感じない男ブログ このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-03-29

[]ラフルーア(William R. LaFleur)氏逝去

ウィリアム・ラフルーアさんが2月26日に心臓発作で逝去されました。メールでお知らせが来ていたのですが、フォルダチェックを怠っていたせいで、今日はじめて知りました。大学のページにお知らせが出ています。冥福をお祈りします。

http://www.sas.upenn.edu/home/news/lafleur.html

水子供養、脳死などの研究で知られたジャパノロジストでした。私が最初にラフルーアさんに会ったのはもう10年以上も前のことで、私の本を読んだ彼がちょうど京都に来ていて、彼がセンター長をしていた京都センターの授業に呼んでくれたのでした。そこで脳死について米国の学生たちに話をして、そのあと京都の3条にあるイタリア料理店で酒を飲みながら話をしました。そのときに、ハンス・ヨーナスについて話をしたのをよく覚えています。

いちばん最近では、昨年京都大学でラフルーアさんの講演会があり、私は彼に予告せずに会場に行って聞いていたら、休憩時間に私のことを見つけて、声をかけてくれました。その後、彼から連絡があって、夏に梅田で会おうということになったのだが、ちょうどどうしても動かせない用事が入って会うのをキャンセルしたのでした。ラフルーアさんは、脳死についての本をほぼ完成させているとおっしゃっていて、それについて何か話をしたいようでした。メールでは、また会おうと言ってくれていて、それが最後となりました。あのときに会っていたら・・・と悔やみます。

合掌。

2010-03-25

[]メタバイオエシックスの構築へ

メタバイオエシックスの構築へ―生命倫理を問いなおす

メタバイオエシックスの構築へ―生命倫理を問いなおす

米国のバイオエシックス(生命倫理)を歴史的、科学論的に相対化し、その功罪を見つめながら今後のこの方面の見通しを立てようとする研究書。生命倫理学会でずっとメタバイオエシックスの分科会をやってきた小松美彦、香川知晶による編集。この領域に関心がある者は必読であろう。

序章の小松による「メタバイオエシックスの構築に向けて」は、全体像を簡潔に書ききっていて読みやすい。フーコー的視座によって生倫理を読み解く可能性については、私も同感である。第2章の皆吉淳平による米国バイオエシックス研究者への大規模調査は、なかなか貴重な試みであると思われる。ある意味本書でいちばん興味深かったのはこの章かも。これは英語では発表されるのだろうか。第4章のライクの講演録の紹介もまた面白かった。草創期のバイオエシックスのほうが、より哲学的に広い視野を持っていたことが如実にわかる。それに比べれば現在の制度化したバイオエシックスは精密になったぶん、チマチマしている。(同じことは日本の70年代リブと、80年代以降制度化フェミニズムにも言えるだろう)。ライクはバイオエシックスを生み出した土壌としての60年代米国カルチャーのスピリチュアリズムについて触れているが、バイオエシックスの制度化とはそのスピリチュアリティへの眼差しを忘却していく過程であったということになるだろう。ライクは、予言的先駆者として、ビーチャー、ポッター、ヨナスをあげている。このなかではヨナスがいちばんの大物であることはこのブログでも指摘してきたことである。ヨナス(ヨーナス)再評価の日は近いな。

全体として思うのは、日本でこのような研究書が出るようになったことは感慨深い。と同時に、日本のこの分野の制度化も進んできているというわけで、日本でも草創期の熱気は失せたと見ることもできるだろう。(草創期ではこの分野に本格的にタッチすることは研究者としての就職を捨てることをも意味していた。いまはむしろこの分野にタッチすることで就職が可能になる道が見えてきている。)私の最初の本のタイトルは『生命学への招待−バイオエシックスを超えて』(1988年)というものだった。副題に見えるように、ここではバイオエシックスは、超えるものとして捉えられている。もちろん当時は、超えるべき対象をきちんと把握できていなかったというのは上記書を見ればわかるのだが、しかしこのいきなり「超えよう」とする熱気がいまこの分野にあるかというと、どうだろうか。

ついでにいうと、日本へのバイオエシックスの初期の「輸入」はつねに、それを「超え」ようとする動きとともにあった、ということをどう考えるかという興味深い問題が残されている。

まあ、細かいことを言えば、私の仕事への言及が第1作のみであるとか、私がずっと言ってきたリブ・障害者の言説・運動への目配りがほぼないことなど、いろいろ不満はあるが、でも良い仕事だと思った。

2010-03-17

[]自民党与謝野グループ勉強会に灰皿とタバコ

与謝野氏が会長を務める自民党の有志議員による勉強会「正しいことを実行する会」が、谷垣氏を除く大島幹事長らその他の執行部の刷新を求めていくことを確認したそうである。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4381456.html

http://www3.nhk.or.jp/news/k10013259881000.html

↑に動画があるが、この勉強会には各自のテーブルの前に灰皿があり、右側の人物はタバコを吸っている。テレビが入る会議室が禁煙になっておらず、カメラの前で平気でタバコを吸っているというのがいまの自民党幹部の感受性の現在であり、これもまた彼らの考えるところの「正しいことを実行」している姿なのであろう。

ちなみに神奈川県では海水浴場全面禁煙に踏み切るとのことです。

2010-03-09

[]イルカの件

ちょうど1年前に投稿したこのエントリーに、かなりの量のコメントが付いていて、たいへんおもしろい状況になっています。

http://d.hatena.ne.jp/kanjinai/20090317/1237274630

米国アカデミー賞を受賞したことで、訪問者も増えてるみたいです。the coveでググると上記ページが1位です。

何重にも複雑なイッシューですよね。動画はいつのまにか削除になってますね。

2010-03-06

[]入試に出た文章

これまで大学入試・予備校問題などに出た私の文章の一覧を作ってもらいました。

http://www.lifestudies.org/jp/nyushi01.htm

こうやって見てみると、けっこういろいろと使われていますね。ご参考までに。ちなみに情報不明のものや、ここにないものもいろいろあるようです。

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