kanamankunの日記

2018-11-19

テラコッタ


 先日、「神奈川いまむかしガイドの会」主催の、
神奈川歴史散歩」に行って来ました。
 行先は、横浜市中区関内の西洋建築を巡り、
文化とその様式美を探る歴史散歩です。

 関内には、昭和初期に建てられた古典様式の銀行、教会、歴史建造物
たくさんあり、ほとんどが重要文化財横浜市認定歴史的建造物
指定有形文化財となっています。
 半日で11カ所の建物を訪ねました。

 私は建物については、詳しい知識は乏しいですが、
特に気になったのが、外観は、ほぼ正方形で
正面の3階部分まで7本の柱を通した
横浜銀行協会(旧横浜銀行集会所)」の建物です。

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 この建物は、昭和11年竣工されました。
直線と水平性を強調した力強いデザインが特徴で、
その細部には、美しい絵柄のテラコッタが装飾されています。

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 「テラコッタ」とは、イタリア語で「 焼いた(cotta) 土(terra)」
という意味です。「素焼き」とも呼ばれます。
 素焼きとテラコッタとは、厳密には違いますが、実質は同じようなものです。

 日本人ならば「素焼き」といえば「埴輪」「土偶」などを
思い浮かべるでしょう。
 縄文時代以前からある焼き物の一つです。

 身近なものでは、朱味を帯びた「駄温鉢」です。
「駄温鉢」は、素焼鉢より高温で焼成されています。
通気、排水性は、素焼鉢よりやや劣りますが、丈夫なのが特徴です。

 現在、植木鉢は、プラスティク鉢、陶器鉢(素焼鉢・テラコッタ)、
磁器鉢、木製鉢など素材の違う鉢があります。
 そして色や形、大きさなど種類も多く、草花や木の種類によって
鉢の特徴を活かして使い分けが出来るようです。

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 植木鉢の登場は、江戸時代中期頃といわれています。
植木鉢の普及で「園芸文化」が花開き、武士や貴族だけでなく、
庶民の楽しみの一つとなったようです。
 その様子は 浮世絵などにも当時の園芸文化が表現されています。
歌川芳豊の「新版 植木尽」(子供向けの図鑑だそうです)には、
多くの植木鉢が描かれています。その種類と絵柄の豊富さに驚きです。


 小林一茶園芸の趣味があり、接木・挿木などについて
多くの句を詠んでいます。


   たのみなきおれがさしてもつく木哉   (『八番日記』)

   菊植て孫に書する木札かな        (『文政句帖』)


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   織部風の駄温鉢(1200℃で焼成


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多肉植物用のモスポット(無釉で1200℃で焼成


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素焼きのコーヒーソーサー(800℃で焼成

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 追伸・・・

 先日、見つけられなかったシダーローズを見つけました。

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 シダーローズとは、バラの花に似たヒマラヤスギの松ぼっくりです。
 シダー(ceder)は、日本では「杉(ヒマラヤスギ属)」
 と翻訳されることがあります。
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2018-11-16

ヒマラヤスギ

 
     立冬も過ぎ、寒気も南下してきました。
    本格的な冬を迎えます。

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  散歩道も、落葉の彩りで覆われるようになりました。   

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 いつもの公園の遊歩道。少し色が変わっています。

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     樹木の傍の側溝には、瓜型のような実が沢山落ちています。

    これは「ヒマラヤスギ」の雄花です。

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     この公園には10本ほどのヒマラヤスギがあります。
    樹形は美しい円錐形で、樹高は20m以上あります。
     原産はヒマラヤ北西部で、明治12年頃に渡来しています。

     ヒマラヤスギは、雌雄同株で雌雄異花です。
    左の樹木には雌花、右には雄花を付けていました。

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 雄花は、若い樹木につきます。

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     雄花は、緑の蕾から成長して黄褐色に完熟すると
    花粉を散らして落下し、あたり一面を黄緑に染めます。



