私見による超短文要約

フリーズバグ直したら予想外に強くなってしまい棋士の研究が無駄になる危機。
やねうらおさん&佐藤さん「新しいのでも良いんだけど、こうなっては古いのに戻す?」
ドワンゴ「いや、興行優先で新しいの方」
ドワンゴがPVとかでこの件を煽りまくったら大炎上し、ゴメンナサイ古い方に再度戻しますと謝罪。

私見による超要約

や「フリーズバグあるんで直しましょうか? ルールにも特例での修正は認めるってありますし。でも時間無いのでやるのは結構先になりますが」
ド「了解。特例での修正認めます。でも今棋士に渡してある、旧やねうら王での棋士の研究が無駄にならないように配慮してね」
や「1月にようやく時間とれたんで直しました。探索部はバグバグだったんでゴッソリ入れ替えたけど、評価関数はいじってないので問題ないと思います」
ド「了解。3/1に佐藤六段とのアポとれたんで、その時入れ替えましょ」
ド「2月末になっていきなりで悪いんだけど、24点法に対応して」
や「え? ルール上1週間しか修正期間認めてなかったのに? いや、主催が言うなら修正しますけど」
佐「おいい!! 今までの研究無駄になるくらい変わってるぞ!」
や「え? マジ? 見通し甘かったです。マジなら古いのに戻した方がいいよね」
佐「俺はどっちでも構わんが、さっさと決めてくれ」
ド「んじゃフリーズすると興行的に困るんで新しい奴で」
佐(えっ…)
や(マジ?)
ド「会見やります! 煽りPV作っておきました! ニュースにも取り上げられてマジ俺の宣伝テク最高!」
客「なんじゃこりゃああああああああ!!! どうなってんだ! やねうらお! 佐藤六段!!」
や(炎上商法も結構だが……)
佐(なんで俺らが燃やされるのよ……)
ド「しゅ、収集つかなくなった。会見もっかい開きます! やっぱり古い奴で対局することにします! ごめんなさい!」
客「全ソフト、24点法への変更でソフトに手を加えたって聞いたんだが?」
将「ぎくうううう!!!」
ド「24点法は会見動画のNGワード指定です!!!」
客「そういや菅井五段が、研究では一度も打たれたことない手打たれたって言ってたよな」
ド「ぎくうううう!!!」

私見による、今現在残っている問題点

ドワンゴと将棋連盟が、24点法への対応強要について釈明していない

棋士の研究が無駄になる可能性がある24点法への変更強要について、何も説明していません。
ニコ生でもNGワードにされ、あからさまに隠したいという態度が見えます。
第一局の菅井五段の対局では、菅井五段が今まで打たれたことの無い手を打たれ、動揺したと語っています。
これは24点法への対応が原因なのではないでしょうか?
もしそうだとしたら、全ソフトがレギュレーション違反で、もはや電王トーナメント入賞ソフトとプロ棋士の対戦という前提が崩れています。
※Ponanzaは24点法への対応を断ったそうです

私見による、分かりづらいところQ&A

Q.新やねうら王は探索部がごっそり変わったらしいが、それってルール違反じゃないの?

A.ルール違反ではない
ソフト修正期間中の修正方法に、特に制限は無かったようなので。
※ただし、方法はともかく結果は旧Verとほぼ同じにして欲しいと約束はしていたもよう(後述)

Q.新やねうら王が3月になってから出てきたのは何故?

A.やねうらおさんの仕事の都合
本来ソフト修正期間は電王トーナメント直後だったが、やねうらおさんの仕事が立て込んでいたため順延になった。
そのことについては、ドワンゴも了承しているので問題ない。

Q.なぜ佐藤六段は怒っているの?

A.研究結果が無駄になるほど変化していたから
ソフト修正期間の順延の際「その間の棋士の研究が無駄にならないようにする」という約束があったが、実際は大きく変わって研究が無駄になってしまったため。

Q.なぜ「研究が無駄にならないようにする」が守られなかったの?

