「アメトーーク」、「マネージャーほったらかし芸人」を見る。ゲストは全員吉本芸人。
「お笑い番組」として面白いか面白くないかと言えば、あんまり面白くない(笑)。
でも「笑ってコラえて」とか「シルシルミシル」みたいな感じで、吉本芸人とそのマネージャーいう「特殊な職業」を知るためのドキュメントとして見ると愉しかった。
今のお笑いブームの屋台骨を作ると共に、次世代への橋渡しの準備をしている第一人者は、間違いなく吉本興業だ。
その吉本が、タレントをどのように管理しているのか、そのほんの一端が垣間見れて興味深かった。
吉本は、ひとりのマネージャーが複数のタレントを担当する。なので、現場にマネージャーが来ないのもしばしば。そして、基本的にほったらかし。
ツイッターでいろんな方に教えていただいたのだが、どうやら業界内でも特殊に見られている様子。
吉本興業は1912年の創業以来、前近代の経営理論をまだ引きずっているところがある。調べていけばブラックな部分が山ほど出てきそう。でも「夢を売る商売」だから大目に見られているのだろう。
よく聞く話なんだけど、吉本では、自己プロデュースできる芸人しか生き残っていけない。
ナベプロみたいに、手取り足取り指導してくれるわけじゃない。
つまり、吉本のマネージャーにとっては、忙しくて指導どころじゃないんでしょうね。
「アメトーーク」では、そこまで描かれていたわけじゃないけど、あのほったらかし具合から、そんなサバイバルな雰囲気が伝わってくる。
それでもアメとムチの使い方が絶妙で、かつ才能ある芸人(または金になる芸人)を徹底的にプッシュするから、テレビ界であそこまで勢力を拡大したのだと思う。
結果論かもしれないが、吉本は嗅覚の確かな社員じゃないと出世できない印象。芸能プロダクションとしては健全なことだと思う。
たとえば、吉本には「世間的には売れてないけど間違いなく才能ある」っていう芸人がものすごく多いけれど、そういう芸人は劇場や営業に出させて、ちゃんと芸だけで食べさせてあげるっていう方針は素晴らしいと思う。
創業者の吉本せいと林正之助の姉弟は、特定の芸人を贔屓する姿勢を貫いた。その結果反旗を翻した芸人もいたが、それ以上に、発憤して力を伸ばす芸人も多かったようだ。吉本の経営方針は、おそらくそういった経験から生まれたんだろう。
やすきよの元マネージャー、木村政雄の本で読んだけど、吉本興業は「マネージャーは芸人を『師匠』と呼ばず、『さん付け』で統一する」「マネージャーは芸人のカバンを持たない」のを徹底してるらしい。
今回の番組によれば、フジモンや宮川大輔クラスでも、モーニングコールもないし、自宅に迎えに行くこともしない。*1 ある意味近代的なのかなぁ?
それで思い出したんだけど、ビートたけしが太田プロの時代についてた菊池マネージャーは、朝起こしに行って、服まで着せてあげていた(靴下まで!)。もちろん運転手も兼ねて。よく考えたらこっちのほうが吉本よりも前近代的だ。
なんだかんだ言いつつ、「アメトーーク」に出られるクラスの芸人さんたちは、吉本への「愛社精神」を持ってるんだと思う。だからこそ文句も山ほど言いたがる。
興味深い企画でした。