和久原川西部、三原駅の北側一帯が「館町」。もと三原城内で、神明大橋西詰に「東大手門跡」の碑がある。
碑のある曲がり角には「桜山登山道」への案内表示もある。桜山は館町のすぐ北にある小山で、全長865mの登山道。平成10年に桜の植樹が始まった、と案内図にある。
桜山はもと御調郡西野村の南東端にあたり、中世の城跡として記録された。
桜山城跡
城主山名権之左衛門与申伝候、由来年暦相知不申候、城山之後ロニ大目木与申所御座候、此所より落城仕候ニ付、大めげ与申名ヲ言誤テ大目木与申習セ候由申伝候、駒ヶ原与申候者(略)
西野村「国郡志御用ニ付下しらへ書出帳」*1
櫻山城 西野村の地にて、三原城の北にあり、相傳る、文應、文永の間、山名權左衛門入道氏正なるもの居りしが、弟備中に殺さる、後氏正が子、備中を討て再び此城に據りしといふ、
『藝藩通志』巻百
村の提出した記録では古城跡にまつわる地名について詳しく、藝藩通志では城主についての史実(と判断したもの)のみにとどめている。『三原史稿』古蹟部では合戦・遺構・地名についてさらに詳細になる。