霞が関官僚日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

「きっと…あたしのノーミソどっか欠落してるんだよ
 だって あたし 自分から人を好きになったり…
 何かに一生懸命になったりした事ないんだもん…」
(冬目景『イエスタデイをうたって 4』)

2004-05-27-Thu

[]予算は使い切る! 予算は使い切る!を含むブックマーク

役人になる前には大学生だったのだが、そのころから「役人はこんな酷いことをやっている、これは変えねばならん」とか思っていたものがいくつかあるわけです。その一つが「予算使い切り」という悪習。

役所に入って驚いたのは、本当にそういう「使い切り」をやっていること。よく年度末の道路工事と絡めて語られますが、国交省だけでなく他のどの役所、どの局、どの課でも使いきりはやります。

使い切る理由として挙げられるのが「予算を余らせるとその分削られる」ということだけど、これが全くそのとおり。主計局の担当官に「なんでこんなに余ってるの」「じゃいらないね」と言われ、「いやいやこの不用にはこれこれこういう理由がありまして…」とか反論することもしばしば。けど削られちゃう(使い切れず余った予算を「不用」と言います)。

なぜ削られることが問題か。一つは役人の評価システムの問題。今はだんだんそういう風潮はなくなりつつあるけど、それでも「権限を拡大した役人はいい役人」という風潮は、実際のところある。「権限」の中には予算も含まれるので、予算を分捕ってきた役人は優秀であると。ということは逆に予算を減らした役人は優秀でないということになる。だから予算を減らしたくない。

もう一つ。例えば去年はそんなに予算がいらなかった、しかし来年は一昨年レベルで予算が必要になるという場合がしばしばある。そういうときには「増額要求」をするわけだけど、この増額要求がとてつもなく手間がかかる。主計局は既存予算をいちいち見るほど人的資源が有り余っているわけではないので、必然的に新規要求、増額要求を重点的にチェックする。主査や担当官はめちゃくちゃ詰めてくるので、新規・増額の要求は非常に時間もかかるし、説明資料を作るのも大変だし、とにかく手間。たまたまそんなに予算を使わなくて済んだ年でも、それが「たまたま」であることが分かっていれば、いちいち増額要求するのも手間なので使い切ることにする。

さらに言えば、一度減額されてしまうと、その減額された分は他の課なり局なり役所なりが使うことになる。ということは、増額しようとすると他の部署の予算を引っぺがしてもってこなきゃいけない。他の部署は当然引っぺがされたくないので抵抗する。ということは、増額は非常に難しいということになる。

というようなメカニズムから「使い切り」が発生します。ではこれをどうするか。システムとして使い切りが発生する以上、他の様々な社会問題と同じように、「使い切りするな」と言えば済む問題じゃない。とすると、いかに役人の評価システムを変えていくか、いかに予算の増減を柔軟に行っていくシステムにするか、ということ。

例によって私には解がないんですけど。主計局の担当官の数を5倍ぐらいにすればいいかとも思ったけど、そうすると財務省内部での調整システムがややこしくなるだけだしな…。会計検査院は…うーむ。

nanashinanashi 2004/05/27 07:39 民間企業に勤めている人に聞きたいですね。

nanashinanashi 2004/05/27 07:44 http://mentai.2ch.net/koumu/kako/965/965771869.html このスレの204番目のレスでも語られているのですが”何か新しい金がほしければスクラップ財源を用意しろという話になります。”となるみたいですね。

TskkTskk 2004/05/27 08:21 素人の発想ですが、予算の持ち越しみたいなことができれば将来のために節約して貯金するようになりませんか?

nanashinanashi 2004/05/27 08:30 http://www.google.co.jp/search?q=cache:NffKdr2yhBcJ:www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo092.htm+%E5%8D%98%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%80%80%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%82%B9%E3%80%80%E4%BA%88%E7%AE%97&hl=ja

nanashinanashi 2004/05/27 08:32 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/47/naruhodo092.htm ”複数年予算 来年度からモデル事業” ちょっと長すぎた こっちのほうがいいかな。 上のグーグルキャッシュとは同内容です。 

