2012-06-04 一枝の花
一枝の花

樹木の葉っぱの色がまた濃くなったような気がします。
若草色、萌黄色、若緑の葉っぱが折り重なり、
頭上からと左右からと…三方を覆います。
まばゆいばかりの新緑の中を歩いていきます。

細尾根の登山道はしだいに急峻となり、足元ばかりを見て歩きます。
銀竜草(ギンリョウソウ)が土から頭を出していました。
竜の形にも見えますが、その透明な姿は絵本の中のユーレイを想像します。
小さなツクバネソウやタニギキョウなどの
草花がひっそりと咲いていました。

今年は例年になく、たくさんのシャクナゲの花と
出会うことができましたが、
みずみずしいピンクの色彩は、緑を深めた樹木によく似合っていました。

開花時期の短い白い花は、
旬を過ぎて、美しい散花を地面に残していました。
白い花が、わたしに語りかけます。
“年々歳々花相似たり…”
「時期がくれば毎年同じように、咲きますよ。
また、出会いに来てくださいね。」と
そっと耳元で呟いたように思いました。
何のために
生きているのだろう
何を喜びにしたら
よいのだろう
これからどうなるのだろう
その時 私の横に
あなたが一枝の花を
置いてくれた
力を抜ぬいて
重みのままに咲いている
美しい花だった <星野富弘>


