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日本フェンシング、躍進の秘密

 1964年東京五輪での男子フルーレ団体の4位入賞が最高成績の日本フェンシング。だが、2007年世界選手権で女子フルーレ団体が銅メダルを獲得するなど、五輪での初のメダル獲得が期待されている。成長の背景には日本協会が講じた強化策があった。(西尾美穂子)

 きっかけは8年前の惨敗。シドニー五輪に出場した4選手中3人が初戦敗退という結果を受け、03年にプロコーチとしてウクライナ人のオレグ・マツェイチュク氏(36)を招請した。
 各国選手がセミプロ化する中で、日本のトップ選手は仕事や学業の合間に練習していた。同氏は「練習場に行っても誰もいなかった」と当時を振り返る。日本協会は、選手がフルタイムで練習できる環境を整える−という方針を固めた。
 北京までの強化費として計上されたのは6000万円。食品会社の会長を務める山本秀雄・日本協会会長の支援を含めて資金を工面した。選手は休職を余儀なくされることになったが、協会が選手のために東京都北区の国立スポーツ科学センター近くにアパートを借り、生活費も支給した。
 環境の変化は選手の勝利への意欲に火をつけた。「日本で勝てばいいと思っていた選手が、世界6位でも満足しないようになった」とは張西厚志・日本協会専務理事。五輪の全種目に出場する“和製騎士団”が、北京で強化の成果を見せる。(産経)