2013年10月に観た映画



<映画館>
エリジウム / ロード・オブ・セイラム / クロニクル / サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド /
死霊館 / 怪盗グルーのミニオン危機一髪(2D吹替) / フローズン・グラウンド / エビデンス -全滅- /
わたしはロランス / エリジウム / 凶悪 / ビル・カニンガム&ニューヨーク /
ロスト・ボディ / アフターショック /


<映画館以外>
最強のふたり / ロック・オブ・エイジス / ゲットバック / シャーロック・ホームズの素敵な挑戦 /
グレイヴ・エンカウンターズ / グレイヴ・エンカウンターズ2 / ヘンゼル&グレーテル / 宇宙人王さんとの遭遇 /
HELL / キルリスト / EVA / 人狼村 史上最悪の田舎 /
夜明けのゾンビ / モンスター・ホテル / アパリション -悪霊- /


★印象に残ったもの
<映画館>



<映画館以外>

  • ヘンゼル&グレーテル



<映画館>
エリジウム[TOHOシネマズ(川崎)]
よかった。よすぎて感想書くのめんどくさい。
いっそ潔いまでにまっすぐ政治的主張をこめた映画で、ニール・ブロムカンプの漢を見せて頂いた思いです。付いていきます。『第9地区』のときは釣り針なんだと思ってたけど、やはりそういう意志のある監督なんですね。(ぜんぜん説教臭くないですよ。プロパガンダとかでもないです。念の為。)
シャトルがすごいほんっとに重そうに空の低いとこ飛ぶんですよ。その存在感だけで恍惚とします。ジェットの爆音、轟音、刀の金属音、銃撃音に薬莢の落ちる音。ニール・ブロムカンプの映画は美術と音響が尋常じゃなくかっこいい。絶対映画館で観ることをお薦めします。
あとはやはり機械と人体破壊への偏愛かな。スラムの景色の砂埃。肌の色。すべてが個人的なツボにハマりすぎてしまって、変な言い方だけど、ああ、身の丈に合った映画を観たなあ、幸せだなぁと。第9地区同様、散見される穴に突っ込んでもしょうがないなと思わされてしまう。がー、四散する肉体!!!
扉の向こうで仁王立ちになるシャールト・コプリーは、イェーガーより格好良かった。


【ロード・オブ・セイラム】[HTC(渋谷)]
いきなりこんな感想だと殴られそうなんですが、シェリ・ムーンの服とかカッコとかがめちゃくちゃかわいい(*´ω`*)あまりのかわいさにもだえた。毎日ちゃんとお着替えするんだけど、「ちゃんと」着替えるのです。ワンピのかわゆいこと!
あとねー、トーローイー!!!つやつやふさふさゴールデン!悪魔降誕映画かつちょう犬映画!わんこーわんこートロイかわいいーーーというわけで『ロード・オブ・セイラム』はいぬ映画です。いぬ好きはみな観るべしです。わんわん!
ものすごく理知的な人が撮る魔術的な映画、っていうと矛盾してるように聞こえるかもしれないけど、そういう映画です。女3人が階段に座り込んでいるだけなのに、それが怖い。ただ教会に入って出てくるだけなのに、それが堪らなく怖くて不快。素晴らしい心理映画でした。
あとは好き嫌いで評価が別れるのかな。ある種の耽美ではあるので、あの世界がグッと来る人には骨の髄までビリビリくるんでしょうが、あいにく私はそちらのチャンネルを持ち合わせてないので、トリップ映像としてどう、とかはわかんないのですが、心理映画としてかなり素晴らしかったと思います。


【クロニクル】[TOHOシネマズ(川崎)]
面白かった…。とても良くできた作品でした。
しかしこれ、青春モノとか言ったやつちょっと出てこい級にしんどい話ですね。高校生が凄まじい超能力をもつ、ときいて嫌なことになるんだろうと予想していた以上に『ウィンターズ・ボーン』方面にしんどい話でした。かなりどんよりします。持てる者と持たざる者との断絶があまりにリアルで救いがない…
映画自体はすごく面白いです。映像の面白さはもちろん、POVを撮るときのこういうアプローチでの必然性もあるのか、と。上手いねえ。カメラで撮影する行為そのものがアンドリューにとってのモルヒネであり、現実での延命装置なんだよね。ううん、これは面白いです。やられた。(いやね、アンドリューが撮影を始めたのもすごくよくわかるんだよ…現実がにっちもさっちも行かなくなったときって、ああいう幕を1つ隔てて、後から現実を再構築しなおさないと現実そのものをうまく認識できなくなるんですよ。それで発病したりするんだよね…。しかし問題はその後、というお話。)
アロノフスキーっていうか、アンドリューが愛されていたら「へんげ」だったんじゃないかな、っていう。もし「クロニクル」が青春モノだったら、そもそも変身しないので話が成立しない。でも、たぶん「クロニクル」の明るいバージョンは「へんげ」な気がするの。


【サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド】[HTC(渋谷)]
すごい変な話。心が摩耗しすぎて解像度が低くなってしまった人たちの殺人道中。恋愛道中を装ってはいるけれど、お互い観ているのは自分のことだけ。死体もとても即物的で平板で、ふっと怖くなる。
ちなみにABCオブデスのU担当だって。


死霊館[109シネマズ(川崎)]
か、完璧に面白かった…。どうしよう。いや、どうしようってこたないけど、あまりに隙がなさすぎて逆に可愛げがない…とか言いたくなるくらい面白かった。あれ、なんで?褒めてる感じしないなぁおい!面白かったよ!!!
まず何より怖いです。めっちゃ怖いです。素晴らしい!
私はラストで「ああ、悪魔は存在するんだ」って理屈じゃないとこで漸く理解しました。今まで高橋ヨシキさんとか柳下毅一郎さんとかの評論読んで頭では理解した気でいたんだけど、本作で身体が追いついた感じです。
そして脚本の構成やら画面の構図やら、何から何までまあよく計算されている。
かと言って嫌らしさもない。
しかも泣けると来た。
ホラーを愛するヘビーユーザーからライトユーザーまで、すべての期待に対応した仕様となっております。なんか小面憎い!POVまでやるんだぜ…勿論ワンが取り憑かれているモチーフも登場しまくります。(ただ、ここが少し個人的には色々ある)
あ、そうそう、セイラムの魔女がここでも。他にも白石晃士監督とも通じたり、ホラーの世界は同時進行だなぁって思ったり。
で、ここから先は個人的な好みの話になります。私は『インシディアス』がとても好きで、中でもレコードがひとりでに鳴り出し異形の影が映る例のシーンが本当に大好きなんです。今回はそういう、「明らかに作りものの映像なんだけど奇妙な白昼夢として本物にしか見えない」というシーンが余りなかった。それが個人的には、ほんと個人的にはすごく物足りなかったです。完璧と引き換えに歪さを失った感じのさみしさというか…。
なので、じつは私の心がホラー方面にふるえたのは目隠し鬼と洗濯だけだったんです。他は「上手いなぁ」とは思えど絆されず。何もない空間には残念ながら何も見えなかったし、そこに何かいると言われてもゾッとできなかった。 でも、この映画で何より心を動かされたのが、じつは家族の絆、大切なものを守りたいと思う母の強烈な想いの強さで、ボロボロと涙がこぼれてしまった。悪魔を描くのにこれほど上手い方法もないのだなと感心したし、逆説的な「邪悪」の表現は本当に素晴らしいと思った。だから、ちょっと冷静というか、引いた言い方での「素晴らしい」になってしまうのかもな、と思ったり。しました。
しかし本当に、付け入る隙のない完璧なホラー映画でしたよ、『死霊館』。
あんなに最新ホラーの集大成(って変な言葉ね)なのに、80年代のホラー臭がする。完璧でしょ?
主人公のコレクション部屋が良かったなぁ。完璧人間ぽい彼を、あの部屋が補完して色々想像させてくれるのが良い。
完成度という点では今年のベストになり得ると思います。
あ、あと笑っちゃったのが、オカルト調査部が準備するシーンね!嬉しくなっちゃう。あそこ大好き笑 あと助手がアジア系なのも。
最後の地下室での攻防も最高だったよ!!!「あわわわわ」ってなったし正直少し声出てた。
とにかく、ジェームズ・ワンの今までの集大成でした。あの人は本当にホラーとアクションを区別なく撮っている。
だからこそのえーと、何だ、あのクルマの奴の監督に抜擢されたんだろうなあ。


【怪盗グルーのミニオン危機一髪(2D吹替)】[TOHOシネマズ(有楽町)]
グルーの幼稚園時代に泣きそうに…。前回「そこ回避すんのかよ」って思ってたとこにスポットを当ててたの良かった。ただ「俺のせいで…俺が自分のことばっかり考えてたから…すまんミニオン!」みたいなの、一言で良いから欲しかった(;´Д`)博士が言っちゃったよ
モテなくて社会にも適応できない男の夢がぜんぶ叶っちゃうのは前作同様。
秘宝系のひとびとはこういうのも観たほうがいいんじゃないのかね…けっこう慰撫されますよー(大きなお世話)
ミニオンがばいいーのでわたしは幸せです。5体くらい貰えないだろうか(*´ω`*)
あとクリステン・ウィグ中島美嘉がやってる以上にスティーヴ・カレル鶴瓶ってのが解せない。
節回しはいいんだけど、おじいちゃん声じゃん!もっと若いよグルーは!


