鳥生浩司 『想刻のペンデュラム』 （電撃文庫）

想刻のペンデュラム (電撃文庫)

伝奇の宿命か，独自の固有名詞とかガジェットとか，情報量がとにかく多い．まずは世界ありきで設定を固めて，それからストーリーを作ったとお見受けした．それは良いんだけど，その設定を生かすべき肝心のストーリーが通り一遍でいまひとつ．キャラクターも同じくでどうにも印象が薄い．考えた設定を全部盛り込もう，説明しようとするあまり，物語を作るのが手薄になった，そんなふうに見えた．パーツのひとつひとつはそれなりに豪華なんだがなぁ．