2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

奈良県平群中事件とは

奈良県平群中学校の教師集団が狭山事件「差別裁判反対闘争」に子どもたちをまきこむことに反対したことに対し、 1978年 6月6日、部落解放同盟奈良県連がこれを「差別」として校長・教頭らを糾弾したのにはじまり、不当な糾弾には応じられないとする教師集団に…

全国部落解放運動連合会とは

(略称「全解連」) 解放同盟中央本部の反共・排外主義事路線に反対して解放同盟から排除された府県連によって 1970(昭和45)年に結成された部落解放同盟正常化全国連絡会議が、1976C昭和51)年 3月に聞かれた第 5回全国代表者会議の決定にもとづいて発展的に改…

同和企業連合会とは

1969 (昭和44)年ごろから、部落解放同盟大阪府連を中心に、産業別の業者団体としてつくられたもので、たとえば大阪府同和建設協会、大阪府同和食肉協同組合などがそれである。解放同盟は、国税庁が同和対策をまったくおこなっていないとして、大阪や東京で国…

国民融合論とは

*国民融合論とは 戦後日本社会の変化に即して部落問題解決の展望を示した解放理論。その理論的構造を列記すると、次のとおりである。 1,部落差別は、歴史的には封建社会の身分制に起源をもつもので、したがって部落問題の本質は封建的身分差別である。 封…

全国水平社とは

*全国水平社とは戦前の部落解放運動の全国組織。 1922(大正11)年 3月 3 日、京都市岡崎公会堂に全国から 3,000余名を集めて創立大会を聞く。水平社という名称は、差別のない水平社会をめざすという意味をこめて阪本清一郎が発案したという。また、 17世紀…

オールロマンス事件とは

大衆雑誌「オールロマンス」の1951(昭和26) 年10月号に「特殊部落」と題する小説が掲載された。作者は京都市の職員で、その内容は、作者が環境衛生指導員として勤務する中で知った七条地区の実態を「暴露小説」と銘うって描いたものであった。当時の部落解放…

解放教育とは

1965 (昭和40)年の部落解放同盟の内部分裂以後、中央本部派が従来の同和教育に対置させて提唱しはじめた教育。 1967年 7月に結成された全国解放教育研究会の「会則」によると、この会は、「解放同盟の方針に沿い、解放教育の推進をはかる自主的な組織」であ…

窓口一本化

「窓口一本化」とは、ある特定の運動団体や組織が同和行政の窓口を独占することによって、その団体に所属しない者やその団体の方針にしたがわない者は、たとえ同和地区の住民であっても、同和行政の対象から除外するというやり方であった。「窓口一本化」は…

榎原吹田市長つるしあげ事件

1971 (昭和46)年 6月7目、部落解放同盟大阪府連が約600名を動員して吹田市役所におしかけ、同年 4月の市長選挙で社会党・共産党の支持をうけて当選した榎原一夫市長に対し、「部落解放第5回全国研究集会に出席しなかったのはケシカラン、謝罪せよ」と不当な…

朝団理論とは

1965 (昭和40)年の部落解放同盟第20回全国大会以後に台頭し、 1969(昭和44)年から1970(昭和45)年にかけて解放同盟の指導理論としてまとめあげられた見解。 1956(昭和31)年の第11回大会前後から朝団善之助(当時、常任中央委員、京都府連委員長〉が折にふれて…

朝来事件

部落解放同盟兵庫県連南但馬同盟員たちが、1974年10月20日から 1週間にわたって、「解同」批判のピラを配布したとの理由で兵庫県教組朝来支部長の橋本哲朗宅を包囲・監禁した事件を頂点に、 9月初旬から10月下旬にかけて、「解同」の暴力と利権あさりの運動…

形式的な解放令(「詳説日本史B」242ページ)

17世紀末ころから幕藩体制が変化しはじめると,幕府や諸藩は、最下層の身分であるえたなどに対し,居住地・職業・服装などの生活のあらゆる面において差別を強化し,宗門帳の別帳化をはじめ農工商との差別を深めさせた。このため、18世紀後半ころから、…

四民平等(「詳説日本史B」241ページ)

国内統一と並行して,封建的身分制度の撤廃も進められた。版籍奉還によって藩主と藩士の主従関係が解消され,藩主を公家とともに華族,藩士や旧幕臣を士族とした。同時に「農工商」の百姓・町人は平民となり,苗字(名字)が許され,華・士族との結婚や,移住・…

身分秩序(「詳説日本史B」170ページ)

近世社会は,身分の秩序を基礎に成り立っていた。武士は政治や軍事を独占し,苗字・帯刀のほかさまざまの特権を待つ支配身分で,将軍を頂点に大名・旗本・御家人などで構成され、主人への忠誠や上下の別がきびしく強制された。天皇家や公家,上層の僧侶・神…

