地をはう大学院生→ポスドク→国立大特任教員→私大専任教員

はてなダイアリーから引っ越ししてきました。昔の記録です。

今回の事業仕分け

昨日の仕分けの評決結果がでた(2:30に)。まず、官僚の皆さん夜中までご苦労様。二時半まで仕事って研究機関みたいだ。
http://www.shiwake.go.jp/shiwake/detail/2010-04-26.html

評決結果を読んで気付くのは、まとめコメントがずいぶん紳士的になっていること。現場の人間への罵詈雑言が飛び交った前回とはずいぶん趣が変わった。私らの意見も効いてるのかな、と思ってみたり。まあ、さすがに前回のようなことが繰り返されたらこの国も見限られてしまうだろうから。
いくつかの事業でコメントを見ると、今回は仕分け人もちゃんと勉強しているように見える(いい加減な発言が公式コメントにまとめられなくなったのかもしれない)。このような劇場型の政策諮問には疑問を感じるし、仕分け人の選定は不透明なままだ。しかし、ちゃんとした議論ができるのであれば、社会に(マイナスではなく)プラスの影響を与える事業になるだろう。前回があまりにひどすぎたせいかもしれないけど、進歩したことに素直に感心した。
 
荷物を運ぶアリの群れは、(おかしな方向に行こうとする個体もいるが)巣に向かおうとするアリが頑張るから巣に向かう。人間の社会も同じ。一旦社会が道を踏み外しかけても、正しい見識を持った人が十分な数集まれば、その人たちが力を合わせることでリカバリーは可能だ。普段は愚直に仕事して、社会が狂いそうになったら行動を起こす、そんな普通の市民は、結構社会の安定に貢献できる存在なのかもしれない。…そんなことを思ってみたり。