言及しているようだから、後ろに竹花豊がいるものと推定される。)
2;高市早苗案に対し、自民党内で別な「青少年インターネット規制法」が審議されている?
3;民主党でも「青少年インターネット規制法」が提出されている。提出者は高井美穂。これがビックリするほど高市早苗案にソックリだとのことhttp://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/f9a907ff7686abe56706da31d1932c5a高井美穂国会事務所は高市早苗国会事務所のすぐ隣だから、本人同士はどうかわからんけど、秘書同士がつるんで提出している可能性はけっこう高いと思われる。(やはり後ろに竹花豊がいるものと思われる。)
以上が大雑把な見通し。
関連 http://ofo.jp/blog1207249431.phtml

3 青少年インターネット規制法案情報

http://www.asahi.com/politics/update/0321/TKY200803210348.html
有害サイトの法規制は是か非か 自民党真っ二つ  2008年03月21日19時46分
 インターネットの出会い系や自殺などを扱う有害サイトの規制をめぐり、自民党内の意見が割れている。高市早苗・前少子化担当相を中心とした党青少年特別委員会は、有害性を判断する行政委員会を内閣府に新設し、閲覧を制限する議員立法案を19日、内閣部会に提示。一方、法規制に慎重な総務部会は、業界の自主規制に任せるべきだとして、対立が続いている。
 出会い系サイトをきっかけに買春などの被害に遭う18歳未満の子どもは06年に1153人に達した。携帯電話各社は今年に入って、使用者が18歳未満の場合、有害サイトを見られないよう接続を制限するフィルタリングを原則加入とし、業界団体はサイトの審査を行う第三者機関を近く発足させる。
 だが、高市氏は「対策は不十分で、有害サイトに簡単にアクセスできる状況は変わらない」と主張。議員立法案は、有害情報を「著しく残虐性を助長する情報」「著しく犯罪、自殺及び売春を誘発する情報」などと定義。業界の自主判断ではなく、独立した権限をもつ行政委員会が具体的な基準を定め、携帯各社やネットカフェ業者などにフィルタリングを義務づける。
 また、サイト管理者やプロバイダーに対して、有害サイトの閲覧を18歳以上の会員に限ったり有害情報を削除したりすることを義務づける。違反した場合、罰金や懲役も設ける。
 一方、総務部会は19日、性急な規制強化を牽制(けんせい)しようと対策チームを発足。委員長となった山口俊一衆院議員は「青少年が犯罪に巻き込まれている現状をふまえつつ、表現の自由や関連業者の育成など多面的な検討が必要だ」と話し、4月末までに見解をまとめる。
 民主党も対策を検討している。民主党の19日の会合に出席したソフトバンク孫正義社長は、「特定の組織が検閲するのは恐ろしいこと。行き過ぎた規制強化は危険」と述べた。

http://ascii.jp/elem/000/000/123/123641/
池田信夫の「サイバーリバタリアン」 第11回 ネットの「自由放任」は終わりだ  文●池田信夫(経済学者) 2008年04月08日 17時00分更新
「有害無益」なネット規制
 今、自民党民主党総務省が、競って「青少年有害情報」を規制する法案を国会に出そうとしている。
 特に民主党案と、高市早苗氏を中心とする自民党の内閣部会の青少年委員会が提案している「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」は、文言までそっくりだ。このまま放置すると、与野党が一致してインターネットを規制する法案が成立するおそれが強い。
 この法案における最大の問題は、フィルタリングなどをすべてのウェブサイト管理者やISPに義務付けたうえで、違反者には6ヵ月以下の懲役、または100万円以下の罰金という罰則を設けているという点だ。
 今、行なわれている携帯電話のフィルタリングhttp://ascii.jp/elem/000/000/102/102337/は自主規制だが、今度の法案では、インターネット上の情報を「青少年健全育成推進委員会」という公的機関が審査し、「青少年有害情報」と認定したものをフィルタリングするという義務をISPに課すことになる。必要な場合はコンテンツの削除を命じたり、立入検査もできる。
 また有害かどうかを判定する基準も「〜を誘発するもの」とか「〜おそれがあるもの」など曖昧で、委員会の裁量の余地が大きい。こういう法律が施行されると、個人情報保護法のように、ISPが過剰反応して予防的に怪しいコンテンツを削除する萎縮効果が強い。携帯フィルタリングでさえ混乱しているのに、そういう技術が定着しない段階で公権力が介入するのは、有害無益である。