A.やねうらおさんの見通しが甘かったから
探索部は大きく変えたものの、コンピュータ将棋の要たる評価関数をいじっていないで、大きく変わるとは思わなかった。
やねうら王の独特な仕様上、旧版とのテスト対局なども上手くいかなかったため、推測でたぶん大丈夫だろと考えてしまった。
ただし「研究が無駄になるようなことになった」場合には、旧やねうらお王を使うなどの提案もしていた。
また、佐藤六段も「旧でも新でもどちらでも良いよ」とおっしゃっていた。
 
その上で新やねうら王を推したのはドワンゴ

なんで今更新事実がぽろぽろ出てくるの?

A.ドワンゴの秘密主義
やねうらおさんが、ソフト修正&順延の話をした際に公にして欲しいと頼んだそうだが、ドワンゴは公表しなかった。
結果が炎上。

Q.全ソフト24点法への対応を迫られたと聞いたのだけど

A.やねうらおさんのブログによるとそうらしい
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140227#c1393567501
一方、Ponanzaは27点法のまま
http://d.hatena.ne.jp/hiraoka64/20140317/1395072154

私の聞いたところ、24点法への対応の為のプログラム修正自体、Ponanzaはやっていないとのことです。

 他のソフトについては未確認です。

 (ソフトを修正していない場合、27点法に基づいて動作します。27点法で宣言した場合は、立会人が判定することとなっているようです。)

24点法については、会見生放送のコメントでNGワードにされていました。
※私がニコ生中に3回は入力した「24点法についての説明は?」というコメントが、タイムシフト上で見当たらないので間違いないかと。

Q.24点法への変更について何故告知がないの?

A.全ソフトがレギュレーション違反したという事実を隠したいから
02/27に24点法への変更命令が開発者に下りました。
この時に対応したソフトは全てレギュレーション違反です。
※上に書いたとおりPonanzaは対応していないとのこと
 
そうなると電王戦は全て茶番化してしまいます。
特に第一局の菅井竜也五段が
「(200局以上研究したが)28手目の△4三金から▲7八飛、△7二飛は初めてでした。」
と語っており、「24点法に差し替えた結果、差し手が変わって菅井五段の研究が無駄になった」という疑いが濃厚になってしまいます。
 
一般マスコミにまで取り上げられ、ニュースになっている電王戦が、運営の不手際で茶番になってしまっていたという疑いは避けたいところでしょう。

Q.結局対局はどうなるの?

A.旧やねうら王との対戦になった

会見放送での各関係者の要点

ドワンゴ

・24点法への変更命令について何も説明していない。しかも会見放送で「24点法」がNGワードになっていた
やねうらおさんから「思考部に手を入れないという約束はしていないのに、約束してたかのような告知がされている」と指摘されてなお、いまだその告知を放置
http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni045018.html

あと、個人的にこのセリフが超気になるんですよ。

川上会長「ネットの方では磯崎(やねうらお)さんに対する批判があるわけですが、そもそもの原因は修正をするってことに対して我々が認めてしまったということがそもそも問題であったと思っております」

「我々が興行の成功に目がくらんで、修正を認めてしまった」という言い回しであれば責任の所在が明確ですが、上のセリフはそうなっていません。
そもそもドワンゴは「なぜ修正を認めたのか」について語っていないんです。
その状況で単独の「認めてしまった」を使われると、まるで「(のっぴきならない理由があって)仕方なく認めてしまった」「(やねうらおさんが強く頼み込んできたので)仕方なく認めてしまった」というような、不可抗力感のアピールを感じてしまいます。
穿ちすぎですかね??

