2010-08-07
ぴーまん、こわひ。
「そういえば昔、タマネギが食べられなくて、よく半べそかいてたよね。―――彼、今も苦手ですか? えーっと……ギュ…ギュルレーク【瑞:gullök*1】?」
今から月日を遡ること七か月、時は雪景色のお正月。「古き自由な北の国【瑞:Du gamla, du fria】」より一時帰国した弟カップルと酒盛りの席で、食べものの好き嫌いの話題になった。後半、筆者のアヤしげな片言は同席の瑞典国籍のカノジョに向けてのものではあるが、当然これだけで意味が通じるはずもなく、彼女は小首をかしげ、姉が作ったタマネギとキノコのマリネから熱心にタマネギを選別中の男に、視線を投げただけだった。
今でこそ隋所の食い意地テロ・エントリにて白旗を掲げまくっている筆者ではあるが、幼い頃はひたすら食が細く、思春期になってからは過食と拒食の間を揺れ動き、食さずにいられない己の体を持て余し過ごしていた。当時の日記*2を紐解くと、そんなことばかりが呪詛の如く書き連ねてある。
朝、食事をする。浅ましい。これ以降生きたいという積極的願望がないのに、生き延びるための食事をする。浅ましい。
テーブルに着き、飯をよそう行為が浅ましい。味噌汁を啜る行為が疎ましい。食を求め 分泌される消化液に自らの胃の消化を黙して看過するのが好ましい。だが好もしきことの代わりに、今日もまた浅ましきことを繰り返す。疎ましい、忌々しい。生きたくもない者がする食事の風景は見苦しい。節度を知らず 欲望の果てを尽くすこと以上に見苦しい。
一汁あるいは一菜の簡素な食事。食べさせてもらえるだけ、感謝しなければ*3。けれど、これは食事なのか、エサなのか。そんな無惨な食物にも依存しなければならないのが、生命の本性か。さもしくてならない、一滴の牛乳にさえ感応してしまう生命(いのち)の在り方が。
一方、弟はひたすら好き嫌いが多く、口寂しさを一日中ジャンクフードで紛らわせる子ども時代を過ごしてきた。今思えば、私と弟の食への偏執は、出力こそ異なれ、同じ生育環境の中でそれぞれが編みだした生き延びる術であったのだろう。
二○○八年八月、食育支援活動の一環としてカゴメ株式会社(本社・名古屋市中区、喜岡浩二社長)が実施した子どもの野菜摂取に関するアンケート(pdfファイル注意)によれば、子どもが好きな野菜は、一位が「さつまいも」(76.4%)、次いで「えだまめ」「じゃがいも」「とうもろこし」「トマト」と続き、甘みの強い野菜が多く支持された。一方、嫌いな野菜の第一位は「ピーマン」。実に半数近い45%が「嫌い」と回答している。次点にランクインしたのは「水菜」「ニラ」「なす」「オクラ」「ねぎ」「アスパラガス」「しいたけ」となっている。嫌いな野菜の調理法には、「野菜炒め」に続いて「生野菜」が挙げられた。
なお、二○○五年の同社の調査において、子どもが好きな野菜は「えだまめ」が最も多く、次いで「じゃがいも」「にんじん」「トマト」「きゅうり」。嫌いな野菜は「ピーマン」が圧倒し、次いで「ねぎ」「なす」「しいたけ」「トマト」が並んだ。同社の次回の調査がいつになるかは不明だが(三年毎なのだろうか)、どうやら子どもたちの間で夏野菜の代表格「ピーマン」の悪名ぶりは不動のようだ。
我が家には若干一名、ネギ類を食せない尻尾のある同居人がいるものの、私自身に好き嫌いはないので、思う存分野菜料理を堪能できる。そこへもってきて、今年の猛暑ゆえの豊作により、近隣住人やら職場の同僚から「体にイイから」「葉酸*4たっぷりだよ」と、無償の野菜がひっきりなしに供給される環境が後押しする。今の時期は、特にキュウリ・ピーマンの増殖ぶり甚だしく、サラダ、煮びたし、味噌汁、肉詰と、手を変え品を変え消費を続けてきたものの、流石に持て余し気味になってきた。
そこで本日は、最近の酷暑を前に、ガスを使わず簡単に夏野菜を消費できる冷製スープを紹介したい。
▽食材一覧(四人分)
![]() | きゅうり4本、ピーマン6個 たまねぎ1/2個、フランスパン50g にんにく2片 オリーブオイル50cc、白ワインビネガー大匙2 水150cc、塩 適量 |
▽レシピ
涼しげな器に盛り、仕上げにバージンオリーブオイルを垂らし、飾り付けすれば出来上がり。
よく冷えた白ワインと合わせれば、夏の宵の前菜にぴったりの一品に。
なお折悪しくオリーブオイルを切らしたため、撮影は急遽生クリームで対応していますが、オリーブオイルの方が確実に旨いです。筆者は日が落ちて涼しくなるのを待って、買いに走りました^^;
さて、オリーブオイルも手に入ったことだし、上で余ったフランスパンをガーリックトーストに。
![]() | こちらも電子レンジで焼き上げるので、相変わらず火は使っていません^^; |
ただいま断酒中の筆者、先程のガスパチョ(冷製スープ)と合わせて、休日のブランチとして頂きました。
なお、本日紹介の夏野菜料理はもっぱら食材のナマの持ち味をご馳走に頂くため、ピーマン・タマネギ・キュウリの類が苦手な御仁には、いささかキツかろうと思われます。ただ、これまで野菜嫌いの子どもたちのために食材を細かく刻み、カレーやオムライスに気づかれないよう混ぜ込んでいた親御さんたちから、嫌いな野菜を家庭菜園で一緒に栽培したり、調理に子どもを参加させた方が、下手な小細工をするより効果があったという話も耳にしています。某所にて「味覚三歳児」と呼ばれるid:chochonmage氏(『東海林さだおがいいなぁ』管理人さん)も、緑の“P”さんに真っ向勝負を挑まれれば、あるいは一皮剥けたオトナになれるかもしれません^^;
最後に、数々のピーマンを美味しく頂くレシピをご考案のお二方を紹介のうえ、本稿の〆といたします。
<おまけの一枚>















