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2014-10-06

2014年10月の短歌日記

2014/10/31(金)

 ゼミがあった。しばらくは、勉強を頑張ろうとおもった。

 ぶりの霜降りのやり方を覚えたので、やります。

   カンブリア紀に帰りたい 軍隊で言えば中佐のような夕焼け


2014/10/30(木)

 ゼミを終えて家に帰ってきて、栗をたくさんむいた。ふたりしてつめのなかが痛いことになった。

   栗の木よ秋がふたたび来るまではひとに見えないまま育ちなさい


2014/10/29(水)

 某所で学会の手伝いのアルバイトをした。

 よその研究室の先生からは、ひもの良さについて熱弁をふるわれた。ひもになるのはいいよー、とのこと。

   パイプ椅子のうえに重ねるパイプ椅子 その銀色に照る秋の月


2014/10/28(火)

 朝からゼミがあって午後は教える仕事があって大変だった。

 たしかこの日には角川短歌を買ったのだけれども、谷川電話さんの受賞作は、構成意欲に優れていて読みやすかった。一冊の歌集として世界を作った時、どのような像を見せてもらえるのか、とても楽しみだとおもった。

   その日夜、電話が鳴り止むまできみもぼくも生まれてしまってはだめ


2014/10/27(月)

 前日の疲れで午前中のほとんどを眠って、メールを送ったり、ゼミの準備をしたりしたらもう夜だ。

 火曜日は朝からゼミが、水曜日は学会の手伝いのアルバイトがあって、忙しくなることが予想される。

 俳句をやっているいろいろなかたがたに、作っている俳句を見てもらうことになる。

   透明なマグカップだとひとは言い、わたしたちはそれすら愛と呼ぶ


2014/10/26(日)

 北大短歌の歌会があった。次号の機関誌の内容について話し合って、もし実現したらやばいことになるだろうとおもった。

 久石氏からネヲのゲラをすこし見せてもらって、これもちゃんと刊行されたらかなりやばいだろうとおもった。

 夜は、午前三時まで、オペラの『椿姫』の放送を見た。

   椿姫 わたしがきみに決闘を申し込むのは犯罪だから


2014/10/25(土)

 冷蔵庫が完全にだめになってしまって、恋人の人と、保証書を探し、恋人の人がセンターに電話をかけてくれた。

 夜は近くの中華料理屋でガツの料理ととりにくの唐揚げを食べて、おいしかった。

 そして、200円で買ってきたという栗がたくさん部屋においてあって、ビニールの袋にぎゅうぎゅうとつまりながら立ち上がっている。

 これがなにになるだろう、楽しみだとおもう。

   栗の木を見たことがない いもうともわたしも風の中にはいない


2014/10/23(金)

 突然思い立ってこの日は未刊歌集をつくった。たぶん刊行されることはいつまでもない。作歌開始後約四年半の歌を振り返る行為に、自分の歌集をひとつまとめるということは、ひどく特別なことなのだろうということを、すこしだけ分かった。

   いつの日かぼくをしずかに焼き殺す火の一部かもしれぬ酸素を


2014/10/23(木)

 短歌研究の11月号と、『岸本尚毅集』を買う。

岸本尚毅集 (セレクション俳人 (07))

岸本尚毅集 (セレクション俳人 (07))

 腹痛がある。頭痛がある。世界を生きる。学校ではパソコンを叩いて俳句を整える。

   原爆忌ふたりで生きてゆく世界


2014/10/22(水)

 恋人の人がわたしとあなたの新しい靴下を買ってきた。

 冷凍庫が壊れて、庫内のハーゲンダッツがすべて溶けていた。塩焼きそばを作った。中華だしがすごい。

   世界中のすべての冷凍庫の外に七十億の人間がいる


2014/10/21(火)

 オペラのライブビューイングを見に行く話をする。警察署では携帯電話が見つかる。

   札幌市中央警察署に止める自転車 鍵をふたつかけておく


2014/10/20(月)

 俳句を作り始める。

 バイトではよくしゃべるおばあさんが店主とよくしゃべっていて、元気なお年寄りと、金持ちの中国人が北海道に旅行に来ることをおもう。

 帰り道では携帯電話を落とす。

   思い出のかけらのようにそこにある誰かの落としものなのだけど


2014/10/19(日)

 北大短歌の吟行があって、スターバックスでキャラメルマキアートを飲み、朝からキャラメルマキアートってすごいですね、と女性陣のなかの誰かがいって、なるほど、朝からキャラメルマキアートはダメなのか、とおもう。ラウンドワンで体を動かし、リア充っぽい短歌を即興でつくる。

 その後、串鳥で即興で句会をする。

   月よりも近いところに焼鳥屋


2014/10/18(土)

 寒い駐輪場でビニール袋に包まれたビールを飲みサンクスで買ったあたりめを食べながら宮崎夏次系『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』を読んだ。

 絶望が足りない、というから、むしろなにか希望が必要だと思う、とぼくはいうけれど、なんなのだろう。どうすればいいのだろう。

 わからないです。

   いまはもうおもいだせないあのひとが好きだと言っていた世界地図


2014/10/17(金)

 知人の知人の妊娠が明日発覚したという。

 大辻隆弘『子規への遡行』を読み進める。柄谷行人日本近代文学の起源』など、積んでいる本を読んでおきたいとおもう。

 雨の平日の閑散とした動物園でスローロリスを見続ける。ゆっくりと、でも休むことなく、電子機械のような速度で、でも音を立てずに暗闇の中を動き回る二匹のスローロリスだった。

