ライカM4のフィルム装填法

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GXR+A12 50mm F2.5

今のご時勢、フィルムの詰め方を知らない人もいるらしい。さらにライカとなるとその数はさらに少ないだろう。
ライカは宗教である。何をするにも作法がある。もちろんフィルムの装填だって儀式である。ライカM3で超面倒だったフィルムの装填も、M4で大きく簡略化された。それでも面倒である。
ということで実際に装填してみよう。

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用意したのはモノクロフィルムの代名詞、コダックのトライXです。実は今回初めて使います。
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いきなり他のカメラに無い作業で、まずベースプレートと呼ばれる下の台座をノブを回して外します。この外したベースプレートの行き場所は各自で考えましょう。私はポケットに入れます。
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ベースプレートを外すと裏蓋がパカっと開きます。ちなみにM3の初期型はこの裏蓋にロック機構があります。M3後期型からはロックがないのでプラプラしてだらしない。
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底面にある図のようにフィルムを装填します。見たとおりフィルムを伸ばして隙間に挿入するだけです。店頭でこの装填方法を教えてもらって感動した。なぜなら、M4の前に触ったM3はここに至るまでにあと2つぐらい工程があるからだ。M3の儀式を知りたい人はググってください。
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フィルムをしっかり奥まで入れればこんな風になるはず。フィルムの下に銀色のガイドレールがしっかり見えているのを確認する。
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軽く巻き上げレバーでフィルムを送ってやり、ギアとパーフォレーションを噛み合わせをする。軽く手で押さえるのがミソ。
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しっかり噛みこんだらガイドレールとフィルムが平行になるはず。
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ここで裏蓋を閉める。さっきも言ったように、M3前期型以外はロックしない。
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次にベースプレートを取り付けるわけだが、このとき裏蓋が閉まっていなくてもプレートはついてしまう。なので、しっかり裏蓋がベースプレートに入っていることを確認する。裏蓋が固定されていないまま気付かず撮影すると、裏蓋から光が漏れて感光してしまう。
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ここからは他のフィルムカメラと同じ、巻き戻しクランクを回してフィルムのたるみをとる。
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巻き上げレバーを回して、
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巻き戻しクランクも連動して回ることを確認。ここで回っていないとうまくフィルムが送られていないはずだ。もう一度ベースプレートを外してフィルムの状況を確認。だいたいギアとパーフォレションが外れている。
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フィルムカウンターが「0」になるまでフィルムを巻き上げ、ようやく撮影準備完了。さあ、ピントを合わせて絞りを決めて、シャッタースピードを合わせて撮影しよう。


てな感じで、文章にするとクソ長い。なんでこんなことを書くかって?そりゃ今日一日撮り続けて、帰ってからフィルムの装填を失敗していたのに気付いたから。帰宅前のテンションの高さと、帰宅後のテンションの下がり幅は今年最高値だった。
フィルムカウンターが37指してからおかしいと思ったが、案の定巻き戻したら36枚撮りフィルムとは思えないほど早く巻き終わってしまった。そういえば巻き上げても巻き戻しクランク回ってなかった、初めからフィルムがきれいに入っていなかったらしい。フィルム装填ミスは人生初。せっかく遠出してまで撮影に行ったのに、俺の休日はなんだったんだ…。
撮れてないと気付くやいなや、今日一日撮った写真がどれもいい写真に思えてくる。不思議な人間の心理を感じながら、今日は不貞寝します。