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2018-08-30

[]ファニーとアレクサンデル(イングマール・ベルイマン)

傑作だった。途中睡眠不足だったり、映画館の中が寒かったりしたため、ぼーっとしたところがあるけれど、夢中になった311分。

最初、家族の問題が次々と描かれる。そして、焦点は一つの夫婦に絞られ、そして夫が死に、妻エミリーのその後へと絞られていく。閉じ込められていると言っても良い状況の中、夢なのか現実なのか判断しにくいシーンが折り重なる。

エミリーの問題がひとまず解決しても、まだまだ家族の問題は解決していないものが多い。その中で、エミリーが最後に見せる笑顔は、ほんの一瞬ではあっても幸福感を与えてくれるものだった。

横浜シネマリンにて

2018-08-29

[]幸福(アニエス・ヴァルダ)

男が無邪気に二人の女を愛してるのが怖いし、映画の終わりにかけて、妻の死があり、新しい妻を迎え、子供との関係とか、色んな葛藤があって良さそうなのに、まるでそんなものは存在しないように不幸の後に幸せそうなシーンを連続させてるのが怖い。すさまじい映画だった。

シネマヴェーラ渋谷にて

2018-08-28

[]網走番外地 望郷編(石井輝男)

嵐寛寿郎の「男が怒るのは一生に一度だ」というセリフは、かっこいい。

たとえ子供との約束であっても、必死に守ろうとする高倉健の姿にも惚れる。

Amazon Prime Video

2018-08-26

[]網走番外地(石井輝男)

高倉健の役どころが、正義感が強そうだけど、悲運が重なって刑務所に入れられている風。悪いことはしたくないはずなのに、結果的に悪い奴になってしまっている。

刑務所の中の上下関係が、たかだか数センチしか残っていないタバコでも厳しくて、みみっちいなと思いつつ、厳格であり、そしてその中で生活している高倉健は、彼らとそうは違わない犯罪者なんだろうと思う。気持ちのレベルであっても、高倉健は母親を大切にするし、他の犯罪者も母親を思う気持ちが窺われるシーンがあり、結局同じだ。ただ、格が違う気がする。

大雪原でのトロッコのチェイスシーンは盛り上がる。

Amazon Prime

2018-08-21

[]寝ても覚めても(濱口竜介)

唐田えりかと東出昌大が向かい合うシーンが、出会いだったり、再会だったりのシーンである。それが、なんとも言えないロマンティックなところがあったりする。特に最初の麦との出会いのシーンは最高だ。スローモーションで爆竹の煙が、唐田えりかの前を横切る、ゆっくりと。

東出昌大の得体の知らなさ、唐田えりかの美しさとどこか抜けた感じのするところ、渡辺大知の目の演技、伊藤沙莉の声のアクセントなど、役者それぞれがとても良かった。

そして、この映画の一番は、混乱の淵に突き落とされるところだ。麦が突然現れる。夢だったんじゃないかなと思うけど、夢ではないようだ。何だろうか、この、夢のような感覚は。夢から覚めて突然意味もなく無性に不安になる感覚。それがそのまま映画を通して感じられる。

この映画は、感情を共有できる映画だと思う。牛腸茂雄の写真展から始まり、大地震が起き、主役二人に感情移入はできなかったりするけど、すぐ近くにいたかもしれない、という存在を感じられる。そして、ぼくの中の当時とシンクロする。あの時のぼくの感情が蘇ってくるのだ。とても良い映画だった。すごい映画だった。

テアトル新宿にて

2018-08-19

[]新しい遺言(サッシャ・ギトリ)

語り口はとても軽やか。笑えるシーンは多い。相変わらず、セリフの映画って言っていいのかなと思う。その軽やかさの中に、見終わった後、重さを感じてしまう。映画の中での最後の言葉は、こんな意味のことを言っていたと思う。隠さなくて良くなった秘めごとは、色褪せていく。違うセリフだったと思うけど、浮気は浮気だから楽しいのであって、そうでなくなってしまったものは、つまらないものになり、終わってしまうものなのだろう。

シネマヴェーラ渋谷にて

[]ブルース・ブラザーズ(ジョン・ランディス)

映画の中で触れられていて気付いたのは、この兄弟は映画の中で、昔から変わらず黒服で、時代遅れの存在として扱われてるのかな、と。

時代に左右されず、それを超えた格好良さがあるな。

何回も兄弟は、女に殺されそうになるんだけど、平然として殺されないのは、すごい演出だと思った。

Amazon Prime Video

2018-08-18

[]つかのまの愛人(フィリップ・ガレル)

