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その日暮らし



2018-09-17

マルセロ・イン・ザ・リアルワールド

発達障害を持つ17歳の少年・マルセロは、

望まないまま父親の法律事務所でひと夏働くことになる。

マルセロのあるがままを受け入れ、愛してくれる母や姉や聖職者。

なんとか“ふつう”の人になってほしいと、

マルセロのあるがままを受け入れられないが、息子を愛してはいる父。

法律事務所という“リアル”な世界で、

マルセロは様々な人と会う。

理解してくれる人。

馬鹿にする人。

利用しようとする人。

そして一枚の写真を見つけたことで、

マルセロは自分の信じる道を進み始める。


面白かったー。

マルセロはもちろん、あの人やあの人がどうなるのか。

ハラハラしながら一気に読みました。

発達障害のことはあまり知らないのだけど、

参考になるかもしれない。

マルセロの父・アルトゥーロのような人っているよね。

私の父もこのタイプ。

気持ちは分からんでもないが、子には重すぎてしんどい時がある。






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2018-09-07

マザリング・サンデー

マザリング・サンデー (新潮クレスト・ブックス)

マザリング・サンデー (新潮クレスト・ブックス)

マザリング・サンデーとは、お金持ちのお屋敷で働くメイドたちが、

年に一度、里帰りできる日。

孤児で帰る家のないメイドのジェーンは、

その日、秘密の恋人に会いに行く。

相手は近くのお屋敷のお坊ちゃん。

身分違いの恋とはいえ、長い付き合いなのだが、

お坊ちゃんは2週間後に、身分の釣り合ったお嬢さんと結婚することになっている。

そして1924年のマザリング・サンデーは、ジェーンの人生を大きく動かした。


前半は面白かった。

ジェーンの気持ちになって、

(身分相応に)偉そうだが魅力的なポール坊ちゃんにときめいてみたり、

彼と結婚する予定のお嬢さんに嫉妬してみたり、

寛大な雇い主にほっとしてみたり。

ジェーンの心理や情景描写が上手く、

3月なのにやたら暖かいその日の風が、頬に感じられるようだった。

なんだけど、後半になるにつれ、

どこに重心を置いて読めばいいのか分からなくなってきた。

激動のマザリング・サンデーその日がメインなのか。

その後のジェーンの人生がメインなのか。

どちらであっても、もう片方の比重が大きすぎるし、

どちらも描きたいなら、手直しが必要である。

せっかく面白い題材なのに・・・消化不良だった。






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2018-09-02

十三の物語

十三の物語

十三の物語

スティーヴン・ミルハウザーの最新作。

邦訳が、最新作ということですが。

13の作品が収められた短編集で、

全体が4つのセクションに分かれ、それぞれ、

「オープニング漫画」「消滅芸」「ありえない建築」「異端の歴史」と、

ファンにはおなじみ、

ミルハウザーの十八番テーマがずらりと並んでます。


冒頭の「猫と鼠」は、『トムとジェリー』を深く思索的に掘り下げた不思議な作品。

あのドタバタアニメとは思えない雰囲気だけど、

実際のところ、トムもジェリーも、

深層心理でこう考えていてもおかしくないかも?なんて思ってしまう。


個人的には「ありえない建築」の作品たちが好きだな。

中でも、小さい方へより小さい方へと進む「ハラド四世の治世に」よりも、

大きい方へより大きい方へと進む「塔」や、

ありえそうで、よく考えたら絶対ありえない「ザ・ドーム」「もうひとつの町」が好き。

女性のファッションの変遷を描いた「流行の変化」や、

ミステリーちっくな「イレーン・コールマンの失踪」も面白かった。


ミルハウザー読み始めたばかりの頃、

どう考えてもありそうにない建築や発明品が、

あまりにリアルに、歴史に基づいたかのように描かれているため、

アメリカにはこんなものが昔存在したのか、すごいなあ、

と半ば信じていたものですが、

今になって分かる。

ミルハウザーの芸に、まんまと引っかかっていたのであると。






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2018-08-14

星の民のクリスマス

星の民のクリスマス

星の民のクリスマス

ある歴史小説家が、4歳の娘のために、他愛ないお話を書いてプレゼントした。

父親の方はその物語をほとんど忘れていたが、

娘が10歳になる頃には、その物語は娘の一部となっていた。

そしてある夜、娘は失踪した。

父親の書いた物語の中へと・・・。


なんとなく気になって手に取ったら、

2013年日本ファンタジーノベル大賞受賞作だったので、

即決で読むことに決定。

以前、同賞の大賞と優秀賞作品を読み漁った時期があるので懐かしい。

ファンタジーノベルといっても、フワフワした剣と魔法の世界でなく、

殺伐、時に陰惨なのがこの賞の特徴。

(森見登美彦「太陽の塔」のようにスパーンと明るいものもあるけど)

この小説も、導入部こそ4歳の娘に書かれたほんわか童話なのに、

すぐに殺伐としてきて、どす黒い人間心理が出てくる。

いやいやでも面白かった。

この作りこんだ世界観はすばらしい。

さすが大賞を取っただけのことはある。






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