ドラゴン・タトゥーの女
- 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ美穂,岩澤雅利
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/12/11
- メディア: ペーパーバック
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出産前で気軽に映画館に行けなかったことを、今ひたすら後悔しています。この超絶かっこいいOPはスクリーンで観たかった!!
ルーニー・マーラ扮するリスベットの造形が面白そうだったという理由で見始めたら、すべてがドツボに来てしまい、しばらく狂ったように観ていました。グロあり映画なので、授乳中や赤子が寝たわずかなスキをついてでした。さすがにエンヤのシーンとか無邪気な子供の前で観れないですよわたしゃ!
ダニエル・クレイグ演じる敏腕ジャーナリスト、『無軌道下半身』ことミカエル・ブルムクヴィストは、汚職告発記事を書いたカドで告発され敗訴。恋人と立ち上げた雑誌も廃刊の危機にさらされションボリしていたところに、大富豪から40年前に起きたある少女の失踪事件解決を依頼される。経ち過ぎた時間、広がる容疑者の範囲に調査は難航。そんな中、調査会社から派遣されたリスベットが加わり、過去の秘密が解かれることとなる・・・
以下、ネタバレありなので閉じます。
ハリウッド版『犬神家の一族』とはよく言ったもんで、同一敷地内に親族が住んでる、とか、外界から隔絶された島、見つからない死体とか、古典ミステリが好きな人が、なぞらえ殺人が嫌いな訳がないんだな・・・!!
でも、ミステリ自体はおまけですおまけ!多分、フィンチャーもそう思ってる!!!
フィンチャーが描きたかったのは、「リスベット超かわいい!!」、それ。
仕事がバリバリできる切れ者だけど、「女の子大好き芸人」にエントリー間違い無しな貞操観念のゆるいミカエル。そりゃね、ダニエル・クレイグっつったらキング・オブ・タラシのジェームズ・ボンドですよ!タフでクールで隙の無い感じのボンドに比べて、ミカエルはところどころ抜けているし、スタイリッシュさは無い。でも、中年の哀愁みたいなものを漂わせつつも、真実を追求するひたむきな情熱と「隠しきれないセクシー」みたいのがムンムンに溢れてて、原作のミカエルよりも遥かにいい男になっていました。それがいいんだけど!
そして完全に主役を食ってるリスベット・サランデル。
その出自ゆえ、理不尽に不自由を強いられているリスベット。奇抜なスタイル、少女と見まがう貧相な体型、コミュ障、誤解されまくる理由は山ほどあれど、世間と迎合することなど鼻から考えもしていない。不器用にしか生きられないけど、自分に向かって来る敵は完膚なきまでに叩き伏せるその行動力と信念と、圧倒的な才能。直感映像記憶者で、ボクシングやってて強くて、世界中のネットワークで遊ぶ天才ハッカー、とか!!燃えるに決まってる!なにそのチート能力!こんな奇抜なヒロインはまずいない。
性に奔放で、容易に関係は結べるけど恋をしたことがないリスベット。そんな彼女が事件を通じて、スケコマシだけど尊敬・信頼できるパートナーに、いじましく恋をする。猟銃で射たれ怪我をしたミカエルを治療した後、ロマンもなんもなくストレートに誘う(というか押し倒す)リスベット。好意を示す術を知らない彼女の不器用な愛情表現ですが、ミカエルにしてみればとりあえず誘われたからした「ライトなスポーツ感覚!」みたいに受け止めてて、リスベットの気持ちになんかてんで気づかない鈍感ぶりはラストまで続きます。
ベッドの上でPCをいじりながら、無表情に「もっと触って」と言う何気ないシーン。懐かない猫が、気まぐれに体を寄せてくるような身悶えする感覚にとらわれること間違い無しで、切ないラストの次に好きな場面です。ミカエルのアホ!!おばか!
映画ありきで原作を読んだのですが、最後まで楽しめるエンターテイメントでした。
- 作者: アストリッド・リンドグレーン,エーヴァ・ラウレル,Astrid Lindgren,尾崎義
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/02/16
- メディア: 単行本
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- 作者: アストリッド・リンドグレーン,桜井誠,大塚勇三
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/06/16
- メディア: 単行本
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舞台となるスウェーデンの英雄、カッレくんとピッピ。この二人とこんな形で再開できるなんて夢にも思わず。
またマーラのリスベットに会えるのを楽しみにしています。