ベタオリの手順

ベタオリにおいて、一番重要なことは捨て牌の選択である。
ベタオリするのに適した牌は、下記3種類である。

  1. 対象者の現物
  2. 直前に他家が捨てた牌
  3. 共通安全牌

どれも対象者に対して確実に通る、という意味では同価値である。
しかし、他家からも攻めの手があがった時、この3種類には明白な違いが生じる。
この違いを理解して捨て牌を選択するだけで、確実に放銃率は低下するはずだ。

対象者の現物

先行立直、仕掛けをしている家の河にある牌。その家限定の安全牌といえる。
対象者に対しては安全牌だが、他家には無筋も同然。
他に聴牌者がいないか、注意する必要がある。

直前に他家が捨てた牌

他家が捨ててから手変わりが無い間のみ、という期間限定の安全牌。
特に上家が直前に捨てた牌は、その時に限り『共通安全牌』となる。
この時に同じ牌を捨てることを『合わせ打ち』と言う。
この機を逃すと、他家の手変わりがあった場合はたちまち危険牌となってしまう。
ベタオリ時には『合わせ打ち』の機会を見逃してはならない。

共通安全牌

全家共通の現物、構造的に和了できない牌(国士がない4枚目の字牌・壁の外筋の4枚目など)がこれにあたる。
この牌はいつ如何なる時切っても放銃しない。まさにベタオリの切札とも言うべき牌である。
従って、他2種類で確実に凌げる場面では温存するべき牌。
しかし、他2種類に少しでも不安がある場合は決して出し惜しんではならない。
共通安全牌』は捨ててこそ価値があるものだ。これを抱えて放銃することは、『守り』のカテゴリー中最もやってはならない愚行である。

3種類の使い分け

ベタオリは、上記3種類のみでオリきるのが理想である。
とは言っても、ただ単に3種類を切れば良いと言う訳ではない。そこには明確な優先順位が存在する。


まずは立直の一発目。この時切るのは『共通安全牌』が望ましい。他家のダマテンに刺さらないためだ。
一巡回った後、他家にベタ押し・仕掛け・追っかけ立直などの不穏な気配が無ければ、ここから『対象者の現物』を切り出すのだ。
この間、他家が現物以外の牌を切ってきたら迷わず『合わせ打ち』だ。

『対象者の現物』が安全牌でなくなる時

対象者の現物』は全家共通の安全牌ではない。
他家が先行立直・仕掛けに対して勝負してきたとしよう。
この瞬間、今まで安全であった『対象者の現物』は、危険牌にリストアップされたのである。
ならばここからは、温存してあった『共通安全牌』、または『合わせ打ち』に切り替えるのが正しいベタオリなのである。


無論、ただ単に突っ張っただけで聴牌していない、という場合もあるだろう。
この場合は『対象者の現物』はまだ安全牌だ。
ここは対戦者の腕前から判断するしかないが、『共通安全牌』を残して放銃するようなことだけはないように。


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