感じない男ブログ このページをアンテナに追加 RSSフィード

2015-07-13

[]『書評という快楽:「臨死体験」から「AV女優」まで』

2002年にキノコプレスから電子配付していた拙著『書評という快楽』が、このたびKindleにて電子出版されました。250円。私がかつて朝日新聞に連載していた書評の全文に加えて、1986年から2001年に発表したその他の書評を集めたものです。それにさらに加えて、「書き下ろし 朝日新聞書評の内幕」という文章を本書の最後に付けました。

アマゾンに行って、無料サンプルをダウンロードすると、内容の感じは分かりますのでぜひ。各書評には、「おまけ」として、2002年の視点からの各著者や時代についてのコメントを新たに書きました。内輪受けの感もありますが、けっこう面白いんじゃないでしょうか。

「書き下ろし 朝日新聞書評の内幕」にはこんな描写もあります。

 そうこうするうちに、第一回の書評委員会が開催されることになった。

 私は、さっそく新幹線で東京に行って、築地にある朝日新聞本社新館にある会場へと向かった。新聞社というのは、なかなか警備がきびしい。まず新館の1Fのところで、受付の人に行き先を告げないといけない。書評委員会に出るのだと言うと、カウンターから書評委員のバッジを出してくれた。これを付けていると怪しまれないらしい。エレベーターで上の方の階まで行く。会場に着いてみると、朝日新聞の編集者・記者さんたちが、多数待機していた。顔見知りの担当編集者もいる。ということで、日本社会ではお決まりの名刺交換。それが終わったところで、さっそく、新刊を見て選んでくださいということになった。

 ここで、仕組みの解説。新刊が出ると、各出版社は、朝日新聞の書評担当に送る。編集者たちが手分けして、まず一次審査をする。どうも、この一次審査で、かなりの本がふるい落とされるらしい。あとで分かってきたのだが、この振り分けには、編集者たちの嗜好がかなり反映されているらしい。出版社が強力にプッシュする本は、けっこう入ってきているところを見ると、話題書籍は取り上げたいという新聞側の意向もほの見える。そのほか、この一次審査には、いろんなことがあるのだろうなということが、ずいぶんあとになって、分かってきた。でもまあ、一次審査では、残るべき本は残っているというのが正直な感想だ。くだらない本や、極端な専門書ははずされる。マンガや児童書も、基本的にははずされている。本の好きな人が手に取るかもしれない、というたぐいのものが、基本的には選ばれている。あと、書評委員の書いた本も、原則としてはずされる。この一次審査は、月に二回行なわれる。それを通過するのは、百冊強である。・・・・・

そしてこの後に、選書会議という脅威のビブリオバトルの世界が繰り広げられるのである・・・・・。