- 作者: 近村英一,竜徹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
「本当にバカですね、ノノメメさんは」
Amazon CAPTCHA
と、背後で聞こえたような気がするが、返す言葉が僕には見つけられなかった。
人の不幸はミツの味.彼の体からにじみ出る「不幸」は,神々にとって極上の「ミツ」であるという.その体質ゆえ,神々によって一生女性に振られ続ける運命を背負わされた少年,ノノメメこと東雲芽吹.ヒラの神様である天王洲君につきまとわれつつも,天性のバカさゆえに前を向き続けるノノメメの明日はどっちだ.
第7回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作.様々なタイプの少女といっしょに奮闘し,良い印象を与えながらも毎回必ずフラれる,という一話完結形式.良くも悪くもお約束に則って話を進めているのだけど,全体的に固まりきってない感じだなあ.「不幸」の定義がふわふわしているので,頭からいまひとつ乗れないのがひとつ.前向きなのはいいけど,ノノメメが「将来の夢」に対してどのくらい本気で考えて行動しているのかがよく分からないのがひとつ.そもそも「ミツ」の設定からして,かなり曖昧なまま走っているのではないかなあ,というのがひとつ.ちと素直に楽しめなかった.