先行上映会をするテレビアニメは増えてきたが、『怪獣8号』も1話2話を映画館で上映しており、さぞ迫力のある音響だったのではないだろうか。せっかくだから『ダンジョン飯』みたいに5.1chで作って欲しかったところだ。
一般的にテレビで放映される作品はテレビのスピーカーの性能を考えて、低音をあまり出さないのだが、テレビドラマより音響を作り込む作品が非常に多いテレビアニメ*1も低音を重視するようになってきていたのではないかと感じる。これは音楽もそうで、日本の邦楽はずっと低音が弱いと言われていたが、世界的には低音を強く出すミックスが流行っており、最近は米津玄師氏に代表されるように、邦楽でも低音を多用されている。
特に『怪獣8号』は、映画作品なみに重低音が出ており、テレビのスピーカーではこの低音を感じるのは少し難しい。音響を強化した環境でぜひ見てほしいが、重低音を出すには結構なサイズのスピーカーやサブウーファーが必要で少々ハードルが高いが、イヤホンやヘッドホンなら低音が出しやすいので、イヤホンやヘッドホンでの鑑賞がお勧めだ。音楽を担当している坂東祐大氏も良い環境での鑑賞を勧めている。
あと30分ほどで放送開始です。 約2年前から準備していた祭りがついに始まります...!
— 坂東 祐大 (@YutaBandoh) 2024年4月13日
XでもTVでもどんな形態でも観ていただけたら嬉しいのですが、可能な限り良い音響&大きな音で見ていただけたら更に嬉しいです!(もちろんヘッドホンやイヤホンでも!) #怪獣8号 #8号リアタイ #KaijuNo8 @KaijuNo8_O pic.twitter.com/A7r7TyiOjV
低価格でお手軽イヤホンとしてKZ EDX Liteがお勧めなのだが、日本のAmazonから出荷されるLinsoul扱いのものは在庫切れになってしまっている。
1000円台前半で楽しく音楽が聞ける中華イヤホンのKZ EDX Lite(現在10%OFFセール中) - ARTIFACT@はてブロ
スマホやタブレットで見る人なら、最近教えてもらったUSB Type-C接続のヘッドホンであるオーディオテクニカ ATH-S120Cが良かった。スピーカーならウーファー口径が165mmのPOLK AUDIO SIGNATURE ELITE ES20がお勧めだが、なかなか大きいサイズなので設置が難しい。スピーカーの売れ筋はウーファー口径は130mmだが、165mmになると、サブウーファーなしでもかなり満足できる低音が出てくれる。スピーカーのスペックの再生周波数をやたらと気にする人がいるが、同サイズでの比較ならともかく、ウーファー口径が大きくなければ低音は出ないのだから、あまり気にする必要はない。サウンドバーを導入するのなら、サブウーファーが別になっているDHT-S517のような製品を選びたいところだ。予算が出せる人なら、ぜひともこんな感じで環境を揃えて欲しい。
『閃光のハサウェイ』のベスト視聴環境はLGの有機ELテレビとDENONのサウンドバーDHT-S517(予算20万円以内) - ARTIFACT@はてブロ
音響にこだわったテレビアニメ
Dolby Atmosで制作されている『ダークギャザリング』*2を見た時、ステレオでも低音がすごかったのを見て、重低音を多用しているアニメを探すようになったのだが、今のところ、それほど多くはない。『炎炎ノ消防隊』は戦闘シーンの重低音がすごく、作画も良くて、隠れた作画アニメでもあった。『アンデッドアンラック』はスタッフが『炎炎ノ消防隊』と同じ座組だからか、こちらも重低音が多用されている。
『ダークギャザリング』のようにサラウンドで制作されている作品も意外と多い。最近では『ダンジョン飯』はNetflixでは5.1chで配信されているが、Netflixでは5.1chが配信されているアニメが多い。『空挺ドラゴンズ』『TIGER & BUNNY』二期は放送時から5.1chだったが、放送時から5.1chで一番古い作品は『攻殻機動隊SAC』だろう。『エヴァンゲリオン』テレビ版や『魔法少女まどか☆マギカ』はパッケージソフトで5.1ch化されており、それが配信されている。『スプリガン』『PLUTO』などNetflixオリジナルアニメはほぼ5.1chである。
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