神社に飾られている動物たち

kanazu362013-06-07

神社本庁とは、神宮(伊勢神宮)を本宗と仰ぎ、日本全国
約8万社の神社を包括する宗教法人で昭和21年に設立
されたが、靖国神社明治神宮神社本庁に属していない。
神社本庁(東京都渋谷)によると、2011年末現在で神職
2万1793人(女性は3082人)。
神社には神使(しんし)と呼ばれる動物がいる。
「神のつかわしめ」と呼ばれ、神の眷属(けんぞく)、御先神とも考えられ、神に先駆けて出現し、あるいは神の意志を知る兆しとされる。
神社境内に鶏やがま蛙やサルや蛇などの動物が飾られている神社があると知り見てきた。
・神社と神使
 ・春日大社鹿島神宮厳島神社:鹿 ・日吉大社:猿 ・八幡神:鳩
 ・伊勢神宮:鶏 ・稲荷神:狐 ・諏訪神社:白蛇
 などなど。
・鳥之子神社の鶏(新潟市西蒲区越前浜)
 新潟市西蒲区越前浜の神明社は「鳥之子神社」と呼ばれている。
 越前浜の集落は越前国から移住した人(姉川の合戦で敗れた朝倉義景の残党ともいう)によって開かれたと伝えられている。
 移住のさい、荒天のため船が難破したが、岸から聞こえる鶏の声のおかげでこの浜辺にたどり着くことができた。
 以来、この地区では鶏をことのほか大切にしてきたという。
 鶏肉や卵を口にしない習慣も続いている。
 境内には「鳥」にかかわる奉納物が多く、拝殿前や境内には鳥にちなんだものが多く奉納され、賽銭箱と石灯籠にはオンドリとメンドリの彫刻が掘られている。
・蛇を祀る蛇松明神社(新潟市中央区白山神社境内)
 新潟市白山神社本殿裏に「蛇松明神社」が祀られている。
 白山の蛇松にはおもしろい伝説が伝わっている。
 信濃川の洪水のため白山一帯が大洪水に見舞われ、人々は自分の命を守るのもやっとというときに、信濃川の川中に一条の光り輝くものをみつけました。
 これはただごとではない。
 なにか神様のお告げではなかろうかと思い、当時の神主小林能登守直養が一心不乱に船をこぎ近づいてみると一匹の白い蛇が水におぼれて息もたえだえ、これは可哀想にとひろいあげ、神社の一本の松の梢に助けてあげました。
 すると、白い蛇は美しい姫へと変わり、「この御恩は決して忘れません。この神社の守り神となり末永くこの地の繁栄と難病苦難の人々を守るために祈ります」と言って、この世では到底見ることのできない美しい姫は美しい声を残し、姿を消してしまいました。
 その時、見る見るうちに老松の幹の皮は蛇のウロコのように変わり、今までやむことを忘れたかのように降り続いた雨は、大空の真ん中より一条の光が差したかと思うと、大空は一面に蛇のウロコの如く、雲は切れ始めたのであります。 
 そして雨はやみ、水は引き出したと言い伝えられております。
 この霊験あらたかなる松は、その日から蛇松明神さま、蛇松さまといわれ、毎日毎日お参りに訪れる人が絶えなかったそうであります。
 やがて、おまいりに訪れる人々の間で蛇松さまの皮を煎じて飲めば万病たちどころに全快するという噂が広まり、毎日のように人が押し寄せ松の皮がむしり取られていきました。
 蛇松明神社の社の裏には、白蛇など4匹の蛇の置物と数本ある松の木の1本にしめ縄が飾られている。
・城内稲荷神社のガマ蛙のさいせん入(長岡市
 長岡市二の丸跡に城内稲荷神社が祀られている。
 境内に愛敬のある大きな「がま蛙の賽銭入」が置かれている。
 がま蛙の賽銭入は、城内稲荷神社と、明治から大正にかけて国内二大石油会社の一つだった宝田石油の稲荷神社とを合祀する際に、地元の鋳物業「根岸鋳造所」が奉納した。
 作成者は、根岸鋳造所の所長鰐淵長次郎。
 高さ約45センチ・長さは約70センチの鉄製で、さび止めのため表面は漆で焼き付けれれている。
 がま蛙の賽銭入は第2次大戦時の供出をまぬがれて今に伝わる貴重な工芸鋳物である。
日吉神社のサルの狛犬三条市
 狛犬といえば、神社は犬で稲荷社はキツネ。
 三条市の「日吉神社・稲荷神社」の狛犬は、サルとキツネ。
 日吉神社・稲荷神社の境内に入ると右側に「キツネ」が左側に「サル」の狛犬の姿が見られる
 狛犬の台座には「安政4年4月吉日」の文字が刻まれている。
 古老の氏子の話では「もともとサルとキツネの一対だったのか、それともサル同士、キツネ同士だったのかはわからない。日吉神社のサルは悪を払うため、稲荷神社のキツネは商売繁盛のためにまつられている」と。
・伊夜日子神社の鳩(新潟市江南区
 中蒲原郡袋津村一番の旧家とされる幾野家のオバサが、毎月弥彦神社を参拝していた。
 遠いとこれからやってくるオバサを気の毒に思った神社が、自分の屋敷に祀るようにとお札を渡した。
 喜んだオバサがお堂を建てた。
 これが伊夜日子神社の始まりだという物語がまちに伝わる。
 神社の屋根瓦に4羽の鳩の置物が飾られている。
 八幡様の神使は鳩だというが、この伊夜日子神社は鳩と何か関係があるのだろうか。
神社めぐりで神使を知り、神使の動物たちと出会えるのも楽しい。
この神社の神使は (イラストを模写)