 雌花は、樹齢30年を超えないとつけないそうです。
雌花が受粉すると球果ができます。

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  球果は枝の上につくので、樹木の下からは見え難いです。

 やや離れたところから見つけました。

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 球果は樽形で直立しており、10cmほどあります。
松ぼっくり」よりは大きいようです。
 この球果の鱗片が少しずつ開いて落ちていき、残った先端部分が
薔薇状のシダーローズです。

 半分ほど落ち始めている雌花がありました。

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 鱗片は沢山落ちていましたが、シダーローズを
見つけることは出来ませんでした。

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   杉の葉のぴんと戦ぐや新酒樽   一茶   (『文政句帖』)


 今朝は冷え込み、10℃を下回りました。
これが平年の寒さだそうです。

 寒くなると熱燗が恋しくなります。
今年、収穫されたお米は、すぐに醸造されます。
 秋の風物詩である「杉玉」が、造り酒屋の軒先に吊るされ
新酒が出来たことを知らせてくれます。

ヒマラヤスギ」は、名前はスギ(杉)ですが「松」の仲間でした。

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 線文盃

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2018-11-02

赤蜻蛉


 今年は暑かったせいか、蜻蛉を多く見かけます。
しかし、近年、自然環境の変化で、全国的に蜻蛉が減っているそうです。

 この良く見かける「赤蜻蛉」は、赤蜻蛉という種類の蜻蛉なのだろうか?
ふと疑問に思いました。

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 調べてみると「赤蜻蛉」という名前の蜻蛉はいなく、
赤い色やオレンジ色など赤味がかった色の蜻蛉を指す総称でした。

 皆が赤蜻蛉と呼んでいる真っ赤な色をした蜻蛉は
アキアカネ」という種類です。

 写真の蜻蛉は「ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)」ではないかと思います。
この蜻蛉は広い範囲に生息しています。
 ありふれた蜻蛉ですが、知名度は低いようです。

 ウスバキトンボは、お盆のころに現れるので、
別名「精霊蜻蛉」とも呼ばれています。

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  赤蜻蛉と言えば、夕焼け空。

 年を重ねても、この懐かしい叙情的な光景は、
時空を超えて心を揺さぶるもがあります。

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   赤蜻蛉かれも夕が好じややら   一茶    (『七番日記』)



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 辰砂一輪挿

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2018-10-29

栗名月


 朝夕、吹く風も肌寒く感じられる季節となりました。
この頃に眺める月は、特に綺麗に見える様に思います。

 秋になると月が綺麗に見えるのは、この時期になると
空気中の水蒸気が少なくなるために、くっきりと見えるからです。

 一茶は「月」について、多くの句を詠んでいますが
おらが春』の中では「皆既月食」について書いています。
 きっと月食の原理を知っていたのでしょう。

    月蝕皆既 亥七刻右方ヨリ欠、子六刻甚ク、丑ノ五刻左終
   人数は月より先へ欠にけり

  また『風間本八番日記』にも月蝕皆既について、同じ句があり、
 そして、その後の月蝕の様子を詠んでいます。

   もとの名月となりにけり明けにけり

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 10月21日(日)は「十三夜」です。

 十三夜は「栗名月」とも言われます。
栗が採れる頃なので、そう呼ばれるようです。

 工房の庭で「十三夜」の月を撮影していたら、
突然、カメラのフレームに赤蜻蛉らしきものが現れ、
無意識にシャッターを押していました。
 良く見ると小型の飛行機です。

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                   2018/10/21 17:09 撮影



 10月22日(月)

 工房は、蜘蛛たちの城となっています。
この女郎蜘蛛は、しっかりと月を獲らえています。

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                   2018/10/22 17:29 撮影



10月23日(火)

 この日は雲が多く、期待は出来ませんでしたが・・・・

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                   2018/10/23 17:43 撮影

 5分後、雲の途切れた時に顔を出してくれました。
数時間後には、また暗雲に取り込まれました。
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          2018/10/23 17:48 撮影                   


10月24日(水)
 
