Hatena::ブログ(Diary)

嘉村の「人創り問答」 RSSフィード

2016-12-07

生徒に多様な活動を促す入試の実現へ

12月に入りました
関西担当になってからは毎年、近所で神戸ルミナリエが
始まると、今年も残りわずかと実感します

関西は、年が明ければすぐに中学入試
同時期にセンター入試

将来の日本全体の人創りにも大きな影響をもつであろう
大学入試改革の動向が、改めて気になります

時々出る新聞記事などを読むと、
記述式問題をどうするか、といった一部分の方法論ばかり
本来めざしていた姿が希薄化していないか、心配です

モデルといわれた米国有力大学のAO型入試

共通テストSATの得点が一定水準を超えていれば、
高校時代の成績や課外活動の実績、志望動機の小論文、
面接で、多面的に手間をかけて選考・選抜する入試

その本質は、個々の生徒の高校3年間の学習、活動全体を
対象として、当該大学に、さらには社会への貢献が
期待できる人物かどうかを総合的に評価する点にあります

MITのような最有力大学の場合、専門の入試担当職員が
半年かけて出願書類を読み込み、吟味し、議論を重ね、
合否を決めるそうです

同じようなタイプの優等生を集めるだけなら、そこまで
手間をかける必要はないかも知れませんが、
様々な経験、才能を持った多様な人材を集めるための投資です

本来めざした姿を実現するには何が必要でしょうか

大学サイドでは新たな共通テストの確立、選抜方法の設計、
求める学生像を認識し、選考スキルを身につけた入試担当職員
の確保も必要でしょう

でも一番大切なのは、高校3年間(中高6年間)の学習、
様々な刺激的な体験、学校外の方々との接点や交流、共創経験
の蓄積を促す中高教育活動の充実です

どの国にも負けない探究心、学習意欲、そして志をもった
熱い大学生を創る、中高教育の真価が問われる時代の到来です
皆さん、ウォーミングアップはもう済んでいますか?

2016-11-06

教師の多様性を創る

11月に入りました
秋晴れのすばらしい青空を見ていると、
それだけでいい気分になりますね

体育祭や文化祭等の行事で生徒の皆さんの活動量が増え、
学校全体のエネルギーが高まる季節です

最近、主体性、積極性をもった人創りという文脈で、
行事やクラブ活動を改めて重視する方針をとり、
真の文武両道を標榜する私学が増えています

知・徳・体バランス派の私には嬉しいことですが、個人的には、
心身鍛錬型のしんどい行事、合宿教育のような活動が、
もっともっと導入されればと思っています
これこそ、公立校にはない私学の独自教育であり、
失敗や試練を乗り越えて前に進む人材こそ、社会が求める人です

さて本日は、ある新聞記事を見ながら、これからの
私学の教師採用について考えたことをお伝えします

ユニクロを運営するファーストリテイリングが、
日本の学生に海外の店舗で1週間働いてもらう、
海外インターンを100人規模で行うという記事です

地方を含めて全国から参加者を募るそうですが、
派遣先は上海、シンガポール、ソウル、ニューヨーク、
ロンドンの5都市。ねらいは“経営者の卵”の発掘

昨年のインターンは定員の20倍以上、2400名の学生が
応募したそうです
渡航費、滞在費など1人あたり数10万円はかかるでしょうが、
このように採用に費用をかける企業は、中小、ベンチャーを
含めて、決して少なくありません。「企業は人なり」です

では私学の教員採用はどうでしょうか
産業界と学校では人材供給の構造が異なることもあり、
これまでは、「入りたい人から採用する」だけの“待ち”の採用

まずは講師で採用し、2〜3年様子を見てから専任へ
という学校が、未だに多数派ではないでしょうか

これまでも講座やレポートで、
学校はもっと専任採用に注力すべき、
人材ミックスを実現しましょう、と発信してきました

人材ミックスとは、新卒採用、他校からの中途採用
企業等からの採用を1/3ずつに。という主張ですが、
意図は“教師の多様性”確保にあります

「多様性」は最近、社会や政治のキーワードであると
同時に、新しい教育のキーワードでもあります

子供たちは本来、多様な個性と資質をもった
存在だと思いますが、これまでの日本の教育は、
その多様性を十分伸ばしていなかったのではないか

21世紀型教育への転換という国家的方針には、
このような反省の思いも含まれていると感じます

多様性の乏しい教師陣に、多様性溢れる生徒が
育てられるでしょうか

また、これまでの20世紀型教育しか知らず、そこで
優等生であった教師志望者だけで、新しい21世紀型教育を
リードする教師陣が形成できるでしょうか

志望者が列をなすトヨタやホンダ、グーグルといった有力企業も
採用手法を工夫し、多額の費用とエネルギーを投入します
これはという逸材を、何としても獲得するためです

企業以上に、“人がすべて”の学校
採用力が教育力に、また私学の評判に直結する時代に入ります
さぁ、専任採用と人材ミックスを始めましょう!