0.5%と0.00%の差

『09年上半期<私の>すごいヒット賞』
勝手に選んだ「キリン フリー」、
何だかすごい売れてるみたいです。


8月5日に発表になった年間販売目標数をみると、
発売した4月: 63万ケース(大びん換算)だったのに、
5月になって:160万ケースへ上方修正、
そして8月に:250万ケースへ再度上方修正しました!


はじめの目標の約4倍。
ちなみに160万ケースは、
7月下旬には達成してしまったのだとか。


すごいですね〜。


で、「売れてるなぁ」と思いつつ、
以前あった商品「キリン モルトスカッシュ」を
思い出してしまいました。


一応同じ「ノンアルコールビール」なのに、
この売れ方の差。
(あ、詳しい数字は知りませんが、
 売り場でもあまり見なかったような……)
キリンさんのホームページを見たら、
もう製造終了みたいです。

一つのビジネスを成功させるのには、
学ぶべきこと、やるべきことが無数にある。
成功するためには、それを全部学ばなければならない。
そのうち八〇%を学んでも平均的な成功しかできない。


野球選手も、一〇回の打席のうち、
三回ヒットを打つ人間は二回ヒットを打つ人間の二〇、三〇倍稼ぐ。
(中略)
たった一回の差が、信じられない差を生む。


競馬でも、一位と二位では何倍もの賞金額の差がある。
最後の一〇%のつめが数倍の収入の格差を生む。
一位の馬が数倍の速さで走ったわけでもなく、
数倍の距離を走ったわけではない。


ほんのわずかな差が勝負を決める。


ユダヤ人大富豪の教え』(本田健


アルコール0.5%って、ほとんど入ってないと同じですが、
0.00%にすることで、こんなに売れ方が違っちゃうんですね。


「微差が大差を生む」

(ちなみに、0.00%にしてビール味を出すって
 相当の技術らしいです)


今の飲酒運転に対する厳しさが
「キリン フリー」の売れ行きにつながったのかもしれませんが、
「キリン モルトスカッシュ」との存在感の差を感じずにはいられません。


そういえばアサヒビールさんも
0.00%のノンアルコールビールを来月くらい?に
発売するそうです。


0.00%は「キリン フリー」しかなかったので、
アサヒビールさんから出るのは嬉しい。
飲み比べてみたいです。


そうそう、先日キリンビールさんに仕事でお邪魔したら、
お茶じゃなくて「キリン フリー」が出てきました!
仕事中に「プシュッ!」と缶を開け、
泡の出るものをコップに注ぐと、つい反射的に
「乾杯!」のしぐさで、コップをあわせてしまいました(笑)



【今日の1%】


微差を大事にする。もうひとつ、完成度を高める。

何が似合うかでなく、どう見せたいか。

ファッションのこだわりはありますか?


週末の午前中、美容院で髪を切ってきました。
美容師さんといろいろ話をしているうちに、
ファッション論の話に。


店長でもある彼は、


「自分は一流であるものと、どうでもいいものしか着ない。
 ファッションの中間層をすべて取り去った」


といいます。
ファッションの中間層とは、
ちょっといいTシャツとかGパンとか、
いわゆるフツーの格好で、人口的には最も多いゾーン。


たくさんあったスニーカーやジーンズは
最低限の数にして、捨ててしまったのだとか。
普段、近所へ買い物へ行く時、ゴミを捨てるときは
「どーでもいい服」
「Tシャツでどっちが似合うかなと
 悩むなんて時間の無駄。
 寝ていた方がいい」
なのだそうです。


一流を身につける時以外は、
まったく頓着しないようにしたのだそう。


両極をいく彼のファッションは、
普段は、磨かれた皮靴に細身のスーツ。
ネクタイにポケットチーフで、
どちらかとトラディショナルな雰囲気。
(男性のファッションを説明する
 ボキャブラリーが少ないですね。すみません)


そもそも、彼のファッション美学は
「靴」から始まったのだそうです。
職人が作ったその靴にあう靴下は? スーツは? 時計は?
そして、髪型は? という具合で。


そうすると、「あれもこれも」がなくなって
物欲がなくなるのだとか。
必要なものを買い足すだけ。


自分の軸をつくり、
他を切り捨てるいさぎよさが、
彼の際立った個性をつくっているのかと
話をしながらしみじみ思った私。


多分45歳くらいの彼は、
いつも背筋も伸び、
ファッションと彼のキャラクターが融合して、
おしゃれであり、
個性的な独特の雰囲気を醸し出しています。

個性という言葉の語源はペルソナ(仮面)ですよね。


それがパーソナリティ(個性)になった。
ペルソナは猫っかぶりになるという意味ではない。


何かに「なる」ということです。


何になりたいかは「好み」によります。


『多読術』(松岡正剛


髪を切ってもらいながら、
ファッションとは、自分を表現する一つの手段であり、
「何が似合うか」よりも
「どういう自分でありたいか」

のだと、再確認した次第です。


はてさて、自分はどうなのか。
どういう自分でありたいのか。
考えています。



【今日の1%】


洋服を買うときは
どんな自分でありたいか、ちゃんと考える。