「翔さん」と呼ばれる人

1月の末、そろそろだなと思っていた。そして時は巡り、日をめくり、それはとっくにどこか遠くに。
ごめん、翔さん(35)。「しやがれ」や「ニノさん」の録画が3回分たまる忙しさだったので、薄情なファンを許してほしい。
2004年には「Unti-Unti」で自嘲と誇りの混ざったアイドル像を提示し、世界中が敵のように見えていた櫻井が、今や朝から「目を合わせ ウインクして手を振って 想像してみよう 皆の夢が叶うって!」ジョン・レノンのように想像を促してくる。
厳しすぎる、櫻井のアイドル道。もはや控えめに「アイドルがどれほどのもんか私は知っている」と応援するくらいでは許してくれない。彼のファンでいようと思ったら、自分も目の前の誰かにファンサして、しかも明るい未来を想像しなければならないのである。何度も心のなかで実践してみたが、実際に通勤途中でやる勇気はなかった。

この曲の中で一番好きな歌詞は「世界は味方さ」である。櫻井がそれを言うのかと意外で、それだけに説得力もあって好きだ。
それでいて、Good dayはIt's up to you、あなた次第だという突き放し方。どんな日でも気の持ちようだよ、とも読めるが、条件は整った、あとは君次第、と言っているように私には聞こえる。こちらはストレートに櫻井らしくて好きだ。
味方だらけの世界で、櫻井は次になにをするのか。40になっても50になっても、きっとあなたはかっこいい。