島商敗戦 浜商の底力に屈す・・・。最後まで浜商を苦しめた島商野球

島 田 商 106 000 100=
浜 松 商 400 000 34*=11


2012、島商の夏が終わった。
初回に先制するも、その裏に4失点を喫し逆転される。

このチームの今までの試合を分析すれば、本来ならばこのままズルズルと相手ペースで試合終了を迎えていたはずだ。
昨秋の初戦の静岡東戦、敗者復活の島田戦、そして今春の常葉橘戦と、どれを見ても試合の流れをひっくり返す力はこのチームには無かった。

だが、先日の浜商との一戦と同じく、この日の島商も今までにない粘りと集中力があった。
3回には相手の四球と連打で6得点を挙げて一気に逆転、浜商・石野投手を攻略した。

その立役者となったのが、山田だ。
初回に4失点を喫したものの、その後は5回まで無安打に抑え試合の流れを作った。
打っても3回には走者一掃の二塁打を放ち3打点。
感情を表に出さないポーカーフェイスの山田が淡々と試合の流れをリードした。



▲投打に活躍した山田投手。


7回には1点を追加し、一時は4点差を付けて試合をリードする。
だがここから浜商の底力を目の当たりにする。

6回以降、制球もキレも落ちて来た山田投手に容赦なく浜商の強力打線が襲い掛かる。
足を攣りながらも懸命に浜商打線を抑えにかかるが、7回に一点差、そして8回には逆転を許し3点差を付けられて力尽きた。

島商はこれで2年連続の選手権初戦敗退を喫した事になる。

確かに敗戦は悔しい。
非常にショックを受けているのだが、それ以上に選手たちが島商のプライドを胸に力を出し切ってくれたことが本当に嬉しかった。

山田投手に関して言えば、5月下旬の市内大会・島田樟誠戦で接触プレーの際に利き手親指の付け根を骨折。
骨折が判明したその日に、偶然にも練習見学をしていた私はネット裏に来た山田投手と話をする事が出来た。
驚いた事に、夏の大会に間に合うかどうかも分からない状況の中で、山田投手は冷静を装っていた。
私が、『怪我を治す事に集中し、夏の大会に投げられる出来るだけの準備はしてかないとね。』と話したら、しっかりと返事が返って来たのを思い出します。

その山田が、初戦と再試合も含め大車輪の活躍を見せた。
そしてその頑張りに他の選手がしっかりと山田を支えた。

だがここで一言言わせてもらうならば、実は初戦の相手が浜商だったことがチームとしてまとまる要因となった。
山田監督の前任校、そして同じ商業系の伝統校、眠りに眠った島商のプライドが選手たちの中で一気に目覚める切っ掛けを与えた事は言うまでもない。
負けられない、負けたくない、そうした意地が選手たちを成長させた。
そして浜商戦でチームが一つになった。
長い月日を要したが、最後に島商らしい伝統校としてのプライドが垣間見えた事が嬉しかった。

試合は残念ながら終盤に力の差が出た。
この悔しさを2年生・1年生は忘れてはならない。
偉大な先輩たちが残した島商のプライドをしっかりと受け継ぎ、次なるステージへと駆け上がって欲しい。

3年生諸君、記憶に残る試合をありがとう!
そしておつ疲れ様でした。