2005-07-18 アフリカを考える (2)
■[社会のなかで] 巨額の債務 
アフリカの再生を考える上で、債務の問題は避けて通ることはできない。
アフリカの抱えている債務総額は3000億ドル(30兆円)超であり、アフリカの輸出総額の3倍近くに上る。
一部ではIMFの構造調整プログラムにより緊縮財政を余儀なくされ、その結果十分な産業育成、福祉政策を施せなくなったことがこの債務危機を生じさせたという見解もある。
そのことについての真偽は別にして、この巨額の債務がアフリカ最貧諸国の再生へのやる気を奪う一因になっていることは否定できない。
昨年までにすでに1000億ドルの債務減免をG8は実施してきたが、今回新たに550億ドルの国際金融機関(世界銀行など)に対する債務帳消しが決定した。
その7割を負担するG8諸国の負担は大きいが、これまでと異なり、他に優先して返済すべき国際金融機関に対する債務が主に帳消しにされたことで、アフリカ重債務国には歓迎されているようだ。
しかし、軽減された債務負担が福祉や教育等他の方面に有効に利用されるかといえば疑問を感じざるを得ない。
一部の特権階級が利権を独占したり、絶えず内紛が繰り返さているといった政治構造や社会構造に問題を持つ国々は多い。
さらに、今後の産業育成のためには民間の投資も必要とされるだろうが、債務が帳消しにされることで、今後の民間金融機関の投資が控えられる事態が生じることも予想される。
いずれにせよ、アフリカ重債務国の真の再生はけっして外から達成されるものではない。
当たり前のことだが、最後はその国民の力にかかっている。
■[社会のなかで] 日本の対アフリカ協力 
G8諸国の中でも日本はアフリカ重債務国への債権を多く抱えている。
これに対してジュビリー2000などは、いかにも日本への債務返済がアフリカを苦しめているような印象を与えるキャンペーンを張っているが、実のところ、重債務国の債務返済の大部分は、前述したように国際金融機関への返済に優先的に充てられている。
円借款の大部分は最初からすぐに返されることを期待されていない債務なのだ。
私の調べたところ、日本が債務返済をしきりに督促している事実はないと思う。
債権が多いということは、多額の社会資本を援助しているということの裏返しでもある。
国連常任理事国になりたいという思惑も動機のひとつになっていることは感心できないが、日本は対アフリカ協力についてはよくやっている(数字で見る日本の対アフリカ協力)と思う。
しかしながら、その事実はあまり国内外にアピールされてはいないようだ。
つくづく外交の下手な国だと思う。
これに対して今回のG8議長国イギリスは、うまく立ち回った印象が強い。
イギリスはG8の中でも最も対アフリカ債権が少ないが、2004年にはODAを担当する英国国際開発省の予算の53.8%をサブサハラアフリカに当てている。
債権が少ないので援助も少ないのでは……とこれまで考えていたが、誤解であったようだ。
しかし、イギリスの対アフリカ武器輸出がここ4年間で200億円を超えている(today's_news_from_UK+)ことを見逃してはならない。
援助の裏で内紛を助けるこのイギリスの欺瞞はもっと批判されるべきである。
さて話を日本のことに戻すが、中国や東南アジアの発展に円借款が大きく貢献したことは間違いない。
対アフリカODAで日本はこの対アジア円借款の成功をイメージしているようだが、果たしてそんなにうまくいくのだろうか?
アジアとアフリカの最も大きな違いはその労働力である。
その豊富な労働力があってこそ東南アジアや中国の産業が発展したのであって、アフリカではまずその労働力を育てることから始めなければならないだろう。
そのためには、教育の充実や疾病の撲滅、そして何よりその過酷な自然との闘いと共存が必要とされるに違いない。
根本的なところで、その国自身の国民の力が問題となるという点に同意します。アジアとアフリカで同じアプローチが通用するかどうかというのも難しい問題だと思います。
ODAは安保理常任理事国入りのための支持取り付けという目的も帯びていると思いますが、それだけが目的だと考えると、ODAの目的を矮小化してしまうと思います。途上国の経済社会開発による世界の経済社会の安定というのが究極的な目的であると思いますが、いかがでしょうか。
7.20のブログに書いた通り、他国への支援というものは世界全体の安定(私は安全保障の面を特に意識しておりました)に繋がり、そのことが結局は自国の利益につながってくるのだと考えなければ、自国民の支持は得られないと考えます。でも、このような「情けは人の為ならず」的な考えだけでは、やはり寂しいですね。dairaさんのように、よりグローバルな視点からODAが考えられていくべきと思います。』(2005/07/24 07:20)