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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2008-10-16

[][]ストライクウィッチーズVSリリカルなのは 「作戦と決着」


ストライクウィッチーズVSリリカルなのは 「赤い悪魔の襲来」

ストライクウィッチーズVSリリカルなのは 「エイラの奮闘と反撃ののろし」


の続きです。ストライクウィッチーズとなのはのSS


ついに決着!

今回は、一個、原作に無い要素が入っています。

もし、そういうのがいやな方がいたら、ごめんなさい。

(そうしなくても良かったんだけれど、やりたかったんですよ)


コメントやブクマをしてくださった方本当にありがとうございます!

反応が無かったら書ききれませんでした。(モチベーション的に)


そして、全部読んでくださって、

もし、何か思うところがあったら、何か言ってくださると超うれしいです。



ストライクウィッチーズVSリリカルなのは 「作戦と決着」


作:046


 強い光が目を刺す。

 実兵器による発光。

 魔力の気配がしなかったので、ハッキリ言って油断していた。いや、攻撃だったなら、接触する前に防御できる自信はあった。しかし、光を放つという搦め手は予想外だった。

 海面すれすれの海上で、ヴィータは足を止めた。

 視力が奪わる。

「くそ」

 ヴィータは小さく呟いた。

 しかし、ヴィータはそんな中焦らずに、冷静に魔力を感知する。

(近くにいた、あの白くて青い魔術師は、離れていく。前方から三人、上方から二人、急速にこちらに近づいてくる)

 どうやら相手方は、この機会を生かして攻め立てる気だ。

 目前の風景は、しだいに輪郭を取り戻してはいるが、まだぼやけている。しかし、ヴィータは焦らない。

「来るなら来い!」

 ヴィータは足を止めたまま迎え撃つ。

 圧倒的な力の差は先の戦闘で確認済み。向こうから迫ってきてくれるなら、丁度いい。ヴィータは逆にこれを機に一気に仕留めてしまう気であった。

 敵の攻撃の気配を感じて、前方にシールドを張る。

 ピスピス、とヴィータのシールドに攻撃があたるが、ビクともしない。たぶん、魔力を付加した銃撃だ。

 前方に迫る敵の魔力気配がもう目前だ。薄っすらと空気の震える音も聞こえる。

 視界は、まだ完全ではない。だが、ぼやけた色の境目は確認できるぐらいに回復している。これだけ見えていれば――十分。

 まずは左右から一人ずつ同時に。そして少し送れて正面に一人の三人。上方にいる二人は、タイミングをずらして来るらしい。

 ぼやけた目に、うっすらと点が見える。あと数秒で邂逅する距離だ。

 ヴィータは、グラーフアイゼンを大きく振りかぶった。

 プロペラの音が大きくなる。

 接近まであと三秒。ヴィータは心の中でタイミングを取る。

 小さい点は黒い二つの円になり、大きさを増していく。

 二、一。

「……あれ?」

 左右両脇からヴィータに絞るように迫ってきた二人が、接近まじかにして、また左右に折れて、ヴィータのすぐ横を爆速で通り過ぎていく。

 海面すれすれで飛ぶ二人により、海水が大きく騒ぎ、ヴィータに浴びせられる。

 と同時に左後方のから、

「シュツルム」

 という叫び声が聞こえると、辺り一体の海水が、ヴィータを中心にして急に巻き上げられた。

(ああ、囮と目眩ましか)

 ヴィータは冷静に、敵の手を分析する。

 風の魔法を使って、水を巻き上げてヴィータの視界を遮るのが目的だろう。ということは、本命は正面の一人と、それとほぼ同時にやってくる上方の二人。

 ヴィータは左手の指の隙間に、三つの「シュワルベフリーゲン」の媒体球を召還した。

 そして、それを中空に放り、

「てぇぇぇぇぇ」

 という掛け声と共に、前方の視界を大きく隔てる水の壁に向かって打ち込んだ。方向は魔力の気配で感じ取った前方と上方の敵に向かっている。

 水の壁が、大きくはぜて四散する。あたりに大きく水が飛び散る。

 水の壁が無くなり、ほとんど回復した目前には、一球の「シュワルベフリーゲン」にあたる直前になる敵の姿が迫っていた。

 ほぼ直線的にこちらに迫る、濃い蒼の服を着た一人の魔導師は、今にも「シュワルベフリーゲン」の餌食になるところであった。

(よし、もらった)

