本保智 『多次元交差点《クロスポイント》でお茶づけを。』 (スニーカー文庫)

多次元交差点でお茶づけを。 (角川スニーカー文庫)

多次元交差点でお茶づけを。 (角川スニーカー文庫)

夜 7 時から朝 7 時までの 12 時間,立ち入り禁止になる私立時狭間学園.その地下に現れるのは地球で唯一の多次元交差点への入り口,そして異次元の住人をもてなすためのホテルだった.あと貧乏女子高生メイドと幼女メイドとネコミミメイド.
ライトなドタバタコメディ.様々な異次元生物が起こすアクシデントは基本に忠実で特段の新鮮味は無いのだけど,テンポの良いボケとツッコミの応酬は読んでいて飽きない.メインとなる女の子三人の描き方も良かったと思う.しっかり者の主人公まひるにドロップキックが得意なココ,ネコミミルビィ.三者三様,でも前向きで頑張り屋であることは共通した女の子たちはそこにいるだけでもよいものです.終盤に入ってから次回へ向けての伏線がちと不穏,かつぎこちないのは気になったけど期待してみたいかな,と.前向きさを失わずストーリーを動かすのは並大抵じゃないんだろうけどね.

「だーめ。向こうだってこっちと仲良くしたくって、一生懸命なんだから。信頼とか絆とか、そういう大切なものは、一度なくしちゃったら絶対に取り戻せないのよ! 後で悔やんでも、遅いんだから!」

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こういう当たり前のことも意識してないと案外忘れがちになるものよ.