やねうらおさん

・「電王トーナメント直後に与えられる、1週間のソフト修正期間」を、仕事を理由に後ろにずらしてもらった
・修正の件を公にして欲しいと頼んだが、ドワンゴに断られた
・「後ろにずらしてもらっている間の棋士の研究」が無駄にならないように配慮する約束をしたが、結果としてはガラっと変わってしまった
※ただ、ガラッと変わってしまうなら旧版を使おうという提案もしており、最終的に新版を選んだのはドワンゴ

将棋連盟

・あのPVを事前監修しておきながら、あのPVの放映を認めてしまった
・24点法への変更命令について何も説明していない

分かりづらい「やねうら王改造要請」について

電王トーナメントの後に1週間だけソフトを修正する期間が与えられていたそうです。
 
やねうらおさんは、電王トーナメントに間に合わせるため、自身の仕事を先送りにしていたと。
なので、電王トーナメント直後の1週間を渡されても作業ができない。
そこでドワンゴ「嘘つけないように開発機材を全部提出してもいいから、1週間は1週間のまま、その修正用の1週間を後ろにずらしてくれ」と頼んだ。
 
で、実際その1週間の作業をする際。
やねうらおさんは「ソフト修正期間の開始が後ろにずれこんだだけ。元々のルールに思考部に手を入れてはいけないというルールは無いので、特に問題と感じず思考部にも手をいれた」「そもそも思考部でフリーズするのに思考部いじらないなんてありえないし」
ドワンゴは何故か「思考部に手を入れない約束だった」と主張。
これは「棋士の研究が無駄にならないように配慮する」という約束の曲解だと思われる。
一方、やねうらおさんも、いざ改造してみたら棋士の研究が無駄になるような指し手に変化してしまった」
 
これは「コンピュータ将棋の要たる評価関数には手を入れていないのだから、指し手は大きくは変化しないだろうという読み」そのものが甘かったと本人談。
※実際に指し手が大きく変わったのかは未検証?
 
また「そんな簡単に強くなるなんてことは無いだろう」と甘い心持ちのままで居たので、結果として佐藤六段を怒らせるような発言をしてしまったもよう。
(佐藤六段はマジで困ってるのに「またまたご冗談をw」みたいな返しをしたのかな? 温度差が酷いので喧嘩にもなる)

ソフト修正期間の後ろ倒しの是非

やねうらおさんが「仕事カツカツだから、1週間の修正期間を後ろ倒ししてくれ」と頼んだ件について。
これに対して「はぁ?」「ルールなんだから従え」というコメントがわりと流れてました。
1日で終わる大会ならまだしも、何ヶ月も付き合わされるイベントなんですよ? 電王トーナメント〜電王戦って。
「電王戦のためにお前の仕事捨てろ」ってことなの?

ギルマス:「Bさんって社会人だったっけ?」
B:「そうだよーw」
ギルマス:「戦争に向けてギルド強化するので」
B:「うん」
ギルマス:「仕事辞めてくれませんか?」
ギルマス:「あとギルメンが交代でキャラ育成するので IDとパス教えてください」

これと同レベルです。
棋士側は仕事かもしれないが、コンピュータ将棋側は単なる参加者。温度差があるのは仕方ないところ。
 
そもそも、ドワンゴが強要してくる義務が酷い。
ドワンゴの独りよがりの義務強要については、やねうらおさんが過去に暴露している。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20131025
こんな条件じゃ、コンピュータ将棋の新規参入があっても、電王戦出られるのは極一部になっちゃうよ。
※そもそも賞金が安い。ソフト送りつけておしまいの大会ならともかく、本人出る。取材受ける。電王戦付き合わされる。ソフト改造を後から命じられる。そんなもう半分仕事じゃんみたいな大会の賞金としては安すぎでしょう
※参加者のボランティア精神というか、将棋盛り上げるために頑張ろうという精神を感じます

理系男子特有の言い回し?

やねうらおさんもそうですし、私もわりとそうなのですが、自分が知っている前提ありきで会話するのが裏目に出ている気がします。
「佐藤六段が冷静に対局するのを望みます。がんばってください」といった感じの台詞。
これは事情を知らない人が見たら、煽り以外の何物でもないですよね。
「お前がゆーな」と。
一方「やねうらおさんは、コンピュータ将棋開発者でありながら、人間側が勝つのを望んでいる人」という前提知識があると意味合いが変わってきます。
 
他にも「電気代がー」というネタも、ブログを読んでネタだとわかっていないと「この期におよんで金の心配か!」と叩かれかねません。