 ヴィータが心の中で確信した時――思わぬ事態がヴィータを襲った。

「トネーーーーーールゥ!」

 正面の魔導師から、凄まじい魔力の反応を感じる。

 「シュワルベフリーゲン」が打ち落とされて爆散する。

 その煙の奥から、白く光る線。

 一瞬。

 雷。

「くぅ!」

 ヴィータが防御する隙は無かった。雷の凄まじい速度に対応できるはずが無かった。

 血液が、ドクン、と脈打つような衝撃が体全体を走る。

 先ほど浴びせかけられて海水により、その攻撃はバリアジャケットの防御量を超えた攻撃となっていた。

 これはヴィータにとって予想外の攻撃だった。相手の攻撃方法が、魔法強化された銃撃による攻撃のみだと思い込んでいたヴィータの油断が可能にした攻撃だった。もし、ヴィータが魔法攻撃を警戒し、攻撃前に、シールドやフィールド防御魔法を展開していたら成功していなかった攻撃。

 全身に焼けるような痛み。

 導電物質を身にまとった状態での、強力な電気攻撃を受けてなお、ヴィータは気を失うことは無かった。

 ベルカの騎士ヴィータは、この程度の攻撃ではやられはしない。

 雷撃による攻撃に立ち直る前に、上方から二人の魔術師が迫ってくる。

 全身から白い煙を燻らせたヴィータが上方に目を向けて見たものもまた――信じられない光景だった。

 上方から迫ってくる二人の魔術師は、前後に編隊を組んでヴィータに近づいていた。

 ヴィータでさえ舌を巻く持ち前の速力と、高高度からの重力による加速で、その速度は凄まじいものとなっていた。

 そして、驚きの理由は、編隊の前方の魔術師だ。その魔術師は、ヴィータが放った「シュワルベフリーゲン」二つをシールドにくっつけ、耐えていたのである。

 ヴィータはここで思い出した。

 最初の奇襲で、唯一「シュワルベフリーゲン」を防御しきった魔術師がいたことを。

 そして、ヴィータにはもう思考をする時間は残されていなかった。

 深くダメージの残る体で出来る、迫る敵に対する選択肢は二つ。

 防御か攻撃。

 ヴィータの選択はもちろん決まっている。

 ヴィータはグラーフアイゼンのカートリッジをリロードして、構える。

 『鉄槌の騎士』ヴィータは決して引かない。

 邂逅の直前、シールドで「シュワルベフリーゲン」を防御しきった魔導師は、戦闘線から外れる。

 その後ろにいた、片目に魔力を帯びた魔導師の手には大剣が握られていた。

 大剣。

 持ち主の体躯を軽く凌ぐ、倍以上ある大きな剣だった。

 魔力を込めたその剣を、大上段に構えてヴィータに迫る。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「でやぁぁぁぁぁぁぁ」

 魔導師の大剣とヴィータのグラーフアイゼンが衝突したとき、辺り一面に衝撃の渦が巻き起こった。そして――。


   *


 山金造波文蛭巻大太刀。やまがねづくりはもんひるまきのおおだち。

 坂本は愛用の刀である「正国」を置き、今回使ったのが、山金造波文蛭巻大太刀、通称「ねねきり丸」だった。

 ウィッチーズが立てた作戦は、まずエイラの回避による時間稼ぎ。エイラが時間を稼いでる間に攻撃の準備。攻撃は主に二つ。通常の攻撃では通じないということを、ゲルトルートが教えてくれたので、選択可能な中で、最大と思われるものを選んだ。

 一つは、ペリーヌのトネール。

 そしてもう一つは、魔力を込めた「ねねきる丸」による坂本の一撃である。

 「ねねきる丸」。全長三メートル半。刀長二メートル以上の巨大な刀。ウィッチ以外には到底操れないその刀は、もしもの時のために扶桑から坂本が持ってきた物であった。

 「ねねきり丸」は、化け物を切るための宝刀。相手にとって不足は無かった。

 しかし、さすがの坂本も、「ねねきり丸」を持って、立ち回り、相手の攻撃を避けながら相手に打ち込むのは無理がある。それにペリーヌのトネールも、相手に海水を浴びせれば、攻撃力が飛躍的に増す。

