2009-02-01
“湯ったり”人気早くも2万人 昨秋開所・新白峰温泉総湯

昨年十一月九日に移転・新築されてオープンした白山市白峰の白峰温泉総湯の入湯客が三十一日、二万人を突破した。
二万人目となったのは、金沢市額乙丸町の会社員大上戸(だいじょうご)裕さん(31)。総湯を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「白峰まちづくり協議会」の織田捷二理事長(67)から入湯回数券や白峰の特産品が贈られた。
妻美弥さん(35)とそろって温泉好きという大上戸さんは「知人から良いと聞き、初めて来た。今年はついている」と笑顔を見せた。
同協議会によると、入湯客は当初予想の五割増のペースで伸びているという。織田理事長は「白峰活性化の核として、今後の集客にも期待している」と話していた。 (松本芳孝)
水鳥が餌の相談? 犀川でサギ、カモ車座に

水辺で野鳥たちが井戸端会議?−。金沢市長土塀の犀川で31日、サギ、カモ、カモメの仲間5羽が車座になって水面(みなも)を見つめる和やかな光景が見られた。
この日の犀川は前夜からの雨で水量が多く、本流は茶色く濁った。鳥たちは、用水が流れ込んで水が透き通っている幅1.5メートルほどの所に集合。魚を見つけると、サギは素早くくちばしで捕らえ、カモはひっきりなしに水中に潜っていた。
「普段は近づくとけんかばかりしているのに、今日は仲良くやってるな」と近所の男性。困った時はお互いさまで、餌の見つけやすい場所を分け合っていたようだ。 (加藤裕治)
動き細やか粘土アニメ 七尾東雲高 森本、濱田さん

七尾東雲高校総合学科三年の森本優衣さんと濱田友美さんが、複数の写真をこま送りして粘土(クレー)の人形が動いているように見せるクレーアニメーションを制作し、三十一日、七尾市内で開かれた同校の教育活動、卒業研究発表会で発表した。
アニメは、テストの答案用紙から赤い人形がムクムクと現れ、消しゴムで解答を消したり、鉛筆でいたずら書きをしたりする内容。最後に四体に増えた人形が「しののめ」という文字に変形し、受験する同級生への応援メッセージとした。
思わずくすっと笑ってしまう人形の愛らしい動きと作品の完成度の高さに、見守った生徒や教職員から驚きの声が上がった。
クレーアニメの制作は例えば答案用紙から現れ始める人形の頭、上半身、全身などと、一こま一こま粘土を作り直す手間と集中力が必要となる。
今回は一分ほどの作品だが、使った写真の枚数は百七十六枚、人形づくりと撮影には七時間かかった。パソコンによる編集作業は発表前日まで続いた。
「クレーアニメがこんなに大変だとは思わなかった。でも全力で作ったので満足」と森本さん。発表を無事に終え濱田さんとともに笑顔をみせた。
二人の発表を担当した荒邦悟教諭は「失敗しながらもチャレンジして仕上がりを追求していた。丹念に仕事をしたのはすごい」と努力をたたえた。 (寺本康弘)
創造の第一人者 語る イート金沢 セミナーにアニメ・押井監督ら

情報技術(IT)を生かして新しい芸術や文化、産業の創出と人材育成を目指すイベント「eAT09KANAZAWA(イート金沢)」は2日目の31日、金沢市大和町の市民芸術村でセミナーを開いた。広告・デザイン、テレビ・番組、アニメーション・エンターテインメントの3部門で、第一線で活躍するクリエーターたちが各業界の将来を熱く語り、こうした分野を志望する若者ら約300人を沸かせた。 (福田真悟)
広告・デザイン部門では、クリエーティブディレクターの宮田人司さんと永井一史さん、アートディレクター森本千絵さんの三人がそれぞれの成功例を紹介し、不況時にも必要とされる作品をつくるこつを語った。
森本さんは、音楽CDの売り上げが落ちる中で百万枚を超えるヒットを記録した人気バンド、ミスターチルドレンの最新アルバムのジャケットをデザイン。「今後はCDのジャケット自体を広告ととらえ、いかに手に取ってもらえるかを考えることが重要」とした。
最新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)」のソフトウエア開発などを手掛ける宮田さんは「デザイン、広告は世の中からなくならない。いいものを作る気持ちを忘れなければ大丈夫」と、クリエーターの卵たちを勇気づけた。
◇
テレビ・番組部門では同世代のテレビマン三人が登場。インターネットなどメディアが多様化する時代に、視聴者と広告主をひきつける作品にとって大事な要素を議論した。
テレビドラマ「踊る大捜査線」の映画版をプロデュースしたフジテレビ映画事業局長、亀山千広さんは「キーワードは『新しい』。テーマやシチュエーションは出尽くしているが、切り取り方次第で新しくなる」と主張。人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作などを手掛ける毎日放送東京支社の竹田青滋さんは「現在の空気感を共有できているかどうか」と述べた。
東北新社専務の中島信也さんは二人の意見に同調し、「まず、現代を意識することが大事。そうしないと新しいものも分からない」とまとめた。
◇
アニメーション部門では、海外でも評価の高い劇場版SFアニメ「攻殻機動隊」を手掛けた押井守監督らスタッフ三人が、制作中のエピソードなどを披露し会場を沸かせた。
今後のアニメーション業界について、押井監督は「どのメディアもそうだが、採算性を重視した結果、似た作品が多く、見る前に飽きてしまう時代。そこを何とかするのが僕らの課題」と語った。
“能登の旬”を 炭火で焼いて 穴水 『ジャンボかきまつり』開幕

