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紙屋研究所


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2014-04-08 生活保護の不正受給と相続税の非違件数

生活保護の不正受給と相続税の非違件数


 福岡市が5月くらいから「生活保護ホットライン」っていうのをはじめるそうだが、「市民からの保護を要する人に関する情報」っていうのはいいんだけど、「生活保護に関する不正行為等の情報」「その他の生活保護の情報(アルコールギャンブルなどによる生活の乱れ等)」っていうのはひどい。

 市議会共産党議員が質問している。

https://www.youtube.com/watch?v=ntfuyjOlgFI#t=55m15s


 「生活保護世帯は酒飲んだらダメなの?」「ぜいたくな食事をしてたり、立派な服を着てるのも通報対象になるの?」「そもそも誰が生活保護受けてるか、市民は知らないはずでしょ。守秘義務があんのに。いい加減な情報集めるのに公金使うわけ?」とか聞いている。


 「ええっと、電話で正しい知識も普及できますんで」とか、答弁してるけど、相当苦しい言い訳だな。市民監視で、生活保護世帯を「二級市民」扱いして、スティグマを与えようとする気満々である。


 まあ運動をしている人なんかのところではすでに知られていることだけど、生活保護の不正受給は全体の0.5%程度である。

生活保護 「水際作戦」許されない/参院決算委 辰巳議員が調査要求 生活保護 「水際作戦」許されない/参院決算委 辰巳議員が調査要求


 この辰巳議員の質問で具体的数字を知ったのだが、


辰巳氏は、大阪府枚方市で2011年に明らかになった不正受給184件のうち収入の無申告・過少申告が103件あり、そのうち高校生のアルバイトの無申告が4分の1にあたる27件だったことを紹介。「高校生自身がアルバイトをしていることを親に黙っており、世帯主が知らなかったということや、そもそも高校生のアルバイト収入を申告しなければならないことを知らなかったという人も少なくない」と指摘し、ケースワーカーの人員を増やし、個々の実態に即して柔軟に対応するよう求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-04-08/2014040801_04_1.html

ということだそうである。

 他方、相続税はどうなのか。


 年間に日本中で120万人くらいが死ぬんだけど、そのうち、相続税を実際に払うのは5万人前後しかいない。*1 基礎控除が5千万円。プラス相続人1人につき1千万が控除される。6〜7千万の課税財産をもっている家はそうそうないってことだ。

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2013/sozoku_shinkoku/sozoku_shinkoku.pdf


 んで、そのうち、「申告漏れなどの非違(違法行為)」がどれくらいあるのか見てみると、1万件くらいなんだよね。*2

https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2013/sozoku_chosa/index.htm


 非違件数1万÷相続税申告件数5万=20%


ということになる。

 前に、「国税庁が発表した相続税申告漏れ等の非違件数割合は8割」という情報がよく流れていたけど、あれは調査に入った件数のうち8割ってこと。つまり「あそこはあやしい」といって踏み込んだケースのうちの割合なので、8割とか9割になるのはある意味で当たり前なのである。これを不正受給の割合と比較するのは正しくない。


 よって、申告件数を母数にすれば正しい比較になる。

 この比較でいえば、相続税生活保護2540倍もの「不正」があるということになる。

 だからといって「相続税ホットラインをつくれ!」とかは言いませんよ。


 そういえば、都知事が5千万円を受け取って辞任し、不記載という「違法」で罰金払ったんだけど、あれも知事数を分母にしたら、1÷47=2%で、生活保護不正受給の4倍ある。「首長政治資金ホットライン」とかどう?

*1相続税の申告書 (相続税額があるもの) の提出に係る被相続人数。

*2:事務年度と年度は時期がずれているが、たいだいの対応期間だと思ってくれたらよい。

田渕 大樹田渕 大樹 2014/04/13 23:01  僕の勤務地(福岡県南部)でも制度化はされていないようなのですが市民からの通報を受けて行政のケアワーカーが動いたとか(共産党市議団のチラシに出ていました)。それで、福岡市議団のウェブサイトを読みました。「そもそもだれが保護世帯かは守秘義務が課せられていてわからないはず。」(中山議員)これが重要な点であると僕も思いました。

          555 555 2014/04/14 20:55 小学館のビッグコミックスピリッツで
「健康で文化的な最低限度の生活(柏木ハルコ)」というケースワーカーの作品が掲載されています。
まだ第三話ですが単行本化されたときにでも見解をお願いします。
ちなみに第三話では母子家庭の子どもへのDVと思わしき……衝撃が大きい。

M 2014/04/30 01:30 生活ほぼ受給者に対する根拠の無いバッシングは本当に酷いですよね。
全員を不正受給者であるかのように扱う人からそもそも生活保護制度自体に反対する人まで色々いますけど、まさか行政がこういうことをやるとは思いませんでした。

M 2014/04/30 01:30 生活ほぼ受給者に対する根拠の無いバッシングは本当に酷いですよね。
全員を不正受給者であるかのように扱う人からそもそも生活保護制度自体に反対する人まで色々いますけど、まさか行政がこういうことをやるとは思いませんでした。

江戸川ブラク江戸川ブラク 2014/05/06 23:55 生活保護制度自体に深刻な自己矛盾(そもそも最低生活基準以下の国民を捕捉するのが無理であり、また行政が恣意的に認定するのもまた無理がある)がある。 それは、「入りにくく、出にくい」現状がまさに物語っている。申請(「相談」レベルに落とすのも行政の裁量権)→受理(弁護士や支援団体が同行するとOKという有様)→給付開始だが、この間の官民医療マスコミ挙げての集団リンチで相当申請者が減っていたり、また継続していても陰に陽に行政と警察、議員、警備団体、自治会などが受給者監視活動(居住、親類周辺へのセンシティブ情報や追尾など)を強めており、基本的人権は制限させて辞退もしくは「消去」に狂奔しているのが現状であろう。
約100兆の社会保障給付全体のうち年金・医療が大半を占めており、その他のなかの生活保護関連給付はたかが約3兆7,000億円であり、防衛費の約4兆数千億円を比しても少ないのであるが、これは効率的ではなくたんなる意味のない嫌がらせ行為でなのであろう。
では、代替的セーフティはどう再構築すべきあろうか?
これはもう一般的になりつつあるが、ベーシックインカムなのである。
生活保護給付、年金給付、その他各種手当てを整理して、更に各種控除を廃止した財源に加え、所得税と消費税で構築するBIは、月当たり8万円を想定している。
無論、労働か非労働を問う事もなくまた行政の簡素化にも役立つものである。健保制度は維持の前提だ。
これはこれからの課題であろうが、間違いなく全て労働収入か?それとも給付か?という仕分け自体が過去のビヘイビアになるのだから、これは有効であろう。

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