【フローズン・グラウンド】[スバル座(有楽町)]
ニックの眉毛がいちばん下がった瞬間:嫁が理解してくれない
ニックの眉毛がいちばん上がった瞬間:じょんきゅーが調子こいてる
エンディングで爽やかなバラードにあわせて実際の犠牲者の顔写真を次々映し出していくセンスは解し難かったです。あとはまあ、いつもどおり。まあ、でも、ニックの映画ですよ。いつもの。しかしあんな捏造すんならもう一人架空の犠牲者でも作って、その子は逃げられるのか?!とかでも良かったんじゃ…あっそうすると50セントの出番がない!そうか、じゃあ仕方ないね!
最後の現場検証行くシーンでじょんきゅーニヤニヤしててさー。ニックもちょいとウフフあははみたいになっててさー。ちょっとしか映んないんだけどね。そこもっと観せて!みたいな。ウフフアハハもっと観せて!!


エビデンス -全滅-】[HTC(渋谷)]
んー。んっんー。んんーー。
という感じ。ネタ割れすると面白さ半減するタイプの映画で、開始30分でネタ割れたので、飽きちゃった…。でもさ、ネタ割れしても面白く観られるのがホラーってジャンルじゃないのかなぁ。
あと、焼け野原感ぱねぇっすね。小細工しないで、きちんと溶接工殺人鬼と向き合って一本撮ったほうが面白かったんじゃないかと思います。オープニングすげえかっこよかったし、CSI的なのは面白かったよ。きちんと殺人鬼ホラーと向き合っていれば、『クロニクル』(こっちは素晴らしい作品です)の足りないところをカバーできてすごく面白くなったはずなんだけどね。
ジャンル映画は斜に構えると基本的にはロクなことがない。真面目?がいちばん。


【わたしはロランス】[シネマカリテ(新宿)]
我慢してたのにさいごlet's go out tonightで涙腺大崩壊起こした…ぜんぜんオサレムービーじゃなかった。泣いたっつってもほぼ「慟哭(声は出さなかったよ)」に近い涙なので、「泣けた?☆」みたいな生易しい揺さぶられ方じゃなかったです。
紛う方なきラブストーリーだけど、それ故あまりに容赦がなく、けっきょく自分の肩を抱いて涙を流すことになるわけですよ…。あんな風に闘われたら、太刀打ちできないよ。
はじめのうちは「24歳の役者もこなすイケメン監督が撮ったオサレデートムービー」みたいなイメージがあったので、『農場のトム』チケットが取れたら観に行くつもりもなかったんですが…。私が浅はかでした。
素晴らしかった。オサレ演出というのでは全くなくて、ただただ表現するために必要不可欠なので水がぶちまかれたり服が降ってきたりしてるのでした。正直いま私は道端にしゃがみこんでおいおい泣きたい。


エリジウム[109シネマズ(川崎)]
IMAX2D(2回目)


【凶悪】[HTC(有楽町)]
面白かった!!抑制のきいた暴力シーンで「これは『冷たい熱帯魚』ではないですよ」とキッパリ宣言している。そして、社会問題を告発しながらも説教くさくならず自己陶酔もしない。とても面白かったです。
主人公は正義感だけで動いている訳ではなく、むしろ現実からダッシュで逃げ続けているヘタレ。そんなどこにでもいそうな主人公=観客に向かって、悪逆非道なリリー・フランキーが放った一言の重さ。これは悔しかった。まったくもってその通りだから。
劇中のリリー・フランキー演じる「先生」は、「ふつうの」わたしたちの中に確実に存在する欲望を刺激する存在であることが、最後に示唆される。このシーンは本当に恐ろしいし、頭に来る。痛いところを突かれるからムカつくのだ。人間でいることが嫌になる。素晴らしい。
ちなみに『凶悪』で心がごりごり削られるのは家庭内のシーンだったりします。池脇千鶴ってホントああいう恨みがましい顔にあうよね。


