2008-10-28
■[サイト論]レビューサイトの方針 点と線と面のレビュー
karimikarimiはたぶんカテゴリーとしてはレビューサイトになると思います。
前回の記事でヘドバンしながらエロ漫画!のへどばんさんがコメントで、
レビューの方式についての言及がありました。
その返事を書きながら思ったことを書きます。
内容は、レビューサイトの体系についてのカテゴライズ。
その特徴などを交えながら徒然と。
点と線と面
まず、レビューサイトの軸として以下の図のような軸を用意します。
縦が「歴史的位置」軸
この軸は、レビュー対象が、歴史的にはどういう位置にいるかということを示しています。
もし過去の作品をレビューする場合なら、
それはどういう流れできて、後にどういう風に影響を残したのかなどを論じます。
横が「役割的位置」軸
この軸は、レビュー対象が、同時代の作品群の中でどういう位置にいるかという事を示しています。
雑誌の方向性の事情や、社会的な情勢などを論じます。
この二つの軸を用意して、レビューを以下のように分けて説明していきます。
- 点
- 線
- 面
点のレビュー
点のレビューでは、基本的にその作品にしか触れません。
一つの作品について、ひたすら語ります。
この形式のレビューは、基本的に速さ、量、ユーモアが求められます。
手軽な反面、競合するサイトが非常に多いので、
差別化やそうとうのユーモアなどが無いと盛り上がりが厳しい。
(ただ、自己確認としてのレビューサイトも多いので、皆盛り上がりたいというわけではない)
差別化としては、深さを深くする(考察)、
とにかくすぐにレビューする(早さ)
ジャンルの絞込み(隙間産業)などがある。
ニュースサイトなどに補足されにくく、ピークが低くなりがち。
だがしかし、同じジャンルのことを語りまくるので、常連さんがつきやすい。
私のブログの記事で言うと、
ストライクウィッチーズ第02話の演出の解説 監督の高村和宏がすごい件
漫画好きにオススメのエロ漫画 掘骨砕三「下水街」「夜に虚就く」
また、他サイトさんでいうと、
ヘドバンしながらエロ漫画!さん(エロ漫画:ジャンル、量、語り口)
noir_kかくかたりき改めnoir_kはこう言った(アニメ:考察)
(ただ、ここで上げた方は、しばしば次の線のレビューを取り混ぜます)
線のレビュー
線のレビューは、歴史的または役割的に語るレビュー。
例えば、ジャンプで例を挙げます。
テニスの王子様を語るときに、
などのジャンプバカ漫画という系譜をたどり、果ては梶原一騎などに言及するのが線(縦)の歴史的レビュー。
初恋限定を語るときに、とらぶるの存在やその時のジャンプでの立ち位置、
また、他雑誌の同系統漫画(瀬尾公治先生のとか)の人気スジなどを語るのが線(横)の役割的レビュー。(流行という物に大きく関与)
この形式のレビューは、基本的にある程度の知識が必要なる。
といっても、そこまで知らなくても出来るといえば出来る。
また、点のレビューをやるような人は、多読、多観、
の人が多いので(当然だが)、時折このようなレビューをする。
比較的他人に言及されやすく、取り上げられやすい。
その反面、記事にムラが出来やすく、常連がつきにくい。
よもするとカテゴライズだけで終わってしまうので、
そこで、なんらかの主張やら発見を織り交ぜないと、つまらないものになる。
さらに、基本的に評価方法が比較であるため、作品をある程度客観視できないといけない。
単純な好みでは説得力が欠ける。
私のブログの記事で言うと、
ストライクウィッチーズでゲルトのパンツが喋るシーンの演出意図を徹底解説(歴史的位置)
また、他サイトさんでいうと、
WebLab.ota:テニスの王子様をどう評価するか?評価できるのか?(歴史的位置)
きなこ餅コミック:町田ひらくの少女は叫ばない〜10余年と10年前のインタビュー〜(歴史的位置)
面のレビュー
線のレビューは、歴史的と役割的を語るレビュー。
例えば、先ほどのテニスの王子様を語る場合では、
先ほどの作品群の歴史的経緯に加えて、同時代の「腐女子」の存在、
BLのマーケット、他のBL的作品(ブリーチなど)との関係、などを多角的に語るレビュー。
この形式のレビューは、割と深い知識が要求される。
また、記事を作成するのが非常に面倒。
そして、レビューサイトではあまり行われない。
結論や主張はあまりなく、まとめやその作品の立ち位置の確認、
ジャンルや分野全体を語る時などに使われる。
他サイトでいうと、
まとめ
サイト論、ブログ論、ニュースサイト論はよく目にするんですが、
レビューサイト論は、あまりない気がします。
レビューサイト自体のレビューはニュースサイトにまかせっきりで、
自分たちではあまりやらない気がする。
(というか、レビューサイトという物の性質上、出来ないという方が正しいかも)
なので、何でもレビューする、方向性の意味不明な、karimikarimiでちょっとやってみました。
というか、このブログの基本姿勢が、
「あんまりみんなやってない事をやろう」みたいな感じなので、
そういう意味ではうちのブログらしい記事とも言えるかもしれません。
同じサイト中でも、複数の方向性でレビューを行います。
(つーか、線と面、方向だけとか、無理。有名だったり面白い点レビューサイトは、普通に線を使います)
(実は、あと、深さという軸が上下にあって、三次元で語りたかったんですが、煩雑になるので却下)
(次回があれば、自己確認的「点」や人に見せるための「点」。誰のためのレビュー。などを書くかもしれませんし、書かないかもしれません)
(つーか、私が次回予告を書くときは、大抵、他の誰かが書いてくれたからいいなという希望です)
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