Thelonious Monk / The Last Concerts

Last Concerts

Last Concerts

  • CD1-(1)〜(6) …… Thelonious Monk (p), Paul Jeffrey (ts), Larry Ridley (b), T. S. Monk (ds) (1975年7月3日録音。)
  • CD1-(7)〜(9), CD2-(1)〜(7) …… Thelonious Monk (p), Paul Jeffrey (ts), Dave Holland (b), T. S. Monk (ds) (1972年6月15日録音。)
  • CD2-(8)〜(10) …… Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Larry Gales (b), Ben Riley (ds) (1966年3月23日録音。)

 セロニアス・モンク最晩年の演奏を集めた2枚組ブートレッグ(2009年発売)。音質は B〜C ランク。
 1975年7月録音は、Newport Jazz Festival in New York というイベントに出演したときの演奏。ピアノの音が小さめでよくわからないのだけれど、モンクの体調は相当悪かったらしい。愛称 Tootie こと T. S. Monk はセロニアスの息子で、やたらと元気よくドラムを叩きまくっている。
 1972年6月録音は、ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏。有名なジャズ・クラブなのに、モンクがこの場所で演奏している録音はほかに聴いたことがない。音質は良くないのだが、バランスは決して悪くはないし、演奏は最高レベルだと思う。デイヴ・ホランドのベース、トゥーティーのドラムが丁々発止とやり合うさまは、胸が熱くなる。モンクも、半年前のロンドン・セッションのときとはうって変わって、ノリノリである
 1966年3月録音は、アミアン(フランス)における演奏。音質は最悪。CD の空いた時間を埋め合わせただけのシロモノである。
 『セロニアス・モンクのいた風景』(村上春樹編・訳、新潮社)に、「ブラインドフォールド・テスト」というダウンビート誌に掲載された記事が収録されている。モンクとインタビュアーの奇怪なやりとりが楽しめる楽しい文章だが、2009年盤 "The Last Concerts" CD 付属のブックレットには、この記事の原語版が掲載されている。

セロニアス・モンクのいた風景

セロニアス・モンクのいた風景