大阪府教委チャレンジテストここが問題だ、どうすればよいか?
*府立高校入試・・学力検査(450点)+内申書(450点)=900点満点で決まる。
*大阪府の内申点は5段階相対評価(5,4,3,2,1という評定がつく)。
相対評価というのは、全員100点満点の結果が出ても全員が5評価になるわけではなく、誰かが1評価になるというわけだ。
(現状では、この相対評価自体に問題点がある。)
中学校3年時の各学校評価で内申点がつく。その内申点で内申書の点数が何点か決まる。
*内申点は各学校の相対評価でつくから、優秀校の生徒は不利である。劣等校の生徒は有利である。だったらチャレンジテストをやって、優秀校と劣等校を分別して、優秀校が不利にならないようにすれば良い。(これが府教委の理屈)
*各学年でチャレンジテストをやる。中学3年時のチャレンジテストで各学校の平均点を比較して優秀校、劣等校を決定して、例えば優秀校のA中学校の内申平均点を4として、劣等校のB中学校の内申平均点を2とすれば、優秀校の生徒が入試に不利にならないようになる。(これが府教委の理屈)
*その結果がどうなるか考えよう。
A中学校B中学校も分かりやすいように生徒が3人だとしよう。
チャレンジテスト結果
A中学校(100点、100点、40点)平均点80点
B中学校(100点、20点、0点)平均点40点
このチャレンジテストの結果から
A中学校の内申平均点を4としよう。(A中学校は優秀校とする)
内申持ち点は 4×3=12 となる。
B中学校の内申平均点を2としよう。(B中学校は劣等校とする)
内申持ち点は 2×3=6 となる。
次に、この内申持ち点ををもとにして、それぞれの内申平均点になるように、各中学校3人の内申点をつけてみよう。内申点は(5,4,3,2,1)のどれかである。
A中学校 100点→5 100点→5 40点→2
B中学校 100点→4 20点→1 0点→1
というのが、妥当な付け方だろう。
結果は、劣等校と評価されたB中学校で100点をとった生徒は、内申点が5ではなくて、4になることが分かる。
*中学校でどういうことが起こってくるのか。
チャレンジテストの平均点を上げる競争が起こってくる。一番簡単な平均点の上げ方はというと、
A中学校では、40点をとる生徒に欠席してもらう。すると、平均点は100点にアップする。当然内申平均点は5になる。内申持ち点は5×3=15にアップする。その結果は、
A中学校 100点→5 100点→5 欠席した40点→5
というように、全員5にできる。
B中学校も同様に、0点をとる生徒に欠席してもらうと、平均点は60点にアップする。当然内申平均点は3になる。内申持ち点は3×3=9にアップする。その結果は、
B中学校 100点→5 20点→3 欠席した0点→1
というように3人のうち2人は内申点をアップすることができる。
各中学校では、0点をとると予想される生徒に欠席してもらう働きが出てくるだろう。劣等校と評価されそうな中学校から優秀校と評価されそうな中学校への越境入学、通学が増えるだろう。
*府教委よ、どうしてもチャレンジテストをやりたいのなら、こうしなさい!
中1、中2は3月に、中3は1月にテストを行う。その結果は、生徒個人の絶対評価として生徒個人の内申点とする。例えば、80点以上は5、20点以下は1というように。内申点は絶対評価とすればよいのだ。
そもそも相対評価とするから問題が生じるのだ。入試テストの得点は絶対評価ではないか。
優秀校にも劣等生はいるだろうし、劣等校にも優等生はいるだろう。生徒個々人を絶対評価すればよいわけだ。