属人器

「属人器」??
 あまり聞きなれない言葉ですが、私たちが家庭で日常使っている
自分専用の飯茶碗や箸などが、代表的な「属人器」にあたります。
 考古学者の佐原真さんが用い始めた用語と言われ、
平城京遺跡から個人名を書いた墨書の土器が出土しており
奈良時代にはあったと言われています。
 江戸時代以来、家庭において使われていた「箱膳」もその一つで、
「属人器」は、日本では当たり前の食文化の特徴の一つですが、
西洋にはありません。



  夕飯の膳配りけり初時雨   ( 一茶 )  (『七番日記』)


 
   楔文盌