Ku@学生Ku@学生 2004/05/27 09:06 正直、高校の部活動や大学のサークル予算の次元でも同一の現象が発生しているので、役所に限らずどのような会社でも多かれ少なかれ見られる現象なのでは、という気がしました。上手い対策法は全く思いつかないのでお恥ずかしい限りですが…。

kawakami18kawakami18 2004/05/27 09:27 福岡市は予算を余らせた課には翌年度に余った分の半分をフリーで付けるという繰越のインセンティブ制度を作ってますね。逆に民間人からみると福岡市でできることが中央省庁でなぜできないのか、不思議です。予算の次年度繰越には何か問題があるんでしょうか?>kanryoさん

ZOTTOZOTTO 2004/05/27 09:29 民間の大規模企業だと一部門がすべての予算に権限を持つことは無いです。○○部でいくらと決めてそのトップに裁量を持たせるやり方が普通です。役所でも防衛庁はいくら、経産省はいくらと決めて後は内部に任せ財務省はチェック中心にするのが合理的かも

taro-rtaro-r 2004/05/27 09:29 民間の比較的大きな企業で働いてます。例えば前年度の成果で次年度の予算を決める…っていうことも,良く言われますが,実際は評価が難しく,結局前年を参考に…というパターンが多いです。利益を上げているわけではない,お役所では更に難しいでしょうね。それから,もう一つ,しょっちゅう組織をいじってます。新しい部署を立ち上げたり,そうしたら古い部署から人が連れていかれたり…。そうすると毎年部署の規模や仕事内容が変わるので,予算は変動しやすいです。実際はこっちの方で毎年の予算が変化している方が多いです。

taro-rtaro-r 2004/05/27 09:31 補足ですが,しょっちゅう組織をいじるのは,無駄も多いです。半年くらい組織設計に管理職の稼働が割かれるし,立ち上げ時もなかなか仕事が起動に乗らないので。

nannonanno 2004/05/27 10:14 私の会社も、景気のいい時は予算の使いきりみたいなことがあります。景気の悪い時はコストダウンのネタに使われてしまいますが。

nannonanno 2004/05/27 10:21 で、思ったのが、国は膨大な借金をかかえているんですから、何らかの形でその借金の返済のノルマを予算と共に割り振るというのはどうでしょうか?予算が余ったところはそれを借金返済のほうに当てられるようにしておけば、無駄な予算使いきりもなくなっていくんじゃないでしょうか。

nekoneko 2004/05/27 16:00 使い切りに関連して、細目間での流用ができないのも、予算の無駄使いを助長している気がします。ある部分では予定オーバーで足りなくて窮屈なのに、ある部分では余って使いきりをしないといけない。予算の持ち越しも含めて、検討すべきだと思っています。ていうか、独法化したら、予算の複数年度に渡っての執行できると切っていたのに、実際は、交付金だから、単年度で使い切るのは当たり前という状態で落ち着いてしまいました。(泣

ryokusairyokusai 2004/05/27 20:07 neko氏に禿同。細目間の予算の流用もままならず、繰越は本省経由で財務省にお伺ひを立てねばならないといふ現状は駄目過ぎです。せめて単年度予算主義はやめて貰へないかな…

ii 2004/05/27 22:17 余った予算はプールして利子が付くようにするといい、必死で貯め始めるよ

ishigamiishigami 2004/05/27 22:54 民間には「投下資本vs収益」の概念があるから異なる分野でも比較できるけど、官には「収益」にあたる明示的な概念がないからねえ。

cesariocesario 2004/05/27 23:37 現実には,ある事業の不用を他事業の財源とすることが前提となっているケースもあるので要注意。厚労省等の地方向け補助金とか。▼流用については,国会で議決された予算の変更ですから,建前上は執行残を財源として補正予算を組めばいーじゃん,てことになるんでしょうね。

cesariocesario 2004/05/27 23:41 地公体だと財政当局が各部に枠で予算配分してあとは自由,って世界がありますね。たぶん国でこれやったら「なんで●●省の予算がこれだけなんじゃゴルァ(# ゜Д゜)」って人が大量発生する予感。

