西野かつみ 『ぱんどら』 (MF文庫J)

ぱんどら (MF文庫J)

ぱんどら (MF文庫J)

ある晩キヨタカは夢を見た.建物も植物も生物もなく,赤茶けた大地のみが広がる一面の荒野.そこにぽつんと置かれたちゃぶ台と段ボール箱.そしてパンドラと<希望>と名乗る二人の娘.
パンドラの箱から放たれた<災厄>をすべて集めるべく日々闘う男子高校生(しもべ)とチビっ娘女子高生(魔女)の話.うむ,楽しい.けど良くも悪くもむちゃくちゃ手堅い.ゆるめのギャグやら甘酸っぱさやらをお気楽に,という,「ライトノベル的なもの」のモデルケースのような作品.ノンストレスで気軽に読めるのは個人的には評価できると思うんだけど,ひとにはあまり薦めない.唯一目立ったこと,「その他大勢」にあたるキャラクターが変に濃いのは作風,と言ってもいいのかもね.