押し引き 応用編
前回述べた通り、押し引きの基本は
- 他家が取った「攻め」のアクションに対して「押し返すか」「引くか」を判断する
である。
これは、リーチや仕掛けといった、他家からの明確なアクションをその起点としている。
しかし、自身の手牌を検討し、
という予測が立てば、その時点で引く準備に取り掛かるべきである。
何故ならば、この予測が成り立つ手牌というのは、いざ実際に攻められた時、
という「引き」の判断に置き換えることが出来るからだ。
ここで難しいのは、「何巡までに」「どの程度の予測打点で」「何シャンテンならば」引く準備に取り掛かるか、である。
実の所、これには明確な基準というものは存在しない。
これは基本編で述べた「判断基準」も同様である。
押し引きに絶対は無い
何故かと言うと、麻雀というゲームは相手の手牌・次のツモが見えないからだ。
基本編の場合、どんなにこちらの手牌が安くて遠くても、結果として押すことが最善手な場合もある。
応用編の場合、自身の手牌が和了まで遠いと思っても、実は他家に比べれば一番早いという事もある。
本来、この手の判断は自身を含めた4人全員の相対的な速さ・打点で行うべき事柄だ。
しかしながら、麻雀では他家の手牌が見えないため、自ずと自身の手牌のみでこの判断を行わざるを得ない。
ここが、押し引きに絶対の基準、絶対というものが存在しない所以である。
身の内に基準を作る
だからといって、まったく指標が無いかと言えばそうではない。
例えば下記手牌。
ドラ
これが西家10巡目だとしよう。
カンチャンペンチャンだらけの4シャンテン、手役ドラ無し。
和了目は無いに等しいし、万が一和了してもただのノミ手だ。
10巡目でもこれなのだから、5巡目の牌形など高が知れている。
この時点でも遅すぎる位で、早々に引くべき典型的な例だろう。
このように、絶対的な基準こそないが、大まかな基準は存在する。
ここからどの程度押すか、はたまた引くか。
これがストレートに「打ちスジ」や「雀風」となって現れる訳だ。
従って、押し引きは個人の裁量次第、十人十色となる。
しかし、絶対の基準無くとも、自身の中では明確な基準を持つことが勝ち組への道であることは明記しておきたい。