人の恋愛は時に滑稽でしかないものに見えるのかな、と。映画館の中の反応を見て思った。楽しい映画だった。

今時タバコに火をつけるのにマッチなのかと思うシーンがあったけど、マッチを持っていた彼女は、この映画ではクラシックなキャラクターだったみたいで、上映後のトークでも、ルージュの伝言(口紅で鏡にメッセージを残す)を指摘していて、古さについての話があった。

あと、すごくルイ・ガレルに似てる女優だなと、主演の女優を見ていたけど、エステール・ガレルという女優で、妹だった。

シネマヴェーラ渋谷にて

2018-08-17

[]刑事ラヴァルダン(クロード・シャブロル)

軽い始まりで殺人事件起きてるのに軽くて。。ラヴァルダンも最後になるにつれて悪さを発揮してるような気がして、、最後ぼくの頭のなかでは整理つかなくなってしまった。クラブのオーナーは確かに麻薬に手を染めていただろうけど、映画の中で始終追っていた犯人は結局許すことになったのか・・?

それにしても、映画の中で何かの鍵を見つけるシーンがあり、それはそれで良いのだけど、鍵がどこの何を空けるものなのか、息を吸うようにわかってるラヴァルダンが凄すぎた。

新文芸坐にて

2018-08-12

[]激怒(フリッツ・ラング)

展開が、かなり無理矢理な部分があるように思うけど(特に集団リンチ後)、最初の数シーンの幸せな、ちょっとした出来事が、この映画は傑作なんだろうなと思えるようなシーンであったし、終盤の伏線にもなっていた。主人公の怒りは映画の中では消えることはないけど、未来を選択し、生きて行くことを決める終わりは、力強い。

シネマヴェーラ渋谷にて

2018-08-10

[]暗黒街の弾痕(フリッツ・ラング)

ボニー&クライド的な物語。犯罪者だったということで、世間から虐げられてしまう男と熱狂的に惚れ込んだ女の話。

ただ、男は結局のところ出所してから犯罪を犯しているわけではなく、あと少し怒りの気持ちを抑えられたらとか、あと少し何かタイミングが違っていたらとか、フリッツ・ラングの他の映画にも共通して抱いてしまう思いが、この映画でも沸き起こる。傑作。

シネマヴェーラ渋谷にて

[]ハウス・バイ・ザ・リバー(フリッツ・ラング)

主人公の一人の男が、最初から変態っぽい目つきで女を見ていて、やばい映画だなと思ったけど、映画は徐々にもっとやばい方向に走り始める。人を殺しておいてちょっと幻を見つつするけど、割と平気に過ごし続ける作家の男。そして、罪を着せられる作家の弟には、明日がないまま終わるのかと思ったけど、ラングの映画としては珍しいような気もする、明日を感じさせる終わり方だった。

シネマヴェーラ渋谷にて

[]ベティ(クロード・シャブロル)

ベティのお酒の飲みっぷりが凄かった。でもあれは、抑圧されたことによる爆発なんだな、と。人にはいろんな生き方があって、ベティの生き方も、人間の性なのかな、と思った。それにしても、男を虜にするのが、ほんの一瞬。すごい。

新文芸坐にて

2018-08-05

[]RAW 少女のめざめ(ジュリア・デュクルノー)

ベジタリアンだった少女が肉を食べることで蘇る本能。本能的な部分だから、どっちかというと吸血鬼とか、そういう方に近いのかなという気がする。

映画の終わりのその後としては、少女は自分の本能への解決策を見つけていかないといけないはずだけど、彼女の母親は、一体どうしているんだろうと、不思議でならない。同じ血が流れているのだから・・。

過激で、面白い映画だった。

早稲田松竹にて

[]心と体と(イルディコー・エニェディ)

主人公の女性は、記憶力がすごく、一方で子供向けのカウンセラーと話しているシーンから、精神的な幼さがあって、周りと打ち解けにくく、一方で素直さがある。かなり複雑な個性の女性のように思える。そういう女性の恋の話。夢で鹿として出会った男女が、同じ夢を見ていたことを知り、急接近する。女性の方は、体と心のバランスが取れていないのかも。体は大人である一方で、心は子供で。そして、男の方は片腕が不自由な一方、心は大体は落ち着いているように見えるし、その落ち着きや冷静な判断によって、映画の中で起きる事件に対してもうまく対処できている。女性にとって足りない部分が、男によって補われているような、そんな気がする。

女性の純真さからだったと思うけど、クスッと笑えるシーンがある一方、痛みのあるシーンもあり、良い映画だった。

早稲田松竹にて