オッカムオッカム 2004/05/28 10:41 大学の研究費も、辛いです。研究よりも使い切りで頭がいっぱいになります。モノによっては、余ったが最後、全額返還を要求されますから。

IkegamiIkegami 2004/05/28 21:17 民間でも対前年度比とかいう話はありますが、基本はどれだけ成果物を残したかです。で、成果物が同じならかかった経費が少ないほど優秀だと。

ABCABC 2004/05/29 02:49 民間の大手企業に勤めています。そもそも年初の時点で予算を正確に読むには、その年度の完全なる予測が必要。その前提条件が無謀だと感じています。経費削減の厳しい折、急遽まとまった支出が必要な場合は、根回しを重ねて稟議を上げます。ひとたび特別な予算がつくと、減額・変更は不可能(増額は通る)。判子をついた関係部門に迷惑がかり、そして何より偉い人のメンツを汚すため(笑)。

yosanoyosano 2004/05/29 19:37 福岡市の場合って予算が100あって80しか使わなかったら10はインセンティブでもらえるってことですよね。そのとき翌年度予算は80になるんでしょうか。100のままだと意味ないようなきがします。

bewaadbewaad 2004/05/30 02:55 一応念のために申し上げておきますと、国家予算の単年度主義は憲法事項です(86条)。

nanashinanashi 2004/05/30 11:39 民間からの意見はたくさん出ていますが、官僚の方の意見も聞いてみたいですね。Bewaad氏は何か妙案がありますか?

bewaadbewaad 2004/05/30 14:03 なかなか一般論では語りづらい話ではありますが、使い切りや流用を改善するためには、例えば予算の国会議決単位を10億円単位(ちなみに現在は千円単位)ぐらいまで引き上げると、ちりもつもればで結構効果があるような気もします。ただ、これは役人の裁量権の拡大ですから、およそ役人は政治家・国民の意思決定に機械的に従うべき、という立場の人からは歓迎されないでしょうし、まあ、いろんな意味での裁量権の濫用にもつながるわけで、多分不正も増えるでしょう。だから、そこはトレードオフということで、使い切りなりの弊害と、それへの対応策による副作用と、比較して後者が大きいなら現状は必要悪と割り切った方が効率的なわけですし。結局私の基本的立場は現状維持派なのですが、だってそんな効率化のための裁量権拡大なんて、一時認められてもそのうち諸悪の根源として袋叩きにあうのが目に見えてますから(笑)。

kawakami18kawakami18 2004/05/31 11:11 私が聞いたところだと、その年は20を返上して、実際の決算は80。翌年度は80+(20/2)で90もらえるそうです。>yosanoさん

rakrak 2004/06/07 00:25 要は仕事内容を評価して、予算内容を監査すればよろしいのでは。毎回やるとコストがかかるので、抜き打ちでやり、結果を人事考課に反映すると。

roi_dantonroi_danton 2004/06/27 04:10 このサイトを知ったのが先ほどなので、少し時期を外しつつありますが。民、官双方で労働経験がある立場で言えば、現場の裁量権が前提の民と、説明責任が発生する官では、同様には行かないと思います。実際、世間で「あそこは無駄が多いのでは?」と思われているところほど、流用その他の運用が厳格な気がします。もう少しはっきり言えば、非公共事業官庁は、公共事業官庁に比較して、ルーズな運用が多い(と、自分が数省庁に出向してみて思うのでした)。

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