感じない男ブログ このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-07-31

[]筑摩書房より批評系シリーズ「双書zero」創刊

筑摩書房から、若手・中堅の書き手による批評系単行本シリーズ、「双書zero」が創刊されます。第一弾は9月26日で、

 阿部真大『ハタチの原点―仕事、恋愛、家族のこれから』

 澁谷知美『平成オトコ塾―悩める男子のための全6章』

 中島岳志『朝日平吾の鬱屈』

の3冊が発売されます。まだ筑摩書房のサイトにも予告は出てないみたいだけど、担当の方が公表してもよいとおっしゃったので、とりあえず情報提供。手元にシリーズのパンフがありますが、宮台真司鷲田清一らの推薦の言葉が載っている。そのほかのラインナップを見ると、

 杉田俊介『非モテの品格』

 斎藤環『キャラクター関係論』

などもあり、面白そうですね。実は私も、宗教学の山折哲雄と対談した本

 山折哲雄・森岡正博『救いとは何か』(仮題)

が出る予定です(大家+中堅ですが)。まだゲラも出てないので先の話ですが、請うご期待。

創刊の辞として、「大人になっても、割り切れない。世の中的にはたぶんこれが正解。けど、もっと違う何かがあるんじゃないか? 考え出したら、キリがない。でも、考えるのをやめたら、その先へは行けない。ほんの数ミリでも前へ進むために。「しょせん、こんなもの」で終わらせないために。」とあります。

若い書き手を筑摩書房が本気でプッシュしようというシリーズなので、ぜひとも成功してほしいですね。主人公は若手、その脇役として中堅・大家が固めるという布置なのではと推測しています。このシリーズの成立時には、私もアイデアを出さしてもらったし、創刊に当たっては何かの形で盛り上げ役もやろうかなと思ってます。hatena界隈からも書き手が出てくるようになるんじゃないかなとも期待します。

[]草食系/肉食系の8パターンと草食系男子の肉声

サイゾーウーマンに、私へのインタビューが掲載されています。

http://www.cyzowoman.com/2009/07/post_762.html

http://www.cyzowoman.com/2009/07/post_763.html(これ、タイトルがミスリーディング)

その中で、『最後の恋は草食系男子が持ってくる』で解説した、草食系/肉食系男子の8つのカテゴリが、簡潔にまとめられています。

「草食系男子・肉食系男子」 8パターン

森岡氏著書『最後の恋は草食系男子が持ってくる』より

1)奥手の草食系男子

女性にどうやって接近したらいいのかわからない。

2)経験豊富な草食系男子

癒やし系で、女性とのやりとりに慣れている。女性に過度の期待を抱いていない。

3)奥手の肉食系男子

経験が少ないので、押しの一手で迫る。内にこもって悶々とする。

4)経験豊富な肉食系男子

女性の気持ちを探りながら、ダメもとで誘惑してみる。次々と口説く。

5)奥手の中身草食系・外側肉食系男子

男らしくなろうと努力している草食系男子。まだ経験不足。

6)経験豊富な中身草食系・外側肉食系男子

心は繊細で草食系なのに、女性を積極的にリードして楽しませることができる。パートナーと長続きする。

7)奥手の中身肉食系・外側草食系男子

肉食系の心を隠すために、草食系の仮面をかぶっている。2人きりになると突然襲ってくることもある。

8)経験豊富な中身肉食系・外側草食系男子

心に野獣性を持つが、女性に繊細に気を配って優しくすることができる。複数の女性との関係を苦にしない。

これは、

・ 草食系 - 肉食系

・ 奥手  - 経験豊富

・ 中身  - 外側

という三つの二項対立を掛け合わせて8つにしたもので、草食系男子・肉食系男子の「理念型」分類としては、けっこう使えるものになっていると思います。

もちろん、現実の男性がこの8象限のいずれかにぴったりと収まるわけはありません。これはウェーバーのいう「理念型・理想型」でありまして、個々の事象は理念型からはズレます。そのズレを計測することによって、個々の事象の特徴が捉えられるというわけです。(ウェブでは、「8つに分類できるわけないじゃん、血液型じゃあるまいし」という意見が多数出ていますが、レッテルと理念型の区別を理解しましょう)。この8象限をツールとして利用することで、いままで定義が混乱していた草食系男子の概念を、わりとすっきりと再整理することができるようになると私は思います。

