無機質

東京の無機質さ、特に都心、大手町や紀尾井町界隈、あの人間味の無さが好きだ。緑も無く、ただただ、ある一定の目的のために存在する空間。あのストイックさが、私の心ひきつけた。あの都心のビジネス街の夜、人気の無い街をトコトコ歩いてコンビニへウィスキーを買いに行く。心地よかった。多分、これは生まれのせいなのだろう。緑も自然も何もないところで育つと、それが普通となり、気持ちよくなる。
あの街で働きたいと願い続けた就職活動から1年。なんの因果か、まだ札幌に住んでいる。高校時代から、あんなにも出たい出たいと思い続けた、この土地。人生、あまり上手くいかないものです。

【上林ケンジ】