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2012-07-30 ”科学の祭典” 二日目 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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ほんとに大盛況でした

来訪者数は、ちらっと聞いた話だと七千人とかそんな数字。MTMの何回目かと同じくらい来たのか、と軽くショックを受けました。北谷町大岡山では周辺人口が全然違うし、告知もそんなにされてなかったし、どうやってそんなに沢山の人がこのイベントを知り、来るに至ったのかを考えると不思議なくらいです。


うちの二日目の様子

一日目は資材が足りなくなったりもしたせいで何度も一階まで上がったり、お昼は二階の控え室で食べたりできたんですが、二日目は朝パソコンの前に座ったとき

「あー、もう9:52になってるのか」

と思ったことしか覚えてない。あとはずーーーーーっと型紙を作ってました。


これに1機10分くらいかかるわけです。いろいろノウハウを作ってスピードアップするけど、それでも必然的に時間がかかる。


あまりに人が多かったので、シルエットを描いてもらってから作れるようになるまですごく待たせるようになってしまいました。それで「これを描いたら他のを見てきてください」とやっていたのだけど、これだと帰っちゃう人も出る感じがしてこちらのモチベーションも下がる(実際受け取りに来なかったのは1枚だけだったけど、作らずに持って帰る人は結構居た)。


ということで昼過ぎからはある程度溜まったら受付を止めるようにしました。待ちが無くなったら5人受け入れるという調子にして、どうにかうまく回るように。製作機数は二日目の総数が52機。一日目が21機ですから倍以上でした。


製作の説明の方は手伝いの人に任せっきりで、調整で手に負えなくなるとオレが手を止めて出動、という具合で、大部分の飛行機はなんとか飛ぶようになりました。


作業の難易度としては、「ハサミで切り出す」というところは案外みんな大丈夫でした。しかし「接着剤できちんと貼り合わせる」や「翼の取り付けタブを正確に折る」は比較的ハードルが高かったようだし、一番引っかかったのは意外なことに「重心を合わせる」でした。オモリが足らずに後ろ重心の状態になった飛行機が大部分で、しかしこうした感覚を持たない人が多いとは思えないので、ここは説明不足だった気がします。


重心について。解説は口で「ここに重心が合うようにクリップを付けてください」というのでは多分ダメで、指でバランスを取っているところをやって見せる必要があった。あと、紙飛行機に慣れた人なら重心の狂いが試験飛行の中でわかりますが、それは慣れた人ならでは。挙動から重心の狂いを思いつくことは知識が無ければ無理なのが普通だし、その知識は無くて当たり前でした。試験飛行で動かすパラメータを限定するためにも、重心位置は簡単確実に合わせられるメカニズム(2本の棒を1cm間隔で立てた台を用意して載せてみるようにするなど)があれば良かったなと思います。


今回特にダメだったところ

上記の手際の悪さを含め反省点はいろいろあるんだけど、なんといっても問題だったのは、出来上がった飛行機の性能がイマイチだったことだと思います。そしてこれは、お絵かきソフトに本当に詳しい人ならカバーできたかもしれない。自動生成をもう少し早めに諦めて準備に時間をかけるべきでした。


今回の方法では貼り合わせ胴が2枚構成です。描いてもらったシルエットを取り込んで左が前になるように配置し、決まった長さと角度を付けた主翼と尾翼の取付タブを無理やり合わせ、複製&反転で右側を作るという方法。これはそれ以上分割したものを作る時間が無かったからなんだけど、やはり少なすぎた。強度が足りないのにオモリが多く必要になり、歪みが出やすかったため、修正がものすごく微妙になるものが多かったです。


また水平尾翼の取り付けタブを垂直尾翼の上に配置してT尾翼にしたものが非常に多くなったけど、これは描いてもらった見た目を崩すパターンが多くてよろしくなかった。描いてもらったシルエットは中央の1枚とし、しっぽを少し延長して尾翼タブを付けてやれば色々都合が良かったけど、その一枚を多くつくるのが大変すぎてとても出来なかった。


これらは取り込んでパスに変換したシルエットを、出力段階に至るまでそのままゴチャゴチャのパスの集まりとして扱いつづけていたためで、基線を引いてタブを配置したあとはペイント系のソフトで処理すれば簡単だった気がします。


性能が出なかったのは、実は描いてもらった絵を尊重したためという面もあります。普通の人が飛行機を描くと、かなりデフォルメされた太短い胴体のものを描いてしまうのが当たり前で、子供はその度合がさらに強くなります。そして太短く出来上がった飛行機は横風の影響を受け易すぎて、キレイに飛んでくれない。正直これがこんなに大きな影響になるとは思っていなかったので、今回の企画コンセプト自体にちょっと問題があった部分です。後半はこの問題を認識したこと、描いた子供たちと一緒に画面を見ながら型紙化作業をできるようになったので、「ちょっと伸ばしましょうねー」などと言ってだいぶ変形できたけど、前半はそこまで踏み込む勇気がありませんでした。


「科学の」祭典の出し物としては、力学の初歩を感じるのに良いテーマだとは思うんですが、やはりちょっとばかり説明不足でした。"飛行機は重心と空力中心を合致させることで飛んでおり、離れたところにある尾翼が梃子のように作用して挙動を作る" という概念を、簡単な言葉で最初に解説しておくのは大事なことでした。これは設計前に教えておいた方がいい。今回は設計前に予断を与えず、任意のものが飛んでしまう面白さがにこだわったんですが、それなら基本性能をもうちょっとどうにかしろってところで。


良かったところ

これはハサミと接着剤を使った工作をたくさんの子供に体験させられたことが第一でした。取り返しの付かない不可逆的な工作には、誰が作ってもうまくいくもの、何度でもundoが利くものとは違った緊張感があり、それはたいてい一緒に手伝っていた親御さんの様子からも見て取れたはず。


また、自分の設計や工作精度、そして調整の腕が飛び具合に如実にあらわれる紙飛行機を使ったことで、作業への本気さがダイレクトに返せたところも良かったとおもいます。飛ぶ子のものは非常によく飛ぶけど、飛ばないものは本当にぜんぜん飛ばない。でも各部の比率はどれも同じなので、あちこち削ったり調整をきっちり合わせたりすれば飛ぶ。


こうしたフィードバックを受ける機会は少ないし、飛びものでは嬉しさも悔しさも強いので、参加した子供には何かを返せたのではないかと思います。

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なんにせよ有意義な二日間でした。オレは同じものを何度もやって完璧なものを作り上げるのは苦手というか飽きてしまってクオリティが下がるので、新しいテーマをぶっつけ本番でどうにかしてしまう方が合っているようです。だからこうしたイベント参加は億劫がらずにとにかく申し込み、バタバタするのが宜しいということになるようです。