 前日に比べるとほとんど雲がなく、綺麗な姿を見せてくれました。

 この月の明暗模様は、いろいろな動物、人の姿や物などを
想像させてくれます。
 子供たちが取ってみたくなる気持ちが分かります。

  明日、10月25日は「満月」です。

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                   2018/10/24 17:43 撮影


 『おらが春』には、良く知られている句

名月を取ってくれろと泣く子哉」があります。

 『七番日記』では
   「あの月をとってくれろと泣子哉
         と云う句形でも詠んでいます。

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 観月の名所の一つとして 長野県千曲市姨捨山(田毎の月)は、
よく知られています。
 先月、一茶の故郷信濃を訪ねた時、悪天のため姨捨山(冠着山・1252m)が
見えず残念でした。

 この姨捨山に、一茶は3度ほど登ったようです。
『梅塵本八番日記』によると
 文化六年(47歳)十五夜に、村松春甫と登っています。

   前書きに
 姨捨などゝは老足むづかしくて
  有合の山ですますやけふの月  

   (注)松村春甫(1772-1858)江戸時代後期の俳人絵師
       一茶の門人で狩野派の絵を学び、一茶の肖像をほとんど描く。


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 白かいらぎ平鉢

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2018-10-18


  やっと涼しくなり、夜に蛾が飛んで来なくなりました。
「蛾」というと「気持ちが悪い」「模様が怖い」「何となく汚い」
「鱗粉は人体に悪い?」など、あまりいいイメージがないようです。

  この夏、工房に飛んで来たり、散歩中に見つけた蛾たちです。

    ヤママユガ
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ヒメアカタテハ
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      ホタル
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ウラナミシジミ
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      ユウマダラエダシャク
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イチモンジセセリ
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 日本では「鱗翅目(りんしもく)」の昆虫は、3500種類知られていますが、
「蝶」と呼ばれるものは、250種類で他は、すべて「蛾」と呼ばれています。
 (注)「鱗翅目」とは、成虫の翅に鱗粉を持ち、拡大すると魚の鱗に似た形をしていることから名づけられた。

 「蛾」と「蝶」の違いについては、同じ「鱗翅目」であり、
 はっきり区別できないそうです。

  例外はありますが、一般的に、その違いは
   蝶は美しいが、蛾は地味。
   蝶は昼間飛ぶが、蛾は夜飛ぶ。
   蝶は翅を立てて止まるが、蛾は翅を広げて止まる。
   蝶の触角はこん棒状、蛾は櫛状、または尖っている。
   蛾は胴が太く、鱗粉が剥げやすいなどなど

  様々なことが言われますが、分類学上で、どの「科」に属するか
 (例えばアゲハチョウ上科・セセリチョウ上科など)で分けられています。

 多くの蛾は、地味な色で気持ちの悪いような模様をしていますが、
それは周囲の環境に溶け込むためのカモフラージュであり、捕食者などから
身を守るための警戒色や威嚇の役割をしています。
 また鱗粉の人体への影響については、特殊な蛾を除いて害はないそうです。
 鱗粉は、翅に模様をつける(模様で敵を威嚇したり、雄が雌を引き寄せたり)
翅に撥水性を持たせる。翅に香りをつける(雄のみに発香性をもっている種がいる)
体温を調節するなどの役割があります。


  私が撮影した種類だけで、蛾の魅力を言うのは難しいですが、
 「蛾」には、蝶とは違った美しさ、妖しさ、模様の繊細さなどが
  あるように思います。

 
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   又来たぞ手の盃を火とり虫   一茶   (『文政句帖』)



  江戸時代は「蛾」という季語はなく「夏の虫」や「火とり虫」で詠まれていました。
 一茶は「火とり虫」で18句詠んでいます(『一茶全集』信濃毎日新聞社
  詳しことは分かりませんが、「蛾」を季語として使い始めたのは、
 大正の頃だと言われています。


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ぐい飲み(鉄赤面取)
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ぐい飲み(朝鮮唐津面取)
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ぐい飲み(練込面取)
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