自民党青少年インターネット規制法案〔高市早苗案〕

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/f9a907ff7686abe56706da31d1932c5a
第2条の2(青少年有害情報の定義) この法律において「青少年有害情報」とは、次のいずれかの情報であって、青少年健全育成推進委員会規則で定める基準に該当するものをいう。
1. 青少年に対し性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼすもの
2. 青少年に対し著しく残虐性を助長するもの
3. 青少年に対し著しく犯罪、自殺又は売春等を誘発するもの
4. 青少年に対し著しく自らの心身の健康を害する行為を誘発するもの
5. 青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの
6. 青少年の非行又は児童買春等の犯罪を著しく誘発するもの
第3条(ISPの義務) 特定電気通信役務提供者は、青少年でない旨の証明をした者でなければ青少年有害情報の閲覧ができないようにする措置、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアなどの措置を講じなければならない。
 2 特定電気通信役務提供者は、青少年有害情報の発信が行なわれたことを知ったときは、閲覧がなされないよう措置を講じなければならない。
第5条(携帯キャリアの義務) 携帯電話インターネット接続役務提供者は、フィルタリングサービスの利用を条件としてこれを提供しなければならない。
第8条(メーカーの義務) インターネット接続機器製造事業者は、フィルタリングソフトウェアを組み込んだ上で当該機器を販売するよう努めなければならない。
第9条(是正命令) 主務大臣等は、インターネット接続役務提供事業者に対し、是正命令を出すことができる。
第10条(立ち入り検査) 主務大臣等は、インターネット接続役務提供事業者に対し、その営業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
第12条(ネットカフェの義務) インターネットに接続した通信端末機器を不特定多数の者に使用させる事業者は、フィルタリング等[略]の措置を講じなければならない。
第13条(自治体の規制) 都道府県知事は[略]是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第19条(青少年健全育成推進委員会) 内閣府設置法に基づいて、青少年健全育成推進委員会を置く。
第31条(有害情報の基準) 青少年健全育成推進委員会は、青少年健全育成推進委員会規則を制定することができる。
32条(紛争処理機関) 主務大臣等は、一般社団法人又は一般財団法人であって、紛争処理の業務を公正かつ適確に行うことができると認められるものを、紛争処理の業務を行なう者として指定することができる。
第51条(罰則) 第9条又は第13条の規定による命令に違反した者は、6月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

この自民党案〔高市早苗案〕は、以前あった「青少年有害環境対策基本法案(青環対法案)」に似ていると思う。http://www.din.or.jp/~kamayan/otachan/seikantaijouhou.html 

