一太郎!一太郎!一太郎!

○○省Word使用推進委員会××局分会代表(自称)、均等割付上等!のkanryoです。
さて当推進委員会では、以前より、一太郎に代わってWordの使用範囲拡大を提言・実行してまいりましたが、霞が関においては、依然として日本語ワープロソフトとしての一太郎の優位は揺るぎない状況です。(pogemutaさんのところ参照)
民間企業等においては、今や基本的にWordがデフォルトワープロソフトであること、また役所の一太郎につきあわせることによって二重投資をさせていること、Excel等の他のマイクロソフトオフィスソフトとの連動がしやすいこと等から運動を推進しているところでありますが、しかし、依然として日本語ワープロとしての一太郎の便利さは抜きんでております。
さて、なぜ霞が関では一太郎が優位なのでしょうか。四つの理由が考えられます。
ひとつめ(この理由はかなり怪しいですが)。国内ソフトウェア産業保護・育成のため。霞が関一太郎を使用し続けることで、霞が関と文書のやりとりをする地方公共団体、企業、その他団体は一太郎を使わざるを得ません。もし霞が関一太郎の使用をやめたら、一太郎は全く売れなくなるでしょう。ただし、霞が関内部で「一太郎を使おう」という取り決めがあるとは聞きませんので、この理由は怪しいです。
二つ目。すでにコメント欄で「同業者」さんが指摘されているとおり、一太郎が「日本語ワープロ」であるのに対し、Wordは「英文ワープロの日本語対応版」にしかすぎない、ということです。この違いは、日本語の文章と英語の文章の構造的な違いに根差すものではないかと思っています。というのも、英語では文章の最小単位が「単語」であるのに対し、日本語は「文字」だからです。一行の割付、文末処理、行間の開け方、インデント処理、罫線の扱い、罫線によって囲まれた範囲の文章の処理等々において、一太郎の方が日本語を扱いやすい、というのは多くの方に同意していただけるのではないでしょうか。
たぶんWordでも設定次第でどうにかなるのでしょうが、多くの役人にとっては、そこまではようやらんわ、という感じです。
三つ目。これは役所側の問題ですが、役人は文書の「美しさ」に異常にこだわる習性があることです。文書番号と日付の割付幅を同じにしたいとか、インデント後の文字の整列がきっちりしているとか、ひっじょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーに些末なことに上がこだわるので、下はなぜか苦労します。
役人は前例踏襲なので、すなわち大昔に印刷所に外注して作っていたような文書ひな形、書式を極力維持しようとします。文書のプロである印刷所が作ったそれらの書式は、当然のごとく美しいものです。それを再現しようと思ったら、Wordでは限界があります(二つ目の理由により)。そのため、今に至るも「美しい文書」を作るために、一太郎が多用されるわけです。
四つ目。役所にワープロ・パソコンが普及したのは90年代のことですが、そのときにはWordが使われていなかった、ということです。役所によって一太郎だったりOASYSだったりしましたが(書院もあったかな)、いずれにせよWordが入ってきたのは後からです。そして、パソコン普及黎明期に一太郎ワープロを覚えた人は、Wordが入ってきても一太郎です。そして、先輩が使っていることから、新入社員も一太郎です。こうして一太郎の呪縛が続いていきます。
とまぁこのような理由で一太郎霞が関で使われ続けています。この呪縛はなかなか解けません。Wordの日本語表現力の向上、あるいはOOoあたりできっちり日本語表現ができるようになればいいのですが…。OOoも基本は英文ワープロだからなぁ。