ビル・カニンガム&ニューヨーク[下高井戸シネマ(下高井戸)]
ビルの「とうめいなじょうねつのかたまり」のような笑顔のせいかな、大号泣。
ただ音楽はださい。ルー・リードをあんな安易に使うなと。


【ロスト・ボディ】[HTC(渋谷)]
アフターショックの後でもなお「けっこう面白かったなぁ」と思っていられるのでかなりオススメです。
底抜けミステリかと思っていたら、最後にカタルシスが。
ジャンル映画としての力加減が絶妙でとっても好きです。
あと個人的に本気の厭描写があって、ちょっと吐きそうになりました。おえー


【アフターショック】[HTC(渋谷)]
良い出来でした。ので、問答無用でオススメ。ただ、無邪気に喝采を叫ぶことはできず。正直ものすごくショックを受けました。(勿論映画としてはそれで大正解なんでしょうが)
わたしは被災者でも何でもないのだけど、それでもかなり。
よって、無理して行くのは本当にやめたほうがいいです。
映画としても、惜しいというか、ほぼ囚人のせいなのはちょっともったいなかったかも。
前半のアッパーなパーティーシーンも、後半との対比のためとはいえちとダルい。
姿勢自体もいまいちどっちより(シリアスorとことん不謹慎)なのかわからない。エンドロールですごく壮大な音楽流しておいて、次にかかるのは津波警報のサイレンをサンプリングしたダンス音楽、しかもださい。その辺でどういうふうに接していいのかよくわからなくなりました。
とにかくショックだったことだけは確かだ。
…あと津波くるの遅くね?




<映画館以外>
最強のふたり[WOWOW]
常に死の香りをまとわせることで説教臭くならなかったのはよかったけど、まあそれだけというか。


【ロックオブエイジス】[WOWOW]
トムクルがまぶしすぎて、トムクルの苦悩がリアルすぎて色々な意味でトムクル無双。愉しい。


ゲットバック[WOWOW]
うはははははあはははははははは


【グレイヴ・エンカウンターズ】[DVD]
何もかもが安直で次第に腹が立ってきました。
前半のテレビクルーとは思えない手ブレ映像も、最初は不快にさせるための手法だと思ってたんですが特に功は奏さず。
カメラマンも2人いるうちの片っぽがやたらホストばっか映してるから惚れてるのかと思いきやそんな伏線でもなく。
怪異は基本映さない、じゃあ映さないことで恐怖を煽るのかといったらそういうわけでもなく。(煽ってるつもりだったのだろうか…)
オバケはワンパターン。
キャラ立ちしてるかと思いきやそれが活きることもなく。
…似たようなホラーは数あれど、これだと前に観た『SPEAK』のがまだ面白かった。本人たちは何が面白いと思って撮ってたんだ。
他のPOVホラーから図抜ける工夫は?自分たちなりの試みは?こだわりは?何も見えない。
本当にホラー撮りたかった?このジャンルならなんかイケんじゃね、くらいの認識だったんじゃないの?そう詰問したくなる映画でした。はぁ。
大体さ、あのオチでどうやって各所のカメラ回収したんだよ、っていうのを考えてない時点で、リアリティ第一で撮ってるとは思えない。もう、『グレイヴ・エンカウンターズ』の監督ズはコワすぎと新耳殴り込み観て地獄の果てまで反省しろ!!
あ、そだ。なんでムカついたかもいっこ、最大の原因を思い出した。「病院から出られない!どこまで行っても内部!」って大騒ぎするんだけど、ぜんぜん迷ってるように見えないんだよ!前半の撮り方がマズいせいで内部構造が全然把握できないからだよ!!もう少し気を遣いたまえよ!!


【グレイブ・エンカウンターズ2】[DVD]
2のが面白かった。特に前作のキャラクターが一人登場するんだけど、そのザコい感じが非常に素晴らしい。画面も安定したし、何より「うっわ何か出た!」感がようやくホントっぽく観えたのがとても良かった。…まあそれでも65点くらいではあるんですが…
こちらは学生が主人公ということもあって、不手際とかグダグダ感があまり気にならないのが効いたかもしれない。しかしやはりこのシリーズは、「リアル」に見せるための要素の取捨選択があまり上手ではなく、色々不満が残ります。
1の後半は勢いが評価されたとのことですが、私は余り勢いが感じられなかったので評価が低くなったんだなと。
それに比べて2は「リアルに見えない」ことへの恐怖より「やってやんぜ」感が強く、一皮剥けたというか、もう少し映像への信頼度が増したのかなと思え、それが好感に繋がってる気がします。というわけで、2はまあまあ面白かったよ。
それでも詰めが甘いんだよね…あのホテルのエレベーターの監視映像とか、パトカーの映像など、どうやっても回収できないよね?というのまで組み込んじゃってて…。
天才・白石晃士と比べちゃ気の毒なのは判ってるけど、あんなにドタバタやってんのに怖くない、緊張感がないのはホントどうなんだ…