穴水町川島の役場前広場で三十一日、焼きガキイベントが二月一日まで二日間の日程で始まった。初日は昨年を上回る約一万一千人が訪れた。町主催の誘客キャンペーン「かきまつり」の特別イベントで、「雪中ジャンボかきまつり」と銘打ち、一九八八年から毎年この時期に実施している。
会場には炭火焼き用のこんろが百五十メートルにわたり並べられ、開場の午前十時前から大勢の客が訪れた。来場者は殻付きのカキ十一個を千円で買い求め、その場でこんろで焼いて熱々の“能登の旬”を味わっていた。
五年連続で訪れたという金沢市太陽が丘、会社員帰山督史さん(36)は「水揚げされた地元で、こうやって炭火で焼いて食べるのがおいしい」と話し、家族五人でぷりっとした身をほお張っていた。
町は殻付きガキを六万個用意し、二日間で二万人の来場を見込んでいる。 (島崎勝弘)
竹灯籠に「梅鉢紋」 金沢の「歴史都市」認定記念 森と生きる会企画

「梅鉢紋」をデザインした竹灯籠=金沢市南四十万1丁目
金沢市四十万地区の有志でつくる「森と生きる会」が三十一日、兼六園のライトアップ
に合わせ、竹の灯籠(とうろう)を完成させた。今年は金沢が国の「歴史都市」に認定さ
れたことを記念し、加賀藩前田家の「梅鉢紋」をデザイン。加賀百万石を象徴する御紋で
四十万地区に広がるモウソウチクの再利用や里山づくりなどに取り組む同会は、昨年も
兼六園のライトアップに合わせて灯籠を製作し、園内三カ所に設置した。
今年の灯籠は会員の竹林から伐採した直径約十五センチのモウソウチクを使い、大小二
種類を仕上げた。いずれも正面に「梅鉢紋」をくりぬき、高さ一・五メートルの六基は蓮
池門に、高さ〇・六五メートルの十基は霞ケ池周辺にそれぞれ並べられる。
大きい灯籠には白熱灯、小さい灯籠には点滅する発光ダイオード(LED)を入れ、揺
らめく炎を演出し、雪づりが施された名園を柔らかな明かりで優しく包み込む。
小さな灯籠は持ち運びにも便利なことから同会は県外で「金沢」を発信するには最適と
考えており、北野直治会長は「多くのイベントなどで設置できたらうれしい」と話した。
兼六園のライトアップは六日から十五日の午後五時半から同九時まで。
幕末藩士の暮らし伝え 加賀藩御算用者の文書など427点 子孫が県立図書館寄贈

古澤友三郎等清の子孫の家から見つかった文書や書籍=金沢市の県立図書館
幕末に加賀藩の御算用者(経理係)を務めた古澤友三郎(ともさぶろう)等清(ともき
よ)(一八三三−一八九五)と次男貞吉(一八七〇―一九三六)が残した文書や書籍など
計四百二十七点が三十一日までに、金沢市内の子孫の家から見つかった。米や銀の換算表
、参勤交代で支払った旅籠(はたご)代の領収書、辞令なども含まれ、幕末から明治の動
乱期を生きた勤勉な藩士の暮らしぶりを伝えている。
由緒書によると、古澤友三郎等清は藩の会計をつかさどる「御算用場」で勤務。明治時
代になり、金沢区役所の租税科や金沢逓信管理局会計課などに勤めていた。
資料には、「銀置立(おきたて)」や「米置立」と題した冊子が数冊含まれ、銀の相場
や石高などについて記されており、会計の仕事に使用していたとみられる。
このほか、一八五九(安政六)年、六〇年の参勤交代で、旅籠代を支払った際の「道中
旅籠代銀請取状」と記された領収書や、茶の種類を記録した「お茶目録」などの覚え書き
、自身が受けた辞令なども残されており、友三郎等清の几帳面(きちょうめん)な人柄を
しのばせる。
また、当時の一般家庭では入手が難しかったとみられる一八六四年刊行の米国製「ウェ
ブスター英語辞典」も見つかった。貞吉が使っていたとみられ、資料を整理した県立図書
館職員は「動乱期を乗り切るため、子どもには高い教養を身に付けさせたいと願った教育
熱心な親心がうかがえる」と分析している。
資料は、友三郎等清の孫で、二〇〇七(平成十九)年に九十一歳で亡くなった古澤他喜
雄さん=同市寺町二丁目=が保管していた。遺品を整理した次女浅尾恭子さん(61)=
同市白菊町=の夫阿佐之さん(61)が、知人の児童文学者勝尾金弥さん=同市笠舞一丁
目=を通して県立図書館に整理・調査を依頼していた。資料は近く同図書館に寄贈される
。
県立図書館の村井加代子館長は「一人の実務者の資料がまとまって保管されているのは
貴重。寄贈を受けたら、希望者に閲覧してもらい、調査研究に役立ててほしい」と話して
いる。
「能登にトキ戻る」 金大未来開拓研究公開シンポ 身近な環境や海洋汚染解説