4 MIAUから

http://miau.jp/1207693923.phtml
青少年ネット規制法案についてのプレスリリース
[お知らせ] 2008-04-09 07:32:03
時下、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
すでに複数のメディアで報道が行われておりますが、現在、自民党及び民主党において、インターネット規制法案とも言うべき法案が検討されています(自民党法案名『青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案』、民主党法案名『子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案』)。
MIAUでは、複数のルートを利用して法案の原文を手に入れ、検討を行ってきましたが、少なくとも下記のような疑問点があると認識しています。
1. 有害基準の問題
インターネット上の莫大な情報について、何が有害で何が無害なのかの基準を、内閣府に設置される少人数の委員会が独占的に決定することには、大きな問題があります。たとえ実際にコンテンツを見えないようにするのが民間の事業者に託されたとしても、その基準を国が作るというのは、情報の検閲にあたると思われます。
2. 個人ウェブサイトなど非商業的運営者が対象になっている点
現状、商業的なサービス提供者だけではなく、個人のウェブサイト運営者も対象となっています。個人のウェブサイトに対しても対象となる情報発信について商業サイトと同様のレイティングや会員制サイトへの移行が義務づけられるとすると、個人が自由に情報を発信するという行為自体を阻害することになりかねません。(現行の青少年条例における有害図書規制では、業としての図書販売などについての規制がありますが、個人の情報発信を規制するものではありません。)
3. プロバイダの講ずべき範囲が不明確かつ広範囲である点
ウェブサイト運営者の利用するISP/ASPや、コンテンツプロバイダなどの事業者について、本法案では、有害なコンテンツのレイティング、もしくは会員サイトへの移行などの措置を行うことが求められています。しかし地域に密着する中小の事業者には負担が重く、またコンテンツの性質を第三者が判断し、特定のレイティングを行なうことは、利用者と事業者間で日常的にトラブルを発生させる要因ともなります。
また競合他者がブログサービス等に有害情報の書き込みを行なうことで、健全な運用を不当に妨害するというようなことも起こりうるでしょう。「知った場合には」という条件がついているにしても、プロバイダに負わせる責任が重く、かつ、不明確です。
法案では、このようなトラブルについて紛争処理機関による解決を求めていますが、この紛争処理機関の裁定については非公開で処理すべきとしており、透明性・公開性への配慮がみられません。
4. フィルタリングの技術上の問題点
フィルタリングは未だ不完全な技術です。携帯用のフィルタリングソフトが自民党のウェブサイトを遮断してしまったように、大切なサイトを遮断したり、本当に有害とされるサイトを素通しするなど、多くの問題が指摘されています。そうした技術を、PCや携帯電話などといった機器で、有効性が実証されてもいない段階から義務化してしまうというのは、誤りではないでしょうか。
また年齢に応じたカスタマイズやメンテナンスは、すべて親の責務としてのしかかってきます。現時点でこれらの責務を果たせるのはごく一部の限られた親であり、すべての親に対してこれを求めることは無謀と言わざるを得ません。
5. 知る権利の侵害
本法案は表現規制を慎重に避けている点が見受けられますが、その一方で国民の知る権利を大きく侵害しています。先に述べたように現在のフィルタリング技術は、有害と見なされる情報のみをピンポイントでブロックすることは困難であり、その周辺にある多くの有益な情報も一緒に遮断します。特にコミュニティサイトは、サイト単位でまとめて規制されてしまう可能性が高く、同世代とのコミュニティによって精神的平衡を保っている青少年に対しては、有害な対策となりかねません。
またこのような規制は、「 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」の第三条に定められた(すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現)の精神に反するものであり、18歳未満であるという理由だけでこれを阻害して良いことにはなりません。
6. 教育という視点の欠如
本法案では、フィルタリング運用の具体性と比較して、啓蒙活動や青少年への教育に対する具体的な対策がありません。そもそも青少年の有害情報への対処は、危険なものを全て包み隠してしまうのではなく、何が危険かを教えていくことが大事なのではないでしょうか。教育面での具体策なしの法案は、青少年の健全な育成という大前提を見失っていると言わざるを得ません。
7. 経済的な問題点
本法案では、PCメーカーにフィルタリングソフトのプレインストールを行うことを、努力義務として課しています。これにかかる費用は、製品価格に転嫁される可能性が高く、青少年が使用するか否かに関わらず、すべてのPC購入者への負担増となります。また、海外からの輸入品や、Linux等のフィルタリングソフトの無いOS等の場合には、誰がどのように対応するのかという点が明らかではありません。
以上のように、言論規制という意味でも、実際の運用という意味でも、多くの懸念がある法案になります。私どもMIAUでは、このような懸念についてきちんと解決を行ってから、法案を国会に提出するべきであると考えており、一部報道に見られるように、拙速な対応を行うべきではないと考えます。
MIAUでは、引き続き法案についての検討を行うとともに、議員の方々へのロビイング活動や、法案の問題点についての一般の方々への周知を行なっていく予定です。また同時に、青少年の健全な育成を阻害する有害情報対策案の研究・模索等も行なって参ります。
とりいそぎ、日程のみの決定ではありますが、下記の時間にて、本法案に関するイベントを開催することを予定しています。正式な告知は後日になりますが、この件に興味のある方は是非ご参加いただければと存じます。(申込み受付先等は正式告知時に公開します)
* 日時:2008年5月1日(木) 18:30 〜
* 場所:都内
今後とも、MIAUのご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

関連 http://blog.sakichan.org/ja/2008/04/05/selection_or_censorship

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画像はhttp://piapro.jp/a/content/?id=g0z250v3hs4wai1uから。