【ヘンゼル&グレーテル】[DVDスルー]
ちょー面白かった!なんで劇場でやってくんなかったのー!3Dで観たかったよコレ…。
出てくる武器がいちいちアナログでかっけーの。手回しスタンガンとか良いなぁアレ。
黒魔女さんたちの出で立ちもゴスでカッコ良かった(シャム双子ゴス魔女!)し、景気よく身体千切れるし!
続編ないのかなぁ。
ジェレミー・レナーはこのくらいの映画ですごい輝きますなぁ


宇宙人王さんとの遭遇[WOWOW]
このテーマなら昨年「4デイズ」という傑作があるので…。直喩でしかない宇宙人とか、穴だらけの脚本(どうみてもあの通訳の暴走である)がなんとも。…王さんかわいいからいいか…。


【HELL】[WOWOW]
エメリッヒ製作総指揮のドイツ終末映画。じりじりと熱される太陽の暑さや乾いた砂埃などの描写は地味だがうまく、説明的セリフがほぼない進行も面白い。前半の文明がまだ残っている旅路から後半の人間性が崩壊した世界への対比は、わかるだがあまり効果的とはいえず、どちらかというと唐突な転調に思えてしまう。
というのも、さほど「乾き」に苦労しているようには見えない。しかも主人公たちの立ち回りもすべて脇が甘いので(周囲を警戒しなさすぎだし、同じような失敗を繰り返す)、そのせいか「じつはそこまで困窮した状況にないのでは?」という致命的な疑問が生まれてしまう。
人肉を食らいながらも神に縋って生きる一家など設定だけなら面白い。「やりたいことはわかる」が、とにかく説得力にかける。これもこれも同じような失敗を繰り返してばかりでいっこうにサバイバルスキルが上がらない主人公と、象徴させたい「自由」「尊厳」があるのもわかるが、やはり機能せずただのお荷物と化している妹の珍道中のせいである。全体的にあたまでかっちかつ雰囲気先行となってしまったため、ボンヤリ説教臭い終末もの「っぽい」映画ができてしまいました。


【キルリスト】[DVD]
うまい。明らかに真相をわかりにくくするために説明を省いた(ちょっと省きすぎ―!)のに、「何が起きているか」という興味だけで2時間飽きさせずに引っ張る。
画面にあふれる奇妙な緊張感と違和感あっぱれです。
ベン・ウィートリー、変な監督。


【EVA】[WOWOW]
何の話かと思ってたらロボットを絡めた家庭内騒動の話でした。まあまあ面白かった、かな。
主人公が研究放り投げたのが個人の資質によるものだったと明かされたのはズコーってなった。完全にお前が悪い。


人狼村 史上最悪の田舎】[WOWOW]
面白かった!笑いがブラック。コメディとは言っても死ぬ人はきちんと死ぬ。こだわりを感じます。しょーもないやり取りも妙におかしい。これオススメかも。


【夜明けのゾンビ】[WOWOW]
前半はタルいヲーキング・デッドみたいなた感じでまあまあ面白かたんだけど、後半になっても一向に前を向かないっつーかずっとぐじぐじなんか悩んでる、ゾンビ添え物。これなら『ディセントZ』のが面白かったっす。さいご飽きちゃった。


【モンスター・ホテル】[WOWOW]
ドラキュラが人間にホントのことを話すまで(つまり1時間くらい)人間の無神経ぶりに腹がたって見てるの辛かったんですが、本当のことを知った人間がさっと引いたのをみて少し救われました。
かといってチャラにできるような問題でもなく(モンスターが人間を殺そうとはしないだけによけい)一言、人間側からの謝罪なり反省なりがあったほうがよかったとは思います。
EDのコンセプトアートが素晴らしい、あれほしいなあ。


【アパリション -悪霊-】[WOWOW]
けっこう面白かったー。すげえ性格の悪いオバケ(っていうか邪悪な意思っていうか)が残していく痕跡がぜんぶ昆虫系+カビ系という嫌らしさ。オカルトや超科学モノとしては非常に正統派かつ、あら面白いじゃないのっていう怖がらせも有。拾い物という感じ楽しかったです。