Miles Davis / Porgy And Bess

Porgy & Bess

Porgy & Bess

  • 1958年7月22日、7月29日、8月4日、8月18日録音。
  • Miles Davis (tp, flh), Ernie Royal, Bernie Glow, Johnny Coles, Louis Mucci (tp), Dick Hixon, Frank Rehak, Jimmy Cleveland, Joe Bennett (tb), Willie Ruff, Julius Watkins, Gunther Schuller (hr), Bill Barber (tuba), Phil Bodner, Jerome Richardson, Romeo Penque (fl, a-fl, cl), Cannonball Adderley (as), Danny Bank (a-fl, b-fl, b-cl),

Paul Chambers (b), Jimmy Cobb, Philly Joe Jones (ds), Gil Evans (arr., cond.)

 マイルス・デイヴィスギル・エヴァンスのコラボレーション第2作。ジョージ・ガーシュウィン(1898〜1937)作曲のオペラ『ポーギー&ベス』(1935年初演)をモダン・ジャズにアレンジしたインストゥルメンタル作品である。
 原曲はオペラといっても、元々クラシックとジャズを融合させた作品であるため、本アルバムは必ずしもジャズ色が強くなっているわけではなく、1930年代の曲を50年代風にアレンジした演奏と考えたほうが良いだろう。
 全13曲入り(現行の CD は別テイクが2曲追加されている)。4日間のセッションで録音されていて、最初の7月22日に録音された (3), (4), (9), (15) はフィリー・ジョー・ジョーンズがドラムを叩いている。(他の曲のドラムは当時セクステットのメンバーだったジミー・コブ。)
 すでに本アルバム自体がモダン・ジャズ・クラシックという位置を占めているため、今さら文句をいっても始まらないのだが、このビッグ・バンドのトランペット(マイルス以外)の編曲は悪趣味すぎて不快になる。特に (1) の冒頭10秒くらい、うるさくてかなわないので、聴かないようにしているくらいだ。(ただ、これが良いという人もいる。わからなくはないのだが。)
 フィリー・ジョーのドラム・ソロがかっこいい (3)、マイルスのミュートが美しい (5) など、聴きどころも多いが、"Miles Ahead" のように何度も繰り返し聴きたくなるほどではない。思い出した頃に聴きかえすような感じのアルバムである。