 なので、まず、シャーリーとハルトマンにより、陽動と準備。また、十分に動けない坂本の防御役として宮藤という布陣で、作戦を実行した。

 そして、攻撃作戦自体は成功を収めた。

 見事に二つの攻撃を相手に届かせた。

 だが――、坂本は焦っていた。

 ペリーヌの必殺の一撃を受けたにも関わらず赤い少女を撃墜するにいたらなかった。それに「ねねきり丸」いよる坂本の渾身の一撃を、あろうことか少女の槌で防いだのだ。

 赤い少女の槌と、坂本の「ねねきり丸」がぶつかる。

 ドゴン、という腹に響く低音。

 あたり一面に、体全体が身震いするような衝撃が辺りに伝わる。

 その衝撃たるや凄まじいもので、坂本は思わず気を失いそうになった。

 海が、その震源を中心に波立つ。

 震源上空の雲が散る。

 槌と刀が、お互いの衝撃で弾かれて、その持ち主達に距離が出来る。

 坂本のこめかみ汗が流れる。

 こいつは化け物か。

 倒せなかった。ペリーヌのトネールや坂本の最大の攻撃を持ってしても、倒せなかった。

 策はもう無い。

 坂本は、覚悟を決めた。撤退だ。最悪、坂本が囮となり、仲間達を逃がそう。そう覚悟した。

「おい」

 そんな坂本に、突然、目の前の赤い少女が声をかけてきた。声は、やはり距離に関わらず、不思議と耳元で聞こえる。

「お前、それ……、ロストロギアか何かか?」

 赤い少女は、それと言って、「ねねきり丸」を指差した。

「ロスト……? な、なんだそれ?」

 坂本は大きな声で返答する。

「しらねぇか。まぁそうだろうな。でも、その魔具のせいで、ちっさいけど次元振が起こっちまった。たぶん警戒網を強めてる管理局に気がつかれた。だから、この戦いはもうおしまいだ」

 赤い少女は、何を言っているのかよく分からないことを言った。だが、最後のところだけはわかった。

「なに! それはどういう……」

「だーかーらー。もう引いてやるっていってるんだよ。ありがたく思いな」

 ふん、と言いながら、赤い少女は坂本に背中を向けた。そして、ゆっくりと去っていく。

「おい」

「安心しな。もう来ねーよ。それに、お仲間は、さっきの戦闘空域の下で、すやすや眠ってるよ」

 そして、赤い少女は、かなたへ消えていった。



   エピローグ



 あれから二週間がたった。

 あれ以来、あの赤い少女は現れていない。

 あの後、最初の戦闘で撃墜された者達を助けに行って保護した。なぜか知らないが、一週間ほど魔法が使えなかったが、最近では完全に回復している。

 あの赤い少女はなんだったのだろう。

 そんなことを考えながら、早朝自主訓練を終えた坂本は、表門から基地に帰っていた。その途中、門の前に誰かがいた。

 見慣れない服来た三人。一人は車椅子に乗っている。門の前でなにやら話している。

「あの、何か御用でしょうか?」

 坂本は三人の後ろから声をかけた。振り返る三人。

 その中に、一人、見知った顔があった。

「お、お前は!」

 真っ赤に燃えるような色の髪の少女は、あの襲撃を行った少女に間違いなかった。服こそ、あの時のドレスのような物では無く、髑髏の絵がある簡素なシャツではあるが、この顔はよく覚えていた。

「あの〜、この基地の方ですか?」

 車椅子の少女が、坂本に声を掛ける。イントネーションが、扶桑のある地域のものと良く似ていた。

「え、ええ、そうですが」

 うろたえる坂本は正直に答える。

「よかったぁ。呼び鈴みたいなもんがないから、どうしたらいいのか迷ってんたんですよ」

 車椅子に乗る少女が、笑みを浮かべる。

「な、なんの御用でしょうか」

 坂本の声が上ずる。あの化け物じみた力を持つ少女がまた来たのだ。無理は無い。

「先日は、うちのヴィータが、エライ迷惑をかけたみたいで。ほら、ヴィータ謝りなさい」

 そう言って、車椅子に乗る少女は、ヴィータと言われた赤い少女を睨みつける。

「す、すいませんです」

 赤い少女は、ほんとうにすまなそうに、素直に頭を下げる。

 坂本は――絶句した。

「あの、これつまらないものですが、よかったらみんなで食べてください」

 車椅子の後ろにいた、金髪のやさしい顔をした、車椅子と赤い少女に比べてだいぶ歳のいっているように見える女性が、何か長方形の箱を坂本に手渡す。その装飾は何か、扶桑で言うところの、お詫びの品的なものに酷似していた。

「え、あ、はい」

 坂本は状況の推移についていけなかった。

「怪我とかされた方、いるんですよねぇ」

「それは、まぁ、ええ」

「ああ! もう! ヴィータ!」

「あ、その、ごめんなさい」

 赤い化け物じみた力を持つ少女は、しゅんと小さくなって詫びを入れる。

「いえ、もう、そのことは」

 坂本は、なんだか小さい少女が可哀想になり、そう言った。

「ホントですか? でも、ホントすいませんでした」

 十歳ぐらいの車椅子に乗る少女は、実に丁寧に頭を下げる。

「では、私達はそろそろ行かなくてはいけないので」

 金髪の女性はそう言って、もう一度赤い少女が、ごめんなさい、と謝ると、三人は何処かに行ってしまった。

「……」

 坂本は、箱を持って立ち尽くす。

 あれは、一体、なんなんだろう。そして、坂本は小さく呟く。

「……なんで、あんなに、いっぱいズボンを履いてるんだ?」


おしまい



<参考リンク>

【4Gamer.net】 − 剣と魔法の博物館 − 週刊連載:「祢々切丸」

ねねきり丸の解説


日光二荒山神社

本物(?)のねねきり丸


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