金大理工研究域が進める研究を紹介したシンポジウム=県立音楽堂邦楽ホール
金大の第一回未来開拓研究公開シンポジウムは三十一日、理工研究域の「地球温暖化問
題を含めた俯瞰(ふかん)的な環境問題へのアプローチ」が県立音楽堂邦楽ホールで開か
れた。能登や日本海など身近な環境を舞台にした調査から地球深部の謎に迫る大規模な取
り組みまで、世界的な関心を呼んでいる研究の成果と今後の展望を紹介した。
トキを象徴に里山再生と環境に優しい農業を研究する中村浩二教授は「農薬使用量が減
っているなど今の方が良い面もある」と能登にトキが再び生息する可能性が高いことを説
明。大学などは地域の立場から石川オリジナルの里山里海戦略を発信すべきと述べた。
岩坂泰信特任教授は能登スーパーサイト設置の意義や観測気球打ち上げなどの活動を説
明した。黄砂に微生物が付着しているとの調査結果から「微生物が大気圏を数千キロも移
動している可能性が出てきた」と、大陸からの西風がもたらす影響の一端を語った。
金大グループが主導する日本の海洋底掘削計画について、荒井章司教授は「地球内部の
実体が分かれば本当の地球環境が理解できる」と解説。地球を果実の桃に例え「人間はま
だ果肉の表面にも達したことがない」と強調し、若者に金大での研究参加を呼び掛けた。
川西琢也准教授は日本海の海洋汚染調査について、発がん性などのある汚染物質濃度は
他地域と変わらないが、ロシアや北朝鮮などの影響が考えられるとして国際連携の中での
調査が必要と話した。
冒頭、国連大名誉副学長で東大名誉教授の安井至氏が基調講演した。国連大高等研究所
いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットのあん・まくどなるど所長も持続可能な
食料生産について述べた。
シンポジウムの最後を飾る人間社会研究域の「交響する文化学 異文化接触と新文化創
出のために」は七日午後一時から、北國新聞赤羽(あかばね)ホールで開かれる。入場無
料。
空き部屋急増、大家悲鳴 小松など、派遣切りで住人退居 不動産業者「体力勝負に」

製造業を中心とする派遣社員らの雇用打ち切りで、人材派遣会社が社員寮として確保し
ていた賃貸アパートの解約が小松市内などで相次ぎ、大家や仲介の不動産業者が悲鳴を上
げている。住人の退居で家賃や管理手数料が入らなくなり、中には一カ月で約二十万円の
収入が消えた業者も。失業者を対象に家賃を割り引く業者も現れ、関係者からは体力勝負
になるとの悲痛な声も出ている。
「企業城下町」の小松市内の不動産業者は派遣会社二社に貸していた計九室が昨年十一
月以降、すべて解約された。退居者は日系ブラジル人が少なくなかったという。四階建て
アパートを所有する別の業者は、派遣社員らを中心に入居していた十七室のうち八室が空
き部屋となり、「一カ月で二十万円近い減収」と肩を落とす。
派遣社員が入居していた部屋の賃貸契約解約は、能美、加賀市などでもあり、製造業の
多い南加賀に景気悪化の影響が色濃く出ている。
加賀市内の不動産業者は「派遣会社が借り上げるのは、借り手のつきにくい築二十年程
度の物件が多い。大家からは早く部屋を埋めてほしいと催促されるが、この不況下で新規
契約者を探すのはなおさら難しい」と苦い表情で語る。
厳しい状況の中、小松市本折町のアパ賃貸館は昨年十二月下旬、失業者を対象に、派遣
会社と結んでいた賃貸契約を個人契約に切り替え、三カ月間、家賃の二割を差し引くサー
ビスを始めた。適用はまだ一件にとどまっているが、担当者は「収入は多少減っても、空
き部屋となってゼロになるよりはましだ」と話している。