 羊を見た。羊の鳴き声は人間のようだった。それからたくさんのパンを食べた。焼きたてのミートパイだった。

   生命のちからをかりてゆれている動物園にふりおえた水


2014/10/16(木)

 街はもう冬ものが出回って、ひとつきで秋は終わってしまう。

 高校生の頃の知人の名前をほとんどおもいだせない。5人程度しかいなかった部活動の、その半数以上のひとの名前をおもいだせない。

   窓ガラス 完璧すぎるやりかたでおおくの機械たちはつくった


2014/10/15(水)

 ゼミの準備と発表で消耗した。

 どんどん、なにを自分が話しているのかわからなくなって、数式を展開すればするほどだれにもとどいていない、孤立しているような気がした。

   星のありかをつくづくとみて秋の夜の遠いところでする深呼吸


2014/10/14(火)

 AMを腹痛で寝て過ごした。

 メールを送ったり、ゼミの準備をしていた。

 勉強を、勉強をがんばろうとおもった。

 鮭のあら鍋をうめーと言いながら食べた。大根おろしが入っています。

   エンダイブ そういえばきみが忘れていった草の名前を思い出しました


2014/10/13(月)

 原稿やレポートを書いたり、永井均の本を読んだりしている。

 脳みその働きが悪い。

 残ったお好み焼きをソース焼きそばの上に載せる。お好み焼きはまるまるとして大きい。

〈私〉の存在の比類なさ (講談社学術文庫)

〈私〉の存在の比類なさ (講談社学術文庫)

   けれどわたしはあなたを赦す 廃駅の上をはじめて戦車でわたる


2014/10/12(日)

 文字起こしの作業に従事した。

 豚肉とキャベツでお好み焼きをつくって食べた。

   冬の日は豚を殺して、いつまでも喃語のようにあなたは笑う


2014/10/11(土)

 ほぼ寝ていた。起きて野菜ラーメンを食べてすぐに寝た。

   地下水になりたい夏のときどきは井戸にわたしを吸い上げられて


2014/10/10(金)

 本当は今日からラボの研修旅行に行くはずだったのだけれども、メンタルが弱っているので行かなかった。

 でも日曜日に予定している歌会にも行かなかった。

 やるべきことがたくさんあって、脳みそはしびれていた。

 夜、札幌国際短編映画祭の、オールナイトの上映を見た。眠りに少しずつおちかけるうえで、銀幕にさまざまな色が移り変わるのだった。

   立ち退きをこばむ男の家を焼く風のちからと炎のちから


2014/10/9(木)

 明日、服部真里子さんの歌集を読むことになる。とても優れています。

 青空からそのまま降ってきたようなそれはキリンという管楽器/「いつの日か君がなくしてしまうライター」『行け広野へと』

行け広野へと (ホンアミレーベル)

行け広野へと (ホンアミレーベル)

 そして、恋人のひとがコーチャンフォーで買ってきてくれたドミトリーともきんすを読んだ。

   手のひらが夏にとりのこされていてふれるとすべて冷たい樹液


2014/10/8(水)

 月蝕を見る。唐揚げを食べる。

 恋人の人が『天冥の標』を読み進めるごとに、うきょー、というような声を発する。宇宙はでもあと300年ある、という。はやく読みたいな。

   兵隊のことはひとだとおもいます。宇宙と愛しあっていますか?


2014/10/7(火)

 ティーチングアシスタントをした。

 恋人の人にオムライスを作ってもらった。

 親の人たちとメールをした。

   せんせいとかつて呼ばれたことがある 点字に"なつのひ"とルビをふる


2014/10/6(月)

 アルバイトの賄いで刺身が出る。

 ブロッコリーと豚肉とチーズとリッツをのこったワインで食べる。

   京阪神工業地帯に住みなさい。遺骨は置いていっていいから


2014/10/5(日)

 図書館や文学館でデートをする。ムーミンだった。チョコレートパフェを食べたり、GreenBlueというところでかきなどを食べたりとぜいたくをする。

 ワインを飲む。恋人のひとがねむりそうになりながら、起こして、23歳になる。

   はるみくんはなんさいですか にじゅうさんさいです えらいねえ 秋の虹


2014/10/4(土)

 網戸の水滴が西陽をうつして美しかった。

 恋人のひとと、図書館に行ったり、ヨドバシカメラに行ったりする。

 大学に近づくと息苦しくなる。

 キャラメルのあまいフロランタンがおいしい。

 『子供はわかってあげない』(田島列島)を読む。

   大人かもしれない子どもたちがゆく秋のプールをレーンに沿って


2014/10/3(金)

 豆乳味噌鍋を食べた。

 もろもろの原稿を書きあぐねている。

 学校に行き、いろいろなことをゆだねる。

   日経の記者のだれかと近いうちになわとびの記録を残します


2014/10/2(木)

 なにをしていたのか覚えていないのだけれど学校に残って遅く帰ってくると、恋人のひとが枝豆を買ってきてくれていて、枝豆はおいしい!

   枝豆をつぶしているよ 人間に二本以内の腕があること


2014/10/1(水)

 休学か退学をすることについて、両親と話をしなさい、ということに保健管理センターではなる。

 保健管理センターでお医者の先生と話をしたら疲れたので食堂で甘いものばかりを食べる。

 そのころ、恋人のひとと一緒に家に送ったハムが、実家には届く。

   牛乳のプリンの外にぼくがいて 生まれるまえからここにある家