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浅草芸人 〜エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史〜 (マイナビ新書)
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第25回(2012年)大衆文学研究賞・大衆文化部門を受賞しました!








2010-03-03(Wed)

博多大吉の、一風変わった「批評エンターテイメント」

| 博多大吉の、一風変わった「批評エンターテイメント」を含むブックマーク 博多大吉の、一風変わった「批評エンターテイメント」のブックマークコメント

年齢学序説

年齢学序説

選ばれし者は26歳の時に時代を掴む!?芸人、アスリート、歌手、漫画家、格闘家、アニメ主人公…ありとあらゆるジャンルを調べ尽くして発見した、「年齢に隠された成功の秘密」とは。

 博多大吉の「年齢学序説」を読んだ。

 タイトルからはまったく想像できないが、この本は、かなり突っ込んだ芸人論・バラエティ番組論となっている。


「あとがきのあとがき」によると、本書の企画は、3年前の「やりすぎコージー」の特番で博多大吉が披露した「26歳の時に芸人は成功を確定させる」という都市伝説から生まれたのだという。

「26歳の法則」。すなわち、ダウンタウンが「ガキの使い」を始めた時の年齢が26歳で、とんねるずが「みなさんのおかげです」を始めた時の年齢が26歳。さらに、ウッチャンナンチャン志村けん明石家さんまナインティナインにも、この法則が当てはまるのだと博多大吉は説く。そしてスポーツ選手やミュージシャン、漫画家、格闘家などにも筆が及ぶ(まさかこの本に、佐山聡の名前が出てくるとは思わなかった)。

 これらの独自の理論は、さらに「38歳の法則」へと続いてゆく。


 正直に言うと、もしも「年齢学」の段階で留まっていたら、それは単に偶然の集積にすぎないと思う。ほとんどオカルトに近い。

 しかし著者はそこから、「アメトーーク」に出演している時のように、飄々とした語り口で「批評エンターテイメント」を繰り広げる。

 数々の大物芸人に関する、小林信彦のような的確な批評とともに、「元気が出るテレビ」や「めちゃイケ」などの歴史的なバラエティ番組や「雛壇」のシステムについての分析、そして芸人という職業そのものや、自分自身の人生にまで踏み込んで論を進めてゆくのである。

 そこにオカルトの要素は皆無である。


 そしてまた、インドを旅することによって自らを見つめ直したという、青春時代の稀有な体験を記したくだりは、クールな筆致でありながら、むやみに熱くて泣ける。


 本書のオビの惹句を、「批評エンターテイメント」の先達である水道橋博士が書いている。

この本は論文の態をとりながらも、偉人伝、芸論、バラエティ史、スポーツ史、自叙伝など万華鏡の如く論の変転を見せる。ひとたび読み進めば、読者は、そんなバカなと首を振りつつ、この我田引水な珍説、博覧強記なムダ知識、そして牽強付会な引用、いや牽強不可解なる異世界へと導かれてしまう。

 この紹介文は、まさに的を射ている。

「偉人伝、芸論、バラエティ史、スポーツ史、自叙伝など万華鏡の如く論の変転を見せる」という評語は、そのまま浅草キッドの芸風にも当てはまるが、まさに本書は浅草キッドの著書のように、論理と非論理を行き来する、人を食った内容であるとも言える。


 すなわち本書は、2010年における「日本の喜劇人」であり「深夜特急」であり「お笑い男の星座」なのである。

 芸能界の内側にいることのメリットを最大限に生かしつつ、「外側からの視点」を保っている点でも、希有な本。面白いです。

日本の喜劇人 (新潮文庫)

日本の喜劇人 (新潮文庫)

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

ll 2010/03/04 22:20 昨日たまたま沢木耕太郎の「旅する力」を読んだんですが、彼が深夜特急の旅に出たのも、26歳の時だったそうです。
この本で、猿岩石の旅について採り上げられていますけど、2008年11月に出た本なのに、猿岩石は消えたという記述だけで、その後の有吉復活について書いてないというのが本筋に関係ないですが一番印象に残りました。

セサミセサミ 2010/03/05 20:16 知らんがな

karatedoukaratedou 2010/03/11 01:42 ひ、ひどい(笑)>知らんがな

沢木耕太郎の本、読んでないです。
2008年11月といえば、有吉は「あだ名芸」で完全に再ブレイクを果たしていて、翌年「バカに見つかる」発言があったんですけど、沢木耕太郎には見つかってなかったみたいですね(笑)

サンガサンガ 2010/03/17 14:13 まぁ、やすきよや所ジョージ、加藤茶、ビートたけしなんかに言及していないとすれば本当に(法則は)たまたまでしょう。
オカルトでいうなら「東原亜希さんのデスノート伝説」が……。

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