社会身分形成説

社会身分形成説 高校日本史の教科書で代表的な教科書が、山川出版社「詳説日本史B」である。2010年3月5日発行の最新版の記述には,部落問題に関する最新の研究成果が取り入れられている。社会身分形成説というべき「身分秩序」論である。昔から言われ…

(11)学歴別同和地区に対するイメージから

報告書票5−1−1−8に、高学歴の人ほど、~ 「所得が低い人が多く住んでいる」~ 「閉鎖的な意識を持った人が多い」~ 「集団で行動することが多い」~ 「えせ同和行為がある」~ 「特別扱い、優遇されている」~ と考えている傾向が見られるのはなぜか。と言うこ…

(10)同和問題を解決するための施策から

同和問題を解決するために効果的と思われる施策や対応についてたずねたところ、「非常に効果的」「やや効果的」と答えた人の合計の割合は、『(4)学校教育・社会教育を通じて、差別意識をなくし、広く人権を大切にする教育・啓発活動を積極的に行う』が56.…

(9)同和地区の噂から

問18で同和地区の噂に関して尋ねている。 「同和地区の人はこわい」とか、あるいは「同和対策は不公平だ」というような話を聞いたことがあるかについてたずねたところ、「ある」と回答した割合が60.5%であり、誰から聞いたかをたずねたところ、「友人」と…

(8)同和問題を知ったきっかけから

問11で同和問題を知ったきっかけについて尋ねている。回答者の年齢別でみると、「父母や家族から聞いた」と回答した割合は、60歳代で36.5%ともっとも高く、次いで70歳以上が33.0%、50歳代が30.6%と高くなっている。また、「学校の授業で教わった」は、3…

(7)同和地区に対するイメージから

同和地区に対するイメージについてたずねたところ、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人の合計の割合は、『(10)いまでも行政から特別な扱いを受け、優遇されている』の割合が55.4%ともっとも多く、次いで『(6)なにか問題が起こると、…

(6)同和問題に関する差別意識から

差別意識に関する回答であるが、相変わらずが13,2% 強まるが0,3%と少数派。ないが9,2% わからないが14,1%というようになっている。多数派は、「薄まりつつあるが残っている」53,5%である。まだ差別意識は残っているが、どんどん薄ま…

(5)住居を選ぶ際の意識の状況から

法的に同和地区がなくなって9年がたつ。にもかかわらず、八尾市長のように同和地区が今もあると議会で発言し、議員がそれはどこの地区かと尋ねると、尋ねることは差別発言だと公言する状況にある。行政がもう同和地区はない、これからもない、住民からの問…

(4)結婚に関する意識の状況から

同和問題の最後の壁と言われていた結婚問題である。前回までの調査は、人柄・性格などの現実的な回答を除いたもので批判を浴びてきたアンケートだった。しかし今回は,現実的な回答項目が載せられた事により,府民のより現実的な結婚意識が明らかになったと…

(3)人権問題学習の中味は同和問題学習

人権問題学習の中味についてであるが、問8−2で学校・職場で一番印象に残っているのは何かという問に関して、同和問題と答えたのが68,1%であった。このことからも人権問題学習=同和問題学習であったといえる。これらの中味は授業・講演・ビデオ視聴覚…

(2)同和問題に偏った調査に対する拒否傾向

同和問題に偏った調査に対する拒否傾向が見られる。~ 総数 2000人 回収率 45,2% 903人~ うち大阪市 621人 回収率 35,8% 209人~ 府下 1388人 回収率 49,3% 685人~ というように、半数以上の府民が回答をせず,大阪市民に…

2010年府民意識調査から

(1)はじめに 上記の報告書が2011年3月に大阪府から出されている。大阪市からも同様の報告書が出されている。いずれも、大阪府、市のHPに載せられているので見ることができる。とりあえずその特徴点をあげておきたい。

人権擁護士・人権総合相談員に関して

*人権擁護士・人権総合相談員に関して 実質が部落解放同盟の外郭団体である財団法人大阪府人権協会への補助金が5423,3万円も23年度予算要求されている。この大阪府人権協会であるが、改組される前は財団法人大阪府同和事業促進協議会というもので、…

部落問題・部落差別とは何か~

明治時代になり、四民平等とは名ばかりで、江戸時代の旧身分秩序は、明治憲法、旧民法、旧戸籍法など制度的不備により、不十分な解体しかなされなかった。よって職業、結婚などの自由も不十分なものとなり、旧身分秩序の賤民身分に対する差別意識も払拭され…

結婚差別と就職差別に関して~

日本国憲法第24条において「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関…

家制度による差別政策~

家制度(いえせいど)とは、1898年(明治31年)に制定された民法(以降、旧民法という)において規定された家族制度であり、親族関係を有する者のうち更に狭い範囲の者を、戸主(こしゅ)と家族として一つの家に属させ、戸主に家の統率権限を与えてい…