Miles Davis / Ascenseur Pour L'Échafaud

死刑台のエレベーター

死刑台のエレベーター

  • 1957年12月4〜5日録音。
  • Miles Davis (tp), Barney Wilen (ts), René Urtreger (p), Pierre Michelot (b), Kenny Clarke (ds)

 フランスの映画監督ルイ・マルの映画『死刑台のエレベーター』(1958年公開)のサウンドトラック盤。Fontana というマイナー・レーベルから発売された。公演のためパリを訪れていたマイルスが、現地のミュージシャンとともに録音した作品である。バンドは、映画の未編集フィルムを流しながら、ほぼ即興で演奏を行ったといわれている。
 オリジナル LP は全10曲入り27分。CD 化の際に、リヴァーブのかけられていないヴァージョン、別テイクなど16曲が追加され、全26曲74分の「完全版」として再発売されている。*1
 曲はいくつかのパターンの組み合わせになっていて、即興演奏ながらきわめて高い完成度と緊張感を保っている。マイルスのトランペットは完璧だし、パリに移住していたケニー・クラークのブラシも最高だと思う。
 リヴァーブなどのエフェクトもかっこよく仕上がっていて、この音楽がなければ映画は失敗に終わっただろう。(サスペンス映画なのに、ストーリーはそれほど面白くないのだ。)
 CD のジャケットは数種類存在するようだが、中身は同じはずである。あとから追加された16曲は同じパターンの繰り返しなので、鑑賞するときは飛ばしても差し支えない。

*1:オリジナル LP に収録されていた10曲は (17)〜(26)。(1)〜(16) が追加曲。