それぞれの、もっと具体的な説明や、女性がアプローチするときの注意点などは、本の中で書きましたので、ぜひご覧あれ。

この本のいちばんの読みどころは、なんと言っても第2章の、リアル草食系男子4名へのディープインタビューでしょう。ここまで具体的に、彼らの心の中に入り込んで、声をすくい上げたものは、いままでなかったはずです。自分のことを草食系かもと思っている男性が読んだら、かなり共感してしまうのではないでしょうか。

たとえば、田村さん。結婚している。性欲はふつうにある。

森岡 草食系男子は一般に、見た目が女っぽい異性は苦手といわれていますよね。それはなぜでしょうか?

田村 『CanCam』モデルのようなルックスが苦手なのは、相手が女性っぽいと、自分は「男らしいリード」を求められているのではないかというプレッシャーを暗に感じるからなんですね。

・・・

森岡 草食系男子だという自覚はありますか?

田村 男性文化にそもそも違和感があったんです。たとえば飲み会の席で、男ばかりだと、夜が深まるにつれ、定番の猥談が飛び出す。それを僕はうまく乗り切れない。いつも、「何でだろう」と考えていました。

・・・

田村 女性とつきあうというのは、その相手を、肉体関係を含めた恋愛の対象として見ることです。だから、その女性が人間的に尊敬できたり、いい人であればあるほど迷うんです。いままで充分いい関係が作れているのに、あえてセックス込みの関係になる必要はあるのか?と。

蜷川さんの場合。恋愛はいつも受け身。

蜷川 その女性に好意を持つかどうか、ポイントになるのは会話かなあ。話をしていて感じがいいとか。外見はあまり決め手になりませんね。基本的には女性の話を聞くのは好きなので、彼女が話したいことを話してもらえば楽しい

・・・

蜷川 極端な話、法律的には結婚という形を取るにしても、性的な関係はない結婚もあり得ます。結婚する以上は、仲はいいほうがいいと思っています。でも、セックスはどっちでもいいなと。同世代の男性と比べても、性欲も低い気がする。相手もそれでよければ、快適に暮らせるほうが重要です、僕にとっては。

森永さんの場合。年上女性に惹かれる。

森永 好みの女性とつきあいたいというより、まずは友達として親しくなりたいと考えます。

・・・

森永 極論すれば、彼女がすごいキャリア志向なら、僕が仕事を辞めて主夫をしてもいいかなと思うくらいです。

平林さんは独身。子ども好き。

平林 あはは、男なので性欲はふつうにありますけど、セックスのためにつきあうのは嫌ですからね。だから風俗とかもあり得ないですね。・・・・ 僕は風俗に行くくらいなら、おいしいもの食べに行ったりほかのことにお金を使いますね

森岡 ただ、女性が平林さんの言葉を聞くと、風俗行かないのはお金かかるからだと思うんじゃないかな。

平林 無料でも行かないですね。

森岡 たぶん、そこが伝わってないんですよ。

このように4者4様である。が、共通するものは、はっきりとある。対談をしてみて気づいたことは、4人とも女性の女っぽい外見を本気で重視していないということ。会話がポイントであるということ。あと、自分が使った湯飲みはふつうに自分で片付けて洗おうとすること。つきあい状況は、結婚、友人女性と同居、独身などなど。

第2章では、かなりのページを割いて、彼らの生の声を紹介しているので、上記を読んで気になった人は他の部分も読んでみてください。「草食系男子」を茶化して作った他の本とは一線を画しています。

ウェブでは、草食系男子への批判も多数ありますが、彼らなりの生き方や、恋愛の進め方を、「男の当たり前な生き方のひとつ」として認めない人がいるということが、私には不思議です。

というわけで、男女の新しいあり方について、かなり真面目に作った本なので、ぜひよろしく。いまなら書店に並んでいると思います。

最後の恋は草食系男子が持ってくる

最後の恋は草食